離婚した時にうしなったもの、今更困っていること

24歳で結婚し、数年後に2歳の子供を連れて離婚して。
あれから二十年くらい経ちます。

元配偶者のギャンブル&借金が、きっかけでした。
話し合おうとすると逃げ回って家に帰ってこない。ワンオペ育児と仕事、膨らむ利息にハラハラする日々。
とても子供を笑顔で育てられなかったです。

ひとまず子供を連れて家を出ました。
離婚したいと言ったら、離婚はイヤだと。
ギャンブルをやめて迎えに来てくれたら戻ると言っても、ギャンブルはやめられない。
なかなか離婚してもらえなくて苦労しました。

今思えばギャンブル依存だったのでしょうから，意志の力ではどうしようもなかったんでしょうけれどもね。
当時の私には、ギャンブルをやめられるかどうかが娘と私への愛情の秤であり。
一緒に子育てを続けられるかの分水嶺でした。

別居して半年交渉しましたが離婚すると言わないので…

離婚するならその前に借金返してあげるから。
車も家も全部あげるから。
なんなら苗字も戻さないで、ギャンブルやめて迎えに来てくれるまで待ってるから。
今は1人にしてくれないと娘を笑顔で育てられん。
たのむ。

なだめすかして丸め込んで離婚に漕ぎ着けました。
別居してから離婚までに半年以上かかったので、そこからあちこちで姓の変更をする気力がなかった。
平たく言えば、もう面倒くさかった。周りにいちいち聞かれて説明する元気がない。
なのでいまだに、結婚していた時の姓を名乗っています。あまり印象に残らない苗字で画数もあまり多くなく、使い勝手は良いです。

ひっついてくるタコを引き剥がすようにして、なんとかかんとか離婚したので。
財産はそれなりに失いました。

人の気持ちには絶対も永遠もないのだと知り、
家族と信じた人も裏切るのだと知り、
純な心も失いましたね。

地方都市とはいえ所詮は田舎ですから
離婚するような人間は落伍者、みたいなレッテルを貼られることもありましたね。

色々ありましたが、今でも悲しいなと思うことは、楽器をやめたことです。
私は楽器で、誰かとハーモニーをつくることが何より好きでした。ソロじゃなくて。
小学校から吹奏楽部に入り、青春はフルートに捧げました。

高校を出てからは、社会人バンドに入り合奏するかたわら、バイトでも吹いてました。
結婚式の挙式会場で、ハープと一緒にアヴェ・マリアなんかを楚々として吹くようなやつです。
あれは実入りの良いバイトでした。

元配偶者は、プロではありませんが相当な腕前のラッパ吹きでした。
バンド関係に顔が広く、なんなら隣の都市のバンドまで全部知り合い、客演にもよく呼ばれる。
この街に住み続けて私が合奏したいと思ったら、必ずどこかで関わらなければいけない状況でした。

元配偶者、今でこそ心底好きでも嫌いでもなく、本当にどうでもいい存在ですが、当時は憎くて悲しくて私の人生から消えて無くなって欲しい存在だったので、1ミリも関わりたくありませんでした。
そうなると、私はバンドで演奏することが難しい。

1人で吹いていても「誰かと合わせたいなぁ…」と思うたび、元配偶者に負けたような気がして気が滅入り、演奏をやめました。
楽器は捨てられず、フルート自体はあるんですけどね。

さて
結婚や離婚をしたこと自体はまったく後悔していないんですが、後始末について後悔していることがひとつ。

旧姓に戻しておけばよかった。

パートナーのワラビー氏と事実婚の届出をする準備をしていて、ふと気づいたのですが。
法律婚して姓を変えないとなると、私ってば元配偶者の姓を名乗って違う人の嫁さんになるんです。

流石の温厚ワラビーとて、これは嫌ですよね…

「正直、気分よくはない。
けど、今の姓を名乗って生活することは、前の結婚の思い出の証ではないのはわかっている。
俺の姓を名乗ることで、かわうそ仕事で不便な思いをするんじゃないかという懸念はあったから、納得は出来ている」とのこと。

かと言って、私が今突然旧姓に戻すのも…
旧姓、めっちゃ変わっていて目立つんですよ。
今のありふれた姓のまま、世間に紛れていたい。
うーん…

余談ですが、改姓に関してびっくりした決まり事がありました。

私のように、離婚して旧姓に戻さずにいる女性が再婚して、再婚相手の姓を名乗ったとします。
再婚相手と離婚して、旧姓に戻そうとしたら、生まれた時の旧姓までは戻れず、最初の夫の姓に戻すことしか出来ないんですってよ。
ひとつ前までしか、遡れないシステム。
2回目の結婚をした後輩が教えてくれました。
私は一応、一度旧姓に戻してから再婚しましたよ♡って。

しーらーなーかーったぁーーー
そして一応旧姓に戻したという彼女、たくましすぎる。今の旦那さんにどうやって説明したんだろ笑

離婚した時のあれこれを思い出すことって、ほとんど無かったのですけど。
連鎖的に、書ききれないほど色々と思い出しました笑
いまの平和が本当にありがたく、幸せであります。