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2024寮祭企画シネマ上映『空を飛ぶ』③
12月1日夜21時~12月2日朝8時 ←今夜からだよ!
熊野寮食堂北開催
風立ちぬ 21:00~22:05
バーディ 23:15~01:15
チェリー2000 02:25~04:05
銀河鉄道の夜 04:20~06:10
ルナ・パパ 06:20~08:10
三作目『チェリー2000』の紹介文。
※執筆者は私ではありません。他の共同企画者の方です。
『近未来の荒廃した世界にて、都会の会社員サムが、故障してしまった愛しのセックス・アンドロイド「チェリー2000」の新たな部品(身体)を確保すべく、彼女の記憶チップを片手に、用心棒として雇った凄腕傭兵である赤毛の女性E・ジョンソンと共に、荒くれ者の巣食う無法地帯の荒野「ゾーン7」にある廃工場を目指し、ゾーン7を支配する狂人レスターとその部下たちと、数々の死闘を繰り広げていく、というお話です。
セクサロイドのチェリーは、ロボットとは思えないほどに精巧に作られています。仕事帰りのサムを家で出迎えるチェリーの肌はツヤツで瑞々しく、その笑顔や官能的な表情は美しく、そして最も注目すべきは、夜の相手としてだけではない、日常生活を共にする上で求められる豊かな感情を表現する機能も実装されているのです。都会の独身会社員サムが彼女に夢中になるのも大いに頷けますし、そりゃあその身を擲ってでも彼女との幸せな日々を取り戻そうとするわけです。
一方、Eもなんとも魅力的な女性です。色褪せた荒野に映える赤髪がまず美しく、旧式マスタングを乗りこなし、宙吊りにされながらもバズーカ砲をぶっ放すなど、無法地帯で独り生き抜いてきたが故の、文字通りのタフさを備えています。ぶっきらぼうな応対をするサムを縄でぐるぐる巻きにしたり、いうことを聞かないサムを崖から突き落としたり、ある意味計算され尽くした完璧なおしとやかさを備えるチェリーと比較すれば、Eの感情表現はなんとも無骨なものですが、それは裏を返せば、不完全性という人間性のうち最も本質的な部分の現れでもあるのです。そしてゾーン7でEと苦楽を共にし、Eの人間性を一身に浴び続けるうちに、完璧なセクサロイドを取り戻すんだというサムの心に、無視できない葛藤が芽生えてくるのです。
本上映会のテーマは『空を飛ぶ』ですが、本作品で登場するのは、近未来の世界に似つかわしくない、けたたましいプロペラ音を撒き散らすオンボロ小型飛行機です。Eの継ぎ接ぎ突貫工事でやっとこさ動かせた機体ですから、残念ながらたくさんの人や物を載せることはできません。この飛行機で飛び立っていくためには、身も心も軽くする必要があります。都会でチェリーと共に暮らし、そしてゾーン7をEと共に走破したサムには、色々なしがらみや執着、葛藤が身に纏わりついています。茶色い荒野を見下ろし、夕日以外は何もない雄大な夕空に向かう飛行機には、果たしで誰が、どんな顔で、どんな想いを胸に搭乗しているのでしょうか。是非鑑賞しに来てください!』 藤川
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