GOING サブマリン 8
パスカルのおかげで命拾いした僕は、無事にスクエア1まで帰ってくることができた。
目的の物も手に入って、さっそくポッドの作業へ行きたいところだが…
僕は、はじめに行かねばならないところがあった。
(すみません!リックさん!
リックさんの大切にしていたポッドを壊してしまいました。
本当にごめんなさい!)
そう!リヴァイアサンの猛攻により
譲り受けたポッドが破壊されてしまったのだった。
その事を報告・謝罪しにリックさんの所まできていた。
(話は別のポッドを借りに来た、パスカルから聞いています…そうですか…)
俯くリックさんに申し訳ない気持ちが募る。
ポトン!
ふと、リックさんは僕の肩に手を添える。
(報告ありがとうございます! 私のポッドは最後の最後まで良い仕事をしてくれました
トム!君の命を守ってくれたんです!)
リックさんにそう言われて、僕は泣いていた。
(今回、スクエア5付近まで赴いていた、ということで聞いています。
何故そんな所まで行っていたんですか?)
僕とパスカルは顔を合わせて頷く。
リックさんに、事のいきさつを話した。
(そうだったんですね…あのノット会長が)
そう、僕のじいちゃんはバイト先の元偉い人で
リックさんにとっては、昔の上司にあたる人だったそうだ。
(トム!ノット先輩は私の憧れの先輩です! あの人がもたらす事にはいつも僕等は助けられてきました。…だからこそ私もわずかながら協力しますよ! ノット先輩には恩もありますし)
その申し出が嬉しかった。
(ありがとうございます!リックさん)
(ただし…今後もリヴァイアサン級のモンスターとも遭遇もあるかもしれません!
身の危険がある場合はちゃんと相談をしてください!
念のため、危険なモンスターを調べておきます。)
そう、このプラネットオーシャンには、大きな被害をもたらすモンスター達が数多く存在している。
人間では到底敵わない事が多いから…
そういった問題対処には、魚人達の働きが不可欠なのである。
昔!大きな被害の事例としては、スクエア7という割と大型の住居区が、モンスターによって壊滅させられた事なんてのがあった。
その事を踏まえて、T3(ティースリー・討伐、対応、対処)という組織があるくらいです。
僕とパスカルはハイタッチで喜んだ。
帰り際振り向くと…
(パスカルさん!今回は本当にありがとう
今後ともよろしくお願いします。)
リックさんとパスカルか握手をしていたのだった。
その光景がとても眩しくみえたのだった。
後日、ポッドの作業を始めた。
じいちゃんの設計図には無い、プランだったけど
せっかく手に入れたリヴァイアサンの素材も組み込んだ。
こういう時パスカルの技術はホントに助かる。
そういえば、最近スクエア5付近の猛獣の姿が見えなくなって狩りがしやすくなったとニュースで言っていた。
えっへん!僕がやったんだい!
なんて…そんなだいそれた事は言わなかったが
内心、人々の約にたてたのがうれしかった。
リックさんの助けもはいって、作業は大幅に進んだ。
お陰でリックさんとパスカルは、一緒お酒を飲み明かすほど仲良くなっていった。
(お〜い!リック!おめぇ〜今俺の事美味そうだとか思っただろ?)
(いや〜お酒の肴にタコの刺身なんて良いな〜なんて思いましたけど…年期の入った生物はお腹を下しそうなんでやっぱやめときます)
(やっぱり思ったんじゃね〜か〜ヒック!)
(おやおや〜酔っ払ってるんですか?〜顔が赤いからわかりにくいですね〜)
(タコをバカにすんなよ〜)
(してませんよ〜)
とまぁ〜酔っ払いオヤジ達はこんな感じです。
それから、一年後!
僕が17歳を迎える頃に…
(じいちゃん!出来たよ!)
新作ポッドが完成した。
その名を!マリン号!
サブマリンから取った、安直な感じはあるが
分かりやすくて、呼びやすい名に3人とも納得していた。
第9話へ!潜航
https://note.com/preview/n1840bff2bca1?prev_access_key=aaa28fc2565c890cfea1111929fd1245