【ポエム】 青から藍色に変わるとき
ある人を思う時、
知らなかった過去が立ち上がってくる。
見えなかった背景が一瞬にして飛び交い、
何とも言えない気持ちだけが宙に浮く。
それが真実なのか、真実でないのかさえ分からない。
ただ、青から藍色に変わっていくような濃淡の変化を感じる。
それでも、目の前にいるのはその人なんだと自分を安心させようとして、
コップから溢れそうなほど、水を一気に飲み干した。
思いすぎると重くなり、
構えすぎると不自然だ。
そう気付いた時、私は納得した。
私が捉えるアナタが貴方であると。(完)