コンサート鑑賞記録(1)【初投稿】

パシフィックフィルハーモニア東京 第162回定期公演
2024年1月27日(土) 東京芸術劇場
指揮:飯森範親  ピアノ:小菅優
曲目:西村朗:カラヴィンカ *ピアノ独奏
   西村朗:ピアノとオーケストラのための《神秘的合一》(2023年度
   パシフィックフィルハーモニア東京 委嘱作品・遺作 )
   ブルックナー:交響曲第7番 ホ長調(ノヴァーク版・一部ハース版)

昨年逝去された西村朗氏の追悼の意味も込められたプログラム。西村作品、実はほとんど聴いたことがないのだが、第一印象は「現代的な書法でありながら、メロディー、歌心を感じさせる」というもの。他の曲を聴き込めばまた違ってくるかもしれないが。冒頭の「カラヴィンカ」、曲からも演奏からもちょっと近代フランス音楽のようなイメージを私は受けた。2曲目は全部で3楽章にするつもりで、第2楽章のみが完成したということらしい。オケが入るせいか響きが厚みを増す。速めのパッセージが続くも、どこかに何事かをためらうような雰囲気を漂わせる曲調のように思えた。ソロは気迫のこもった、素晴らしい演奏。
後半のブルックナー7番、好きな曲ではあるのだが、今回の演奏は残念ながらあまり好きにはなれなかった。丁寧で誠実な演奏ではあるのだが、もっと柔らかく清澄な音を求めたい感じ。各パートも細かいところが溶け合っていない部分もあった。昨年11月に汐澤安彦氏の指揮で聴いた際はもっと美しい音だったように思うが、その特性を生かし切れていない印象。飯森氏の指揮もお手本のようなキチっとした棒だが、ブルックナーの場合には固すぎるように思う。ノヴァーク・ハース両版の折衷だったが、版については詳しくないので効果のほどについては分からない。
ちなみにブルックナー7番、私の好きな演奏は実演では井上=読響、CD等では尾高=札響、朝比奈=大フィル、小泉=都響。


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