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車中生活30日目――冬の始まりとともに

目が覚めた時、車内の窓ガラスは薄っすらと曇り、小さな空間に朝の冷たい空気が漂っていた。時計を見ると7時。寒さを感じながら、寝袋の中で少しだけ身体を丸める。今日で車中生活を始めてちょうど一ヶ月が経つ。11月が終わり、明日から12月。月日の流れがこれほど早いと感じたのは久しぶりだ。


11月初旬に車中生活を始めた頃は、全てが新鮮で、同時に不安も多かった。初めて道の駅で夜を過ごす時は、車の窓にカーテンを取り付ける手つきもぎこちなく、外の音に敏感になりながら眠りについた。けれど、今ではその一連の作業もすっかり慣れたものだ。カーテンを閉め、ランタンを点け、湯を沸かしてインスタントコーヒーを淹れる。狭い空間だが、その中で自分だけの生活が形を成している。


車中生活は思ったよりも悪くない。むしろ、家にいた頃よりも自由を感じる瞬間がある。道の駅での風景や、移動中に見つけた景色。空の広がり、自然の中で感じる風の匂い。固定された生活から離れてみると、毎日が新しい発見の連続だ。


とはいえ、12月は特別な月だ。クリスマス、大晦日――かつて家族や友人と過ごした暖かい思い出が蘇る季節。けれど、今年は違う。久しぶりの「ひとりぼっちのクリスマス」と「静かな大晦日」を迎えることになる。


初めてのひとりクリスマス


クリスマスといえば、暖かい部屋、煌びやかなツリー、甘いケーキの香り、そして家族や友人と笑い合う時間。でも、今年はそんな景色はない。僕のクリスマスは、きっと車の中で迎えるものになるだろう。


「それでもいいんじゃないか」と最近は思えるようになってきた。ケーキを買ってきて、車内で一人で味わうのも悪くない。ケーキ屋さんでお気に入りの小さなホールケーキを選ぶ瞬間も楽しみだ。夜には、いつものように車内にランタンを灯し、小さな空間を彩るつもりだ。車の中でも、僕なりのクリスマスがあっていい。


静かな大晦日の夜


そして大晦日。今年はテレビもないし、紅白歌合戦も、カウントダウンのにぎやかな声もない。ただ車の中で、静かに新しい年を迎える予定だ。もしかしたら、いつものように早めに寝てしまうかもしれない。でも、そんな年越しも悪くないと思っている。


車中生活を始めてから、以前の自分がいかに「理想」や「型」にとらわれていたかに気づくようになった。クリスマスはこうあるべき、大晦日は家でこう過ごすべき――そんな考えを自然と押し付けていた。けれど今は、「自分にとって心地よい形でいい」と思えるようになってきた。


車中生活の冬を乗り越えるために


12月の寒さは、車中生活にとって大きな試練だ。寝袋だけでは凍える夜も増えるだろう。最近は充電式の湯たんぽを買おうかと考えている。寝袋の中に入れておけば、少しは暖かく過ごせるはずだ。これもまた、車中生活を快適にするための工夫のひとつだ。


生活において快適さや便利さを追求することは、どんな環境にいても大切だと感じる。車中生活は決して豪華ではないけれど、限られた中で工夫を重ね、自分なりの居心地の良さを見つけていく日々が続いている。


応援が励みになる


「もう車中生活なんてやめたら?」と周りから言われることもある。でも、僕にとってこれは新しい挑戦であり、自分と向き合うための時間だ。理想とは少し離れているかもしれないけれど、それでもこの生活には意味があると思っている。


もしこの記事を読んで「頑張れ」と思っていただけたら、その気持ちが何よりの励みになります。応援していただけると、とても嬉しいです。少しずつでも、前に進んでいきます。


今年もあと少し。車の中から見る冬景色は、どんなものになるのだろうか。クリスマス、大晦日、そして新しい年――全てをこの小さな空間で迎える自分を、少しだけ誇らしく思う。



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