世界で一番笑顔な難病者
国語の意見文課題で提出したものです。
健康は良くて不健康は悪い。そんな風潮がこの世界に存在すると私は日々実感する。なぜ不健康は悪いとされるのか。そもそも不健康とは何か。
保健の授業で健康な人の定義は?という問いがあった。「病気をもっていない人のこと」
答えはこれだ。私は納得できなかった。病気を持っているから不健康。人と比べてできることが少ないから不健康。それは本当に正答であるのだろうか。
確かに病気を持っている人は毎月のように病院に通い、何本もの注射を打ち、毎日薬を飲み、症状に苦しみ、多くの我慢をするだろう。でもそれだけで「不健康」と決めつけてしまうのは間違いであると思うし、最低だと私は思う。
では私にとっての「不健康」とは何か。それは自分自身が「不幸せ」と感じることだ。私は病気を持っているが不幸せと感じたことは一度もないし、自分が惨めだと感じたこともない。むしろ私は幸せ者だと思っているし、病気を持っている私が好きだ。
病気を持っていようと本人が幸せを感じているのなら、それは「健康」だ。逆に、病気を持っていなくても不幸せと感じているのなら、その人は「不健康」だと私は思う。
「健康でいなさい」大人はいつもそう言う。でも、その言葉に傷つき、涙する人がいるということを忘れないでほしい。
なぜなら、あなたの言う「健康」にもう二度となることのできない人がこの世界にはたくさんいるから。あなたの知らないところで苦しんでいる人がこの世界にはたくさんいるから。
「健康」という言葉にどれだけの重みがあるのかを今一度考えて発言してほしいと私は強く感じる。
あなたの腕に注射シールが貼られていたとしても、あなたのバッグに毎日薬が入っていたとしても、病院にいるあなたも、みんな笑顔で「私は幸せだ」と言えるのなら、希望を持っているのなら、あなたは健康なのである。