家族から見た大人の発達障害2 NGワード編
はじめに
前回のnoteと同じコンセプトです。
具体例としてのお話です。
あくまで一例であり、わかりやすい例を抽出しています。
日常会話の前提
あくまで家庭内で発達障害当事者と
医療従事者ではない一般人の会話にて起こることです。
私自身の会話能力は、特別下手でもなければ上手でもない、
ごく普通の人間だと思っています。
有名な例と何が起きるか
たった今、上の文章に書いたことをそのまま伝えると
よく問題が発生します。
わざとらしく書いたので、壁を作っているようにも見えますが、
伝えるためなのでご了承ください。
少しでも接したことがある方や当事者の方なら
すぐにお気づきかと思います。
"普通" というワードです。
つい楽だから、伝わるだろうという思いで使いがちで便利なワード。
もはや説明不要なほど有名なNGワードでしょう。
どんな人間だっていきなり”普通”などと言われても、
"あなたの普通"と"私の普通"は異なるし、どの普通だよ?
ってなりがちです。
しかしそのレベルではありません。
このワードを聞いた瞬間、それまでの会話や雰囲気、流れなどが
消え去ります。
その時から、頭の中を可視化したら"普通"という文字で
いっぱいになったかのように。
(実際には過去に同じように言われた場面までフラッシュバックしていると思います。)
ほかに同じようなワードとしては”みんな”など…
問題点・課題
NGワードと括ってしまうと一方的に”捉え方が悪い”と見えがちですが、
言いたいことはそうではありません。
”普通”は一例にすぎません。
ここで発生する問題はそれによって、その会話が途切れることや
感情を揺さぶってしまうこともありますが、その後にも波及します。
一度引っかかったワードが会話のどこかに含まれていると、
時間をかけ、何度ラリーを交わした会話であろうと、
そのワードを言われたことしか頭に残っていないことが多いのです。
その場でいくら訂正しようとも、言い換えようとも、どうにもなりません。
ただし、
例えば”普通”というワードを言われるのがNGだったとしても、
自分から言う分にはOKだったりします。
そして自分が言っていることには気付いていなかったり、指摘しても
そこに悪気はありません。ごく自然に使っています。
仮説とそこから見える糸口
たった一つのワードでも会話や記憶が破綻してしまうことは、
非常に多いです。
ただ、それは本当にワードだけの問題なのかは疑問です。
確かに、こだわりが強くでると辞書的な意味で言葉を使えていない場合、
会話や流れなど無視で話が言葉の問題に移ります。
しかし上記のように、自分は同じワードを同じ用法で使っていたりします。
ここから考えた仮説をいくつか。
仮説1
自分が何を言ったかに関わらず、言われたことへの執着が強い。
仮説2
言葉そのものではなく、過去に同じ言葉を言われた状況そのものが
蘇ることで、結果的に言葉に対しての拘りがでてしまう。
結局はその両方や、もっと複雑な事情が絡んでいて単純には語れないことは分かります。
仮説2に関しては、ワードに対する反応以外でも、
極端な拒否反応やパニックにも共通して起き得ることなのでしょう。
フラッシュバックや過去の記憶との結びつき、この辺りが苦しさにつながってくるのだと思います。
まとめ
なので皆さん気をつけましょう。とまで丸投げする気はありませんが、
このようなことは頻繁にあるものです。
前回noteでも述べたようにルール作りをしてもあまり効果はありませんし、
一度でもこちらがルールに反した場合は、ここぞとばかりに責めてきます。
そしてこちらの違反を決して忘れません。
しかし自分が反したことは、よく忘れますし、指摘しても
思い出すこともあまりありません。
そういうもので、本人含めどうしようもない部分もあると思います。
言い方や雰囲気づくりからズレてしまっていると、内容がどうであれ、
責められている気になってしまう。
そんなところがすべての場面においてあるのかなと思います。