「ほまこそ」 if NTRルート

 小さい頃から、どちらかと言えば、ひねくれ気質だった俺。

 だから、みんなして注目する、クラスのアイドル、松林花梨まつばやしかりんさんではなく。

 あまり注目はされないけど、ぽっちゃり豊満で実は可愛い、俵田育実たわらだいくみさんを狙っていた。

 男子どもが、みんなして松林さんに夢中になっている隙に。

 俺は上手いことやって、俵田さんにアプローチし、同じ美化委員となり、仲良くなって……付き合うことになった。

 当然、歓喜した。

 だって、本当に上手いこと、理想の彼女をゲット出来たから。

 後で、夏服状態になった彼女の破壊力を見て、他の野郎どもが悶絶しつつも、後悔する場面が容易に想像できた。

 そう、俺はあまりの歓喜に、半ば我を失っていた。

 調子に乗っていた。

 だから……

「おら、育実! おら!」

「いたっ、よっくん、やめて!」

「とか言って、本当は喜んでいるんだろぉ!?」

 陰キャ、内弁慶の典型かもしれない。

 普段、外ではビクビクしているくせに。

 いざ、身内だけになると、強気になるというか。

 日頃、溜まったうっぷんを、こういう時に発散して……

「このブタ女が! ブヒッて鳴け!」

「痛い! お尻、叩かないで!」

 俺に惚れて、俺の言うことを何でも聞いてくれる、理想の彼女。

 いや、性奴隷。

 そう、大切だったはずの彼女を、いつの間にかそのように見下していた。

 だから、天罰が当たった。

『よっくん、わたしと別れて下さい』

 そのメッセが届いた時、息を呑んだ。

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