LUFFという花屋ができるまで 第二話<就活>
LUFFという花屋ができるまで 第二話。
前回は私の壮絶な生い立ち、そして大学生でラクロスというスポーツにどハマりして…
というお話でした。
今回は大学生に待ち受ける就職活動でのお話。
やりたいことはラクロスです
大学生になった私はガチ部活であるラクロス部に入って、青春と仕送りの全てをラクロス注いでいました。
当時の我がチームは強豪の一角で、特に私の学年は良い選手が多く記録にも記憶にも残るような成績を残していました。
いくつかある大会で3度の優勝、準優勝は1度。
個人的にも大会得点王やMVPに選ばれたりと、なかなかよい選手だったんです。(体脂肪も一桁台だったし!)
ラクロス自慢をしたところで誰にも響かないと思いますが、要はガッツリ本気でスポーツしてたってことです。
とはいえ、夢ような時間だとしても時間は過ぎていくもので…
大学3年生も後半くらいになると就職活動をしないといけなくなってきます。
もちろん私も例外ではなく、夢も目標もないまま就活に突入。
やりたいことがあるわけでもなく、学んできたこともない(単位もマジでギリギリだった)。
そして無理やり絞り出した希望の職業がウエディングプランナー。
これはもう、ホントに無理やり。
ウエディングプランナーさんには失礼だけど、ごくごく薄〜く「俺、
もしかしたら興味があるかもね」程度でした。
なんかその少し前にウエディングプランナーのドラマだか映画だかやってたような、だから記憶に残ってた、みたいなそんな程度の志望動機。
そんな感じで始めた就活はだんだんと部活の時間を削っていき…
あぁストレス。
ラクロスしたいなぁ、ウエイトトレーニングしたいなぁ。
日々フラストレーションが溜まっていったのでした。
間違いなのか、運命なのか
当時は就活といえば、就活サイトで気になる企業にポチっとエントリーして説明会の連絡がくる、みたいなのがスタンダードでした(今もそう?それとももう社長面接とかもAI?)。
ウエディングで仕事を探していた私は「こんな企業もどうですか?」みたいなレコメンドに<ウエディング会場を飾る花の仕事>を発見。
へぇ、そんな仕事もあるんやね。くらいの印象でしたが、ノリと惰性でその企業もポチッとエントリー。
後日説明会の案内が届きました。
「あんまり興味ないけど、(都内に1軒か2軒しかない)ラクロスショップの近くだからついでに行くか」という感じで出かけたのですが…
「来た意味ねぇー、はよラクロスショップ行ったろ」
という結果。
というのも、その会社は「当社はウエディングの花の仕事もしてるけど、メインは葬儀の花の会社で〜す。新卒の募集は葬儀の方しかしてましぇ〜ん」という説明会だったのです。
実際はこんなナメた口調ではありませんでしたが、私にとっては<ウエディング>というワードでつながっていただけの、ただでさえ興味の薄い花の仕事。
さらにはその<ウエディング>まで剥奪されて、真逆ともいえる<葬儀>を乗っけてきたその説明は、そんな感じに聞き取れたものでした。なんなら『ざんねんでしたぁ〜〜ププッ』もプラスされてたかも。
それ言う相手まちがってるから
と言うわけで説明会の最後にあったアンケートには「すみません、勘違いしていました。葬儀は希望してません。ウエディングのつもりでした。」と記入して帰ったわけなのですが、どういうことか再びその会社から連絡がありました。
「面接をしたいので来てください」と。
アホなん?
それともAI自動一斉送信で面接に呼んでんの?
俺に言うなよ。
本当にそう思ったのですが、「面接は場数だ」みたいなのを聞いていたのでとりあえず行ってみることにしました。
ただ、嘘を言うのも嫌だし、仮に内定もらっても行く気はなかったので面接では正直に、かつ確実にお断りをしました(なんのために行ったんだろう)。
「ウエディングの仕事がしたいのです。なんならフラワーではなくプランナーです。葬儀の花ならなおさらです。花に興味あるわけでもないのに応募してすみません。」
「あばよ、いい夢みろよ!」と。
そして就活が終わった
これを書いてるくらいだから、ここまでくるとどうなるか予想がつくかもしれませんが、案の定その会社から連絡がきました。
「面接をしたいので来てください」
…ほう、どういうつもりか話してごらん?
詳しく聞くと、「弊社は本来新卒では葬儀部門しか募集しておりませんが、今回は貴殿のやる気と情熱に私たちも絆されました。ぜひウエディング部門の部長めと面接してやっていただけませんでしょうか?この通りです、ははぁ〜」
たぶんこんなに謙ってはなかったと思いますが、2度も断ったにもかかわらず連絡をくれたって事は…
そういうことだよね?ん?
結局その面接を受けさせていただき、晴れてウエディングの花の仕事をする会社に内定をもらうことができたのでした。
はっきり言って花の仕事がしたかったわけでもないし、ほんの数ミリ数グラム程度の興味があった程度の花を扱うという仕事。
ここに就職していいのかな、という迷いはありました。
それでもその会社を選んだのは、2度も断った私に興味を持ってくれて呼んでくれたことに少し運命を感じたから。
正確にいうと運命というよりは、物語性を感じたから。
どうでもいいことだけど、何かしらの出来事を「運命だ」と言うのは後からでいいと思ってる派です。
そんな派閥があるかどうかは知らないけど、運命という言葉に逃げてなりゆきに身を任せたりしないで自分の進む道は自分で選んで決めたいので。
ちなみに今になって振り返ったときに「あの時が運命の分かれ道だった」と言うのはアリ派です。
あと少し訂正ですが、その会社を選んだ理由は本当は3つあります。
1つは前述した<物語性を感じたから>。
そして残り2つが大きなウエイトを占めているのですが、それは
2、早く就活を終わらせてラクロスしたい(45%)
3、友達に「花屋になるわ」って言ったらウケるよな(40%)
ラクロスをやりたいがために、就活をきりあげる。
けっこうナメた理由で花屋になったわけですが、今でも結構頑張ってやってる方だと思います。
植物と一緒で、私は与えられた場所で精一杯頑張る派なので(そんな派閥があるかはしりませんが)。
第二話、最後まで呼んでいただきましてありがとうございます。
長いですか?つまらないですか?
気に入ってもらえれば(もしくはヒマでヒマでしょうがなかったら)、また続きや他の記事も読んでいただけると嬉しいです。よろしく。