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ポエム

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【ポエム】 塊

【ポエム】 塊

塊が残る。

思いは募り、途轍もない速さで砕け、

巨人の如く、壁を越えてきた。

「ああ、なんとも哀れだ」と同情する。

確かに、不幸に違いない。

どこかで昇華したかっただけ。

石でもよかったのに。

ぶつける場所も無かったのだろう。

いつからか、そんな世界線が出来上がってしまった。

「Are we wrong?」と聞かれても、

答えなど最初から無かった。

だから、誰も悪くない。

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【ポエム】  スロー再生したら

【ポエム】 スロー再生したら

スロー再生したら、世界は違って見えて、

話している言葉も相手の顔もゆっくりと動き出した。

こんなにも早いスピードで会話を理解していることに気付き、

もしかすると聞き取れずに見逃した数多くがそこにあったのではないかと考えた。

話す行間に本当に言いたかった何かが隠されていて、

面倒臭そうに「はい、はい」と言っている。

何度も繰り返し聞いてみたが、何と言っているか分からない。

その言葉だけ

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【ポエム】 情報過多カタカタ

【ポエム】 情報過多カタカタ

キーボード

カタカタ鳴らす。

終わらない仕事。 

程よいところで型つけて、

机の上を片付ける。

肩が痛くて、

肩こり酷くて、

スマートフォンを一度開けば、情報過多。

目が眩む。

カタカタ、カタカタ

カタカタとどこを取っても

情報過多。

気付けば今夜もてっぺんだ。

カタカタ、カタカタと

また、明日も。

朝は早い、型破り。

【ポエム】 地球は、また自転する

【ポエム】 地球は、また自転する

地球は自転する。

人は別れては出会いを繰り返す。

ぐるぐると巡り合うその中で、

僕は君に会い、

君は僕に会った。

僕らは最初はぎこちなかったし、上手く話せなかった。

すれ違うことばかりで、顔を合わせるぐらいだった。

どういう人なのかも分からなかったし、あまり知ろうともしなかった。

でも、時は流れ、僕らは親しくなった。

たぶん、声をかけたのは君からだった気がする。

僕も何となく「

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【ポエム】 だから、ここにいる

【ポエム】 だから、ここにいる

できないことだってある。

理解できることばかりで世界を見て、

顔が見えなければ何でも言える。

そんな世界で生きている。

でも、それは一部にしか過ぎない。

まだ知らないことだってあるんじゃないか。

こうしている間にも誰かは悩んでいて、

夜の静けさの中で泣いている。

だから、ここにいるんだろう。

だから、遠い場所でもすぐに来てくれるんだろう。

「待たせたな」って、顔出してくれよ。

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【ポエム】 静かに消える。

【ポエム】 静かに消える。

消えた。

音も立てずに。

そこにあったものは、すぐに消える。

存在したのかさえ分からず。

静かで、

夢のように見えて、

白い紙には10行ぐらいの文字が並ぶ。

消えて、また新しいものが現れる。

理由なんか分からないだろう。

分からない時点で、終焉を迎える。

油性ペンより水性に近い。

一瞬にして、文字は消えた。

そしてまた、ペンは動く。(完)

【ポエム】 海底に沈む世界

【ポエム】 海底に沈む世界

起きている現実

それを取り巻くもの

その渦中にいるもの

明日には変わってしまうかもしれない未来を

私たちは見過ごしているのかもしれない

照らされた明かりは、まぶしく

その裏側にある影を

分かったふりして頷いた

でも、そうじゃない

そうじゃなかったのかもしれない

君が教えてくれた

もう一度、時間をくれないか

考えてみるから

海底に沈む世界について(了)

【ポエム】 その日が来るまで

【ポエム】 その日が来るまで

いつからなのか分からない。

君が次に進んだと感じるのは、ある瞬間においてである。

気付いた時には成長していて、それなりの覚悟があり、

もう私が近くにいなくても問題ないと思える。

そもそも私に出来ることなど、最初から限られていて、

伸びていくのは君の方なのだ。

つまり、ベクトルは常に君の方に向いている。

今後、大雨が降ったとしても、日差しが厳しい日が続いたとしても、

その場所にいる君

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【ポエム】 巡る

【ポエム】 巡る

巡る。

色んな人に出会い、

色んな人と別れる。

そして、また出会う。

巡りながら、誰かを思い、

巡りながら、誰かを支え、

また、最初の地点に戻る。

いつか帰ってくるのだ。

そして、また進み出す。

そういう繰り返しの中に私はいる。(完)

【ポエム】 君の都合なんて知らない

【ポエム】 君の都合なんて知らない

予定調和にはいかないものだ。

透き通る空の青さを見て思う。

ほとんどの人がまだ布団の中にいて、

目を覚ましている者の方が少ない。

こちらが考えているほど、

地球というものは回ってはくれないらしく、

いとも簡単に時間の壁を乗り越えて来る。

まるで、君の都合なんて知らないよと言われているようだ。

私は腕を伸ばし、両手を大きく広げる。

「分かった、君の言う通りにしよう」

そう言うと、

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【ポエム】 流動的な日々へ

【ポエム】 流動的な日々へ

必要とされる一方で、失うこともある。

摂理と言ってしまえば、それまでなのかもしれない。

こちら側からはどうすることも出来ない問題に起因している。

定数は動かせない。

頭では分かっていることなのに、あらゆる事象をいつまでも考えてしまう。

考えたところで答えは分かりきっている。

それは流れに乗るということだ。

流れを止めることはできず、ただ流れに連れられる。

流れに従っていく先に何が見

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【ポエム】 青から藍色に変わるとき

【ポエム】 青から藍色に変わるとき

ある人を思う時、

知らなかった過去が立ち上がってくる。

見えなかった背景が一瞬にして飛び交い、

何とも言えない気持ちだけが宙に浮く。

それが真実なのか、真実でないのかさえ分からない。

ただ、青から藍色に変わっていくような濃淡の変化を感じる。

それでも、目の前にいるのはその人なんだと自分を安心させようとして、

コップから溢れそうなほど、水を一気に飲み干した。

思いすぎると重くなり、

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【ポエム】 私が問題で、あなたが解答です

【ポエム】 私が問題で、あなたが解答です

私は歌う

カラオケボックスで

一人しかいない空間の中

メロディーに乗せ

日常のアレコレを吐き出す

身体に流れ込んでいくウーロン茶

合間に聞こえる隣の歌声

まだ、足りない

まだ、歌える

限界はもう少し先

じんわりと汗をかき始め

ふと思い出す学生の頃の思い出

相変わらずの私と対峙し

馬鹿馬鹿すぎて笑いが止まらない

絶対に口にしないダサい言葉さえも

躊躇わずに言える

「私

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【ポエム】 stance

【ポエム】 stance

さらっとして、暑苦しくない

自分らしくいることができる

そういう雰囲気が好き

気配りはあっても、間合いは広い

過度に干渉せず、相手に選択の余地がある

そういう距離感が好き

昔はそうじゃなかった

保有することや把握することに急いでた

でも、今は違う

このスタンスを見つけたから(完)