LUFFができるまでの話 第5話<無職>
前回までのあらすじ
新卒で入社した会社を辞め、自由を手に入れた私。
先のことを全く考えず仕事を辞めたため、何も予定はなく、もちろん収入もなく。
ありあまるのは時間だけ…
基本的に私の人生は行き当たりばったり。良くも悪くも出たとこ勝負。
あまり欲がないのかなんなのか、幼少の頃から何か問われても「わかんなーい」
なんか食べたいものある?
「わかんなーい」
何か欲しいものある?
「わかんなーい」
習い事とかしたい?
「わかんなーい」
そんな感じでした。
覚えているのは、「わかんなーい」は私の中では「どっちでもいい」とか「なんでもいい」とかそんな意味の言葉だったということ。
主体性がないと言われればそれまでなのですが、こちらから言わせてもらえば、出てきたものを喜んで食べるし、習い事をさせるなら全力で取り組みますけど?という、意気込みの表れ。
植物のように与えられた環境で全力を尽くします、という覚悟の「わかんなーい」だったのですが…
スズメ100までdon't forget to dance,という言葉があるように、
また、三つ子souls up to100ということわざがあるように、私の行き当たりばったり出たとこ勝負のノープラン精神は大人になっても変わらずで。
会社を辞めたあとのことはほとんど考えてませんでしたが、とりあえず時間だけはあったので旅行でもいこうかなぁ、と会社辞めた人がやりがちな行動第一位をやることに。
京都、滋賀、愛知、秋田、香川、群馬とか(だったかな?ちょっと記憶が曖昧だけど)。
親友を訪ねて出かけたり、親戚を訪ねて新幹線にのったり。
忘れちゃったけどたぶん、当日に突然「いま近くにいます」的な感じで連絡とったような気がしてます。よくて前日とか。
思い返すと、これってひょっとして迷惑かなと思ったりもしたけど、一般的に考えるとこれはやっぱり迷惑ですね。
香川は瀬戸内芸術祭とかやってたのかな。
行ったのが真冬も真冬で全く賑わってなかったけど、それはそれで自由でとってもよかったですね。
島で現金を切らしてトボトボ歩いていたら、知らんおっちゃんが車で拾ってくれたこととか、芸術の内容はあんまり覚えてないけど、「行ってよかった」という印象はすごく残ってます。
滋賀愛知秋田は友人や親戚にお世話なって、群馬香川は宿を現地調達。
ノープランナーの実力発揮という感じだったのですが、世界の観光地京都では痛い目みました。
時期がわるかったせいもあるかもしれないけれど、世界の中心かというくらい人がいて宿はどこも空いておらず。
結局新大阪まで移動してビジネスホテルに泊まるという無駄時間をくうことに。
この無職期間、最終的に半年くらいだったと思いますが、振り返ると人生に於いてこの時間があってよかった、という時間だったというわけではありませんでした。
それなりに将来への不安がありつつ、少し楽しく、まぁ、自分の人生の年表でみると少し特殊な時間でしたね。
一人旅だから何にも気を遣うことなく、仕事もないから日程も決めなくていい。
恋人もいなかったから誰とも連絡取る必要もなく、このまま誰にも知られずにキャトルミューティレーションとかされても誰にも知られないままなのかなと思ったりしてました。
我ながら盛り上がりに欠ける第5話でしたね。
一番盛り上がったのは、雀百までのくだりですか?
人生の中であまり一生懸命ではなかった時期(一生懸命になる対象がなかった時期)のせいか、記憶も曖昧なんです。
ちなみに今でもノープラン精神は衰えておらず、特に旅行での「なんとかなるでしょ」のせいで後悔することも多々あります。
旅行に行くなら、せめて宿だけは予約することをオススメします。