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その眼差しが語るもの

「目は口ほどにモノを言う」という言葉を日々実感している。 

私が日々一緒にいるのは、身体は思うように動かせず、手も使えず,言葉という道具を使わない子ども達だ。

彼、彼女は出生時のトラブルや感染症、遺伝子の異常など様々な理由から障害を抱えている。

私は彼らと関わるようになって日も浅く、正直戸惑う事が多くある。

彼らは、非常に鋭い感性と知性を持っているから、「全てお見通しだよ」と言っているような「眼差し」で語りかけてくれる。

朗らかで優しく、可愛らしい眼差しの日もあれば、不安気で、どこか寂しそうに、信頼を寄せられない事が一目でわかる日もある。

それはとても尊く、そして苦しい。

このような障害福祉の分野において、「虐待」に対する勉強会は必ずある。
そこでは、「不適切なケアとは何か?」ということをグループワークで丁寧に話し合う。言い回しや態度や対応において、「自分がされたらどうか?」という客観的な視点を養うと同時に、感受性を研ぎ澄ます事も必要だと思っている。

表現が難しい子ども達は「傷ついた」という事を伝えられないし、支援する側も一方的になりやすいから、「傷つけた」事に気づかない。

綺麗事ではない世界だから、天使になろうとは考えていない。「傷つけない」事もあり得ないし、「傷つかない」事もあり得ない。

ただ、その眼差しから感じられた全てを丁寧に受け止めていきたい。

答えのない世界。
答えの出ない世界。

その眼差しこそ、答えなのだから。




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