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「時間は存在しない」カルロ・ロヴェッリ

この本について、amazonで購入して、レビューを書いたが、なぜか掲載拒否のメールがきた。何がいけなかったのだろう。悔しいからここに残しておく。星は5つである。

時間は存在しないのレビュー

レビューのタイトル:時間のアフォーダンス
レビューの中味:まず、タイトルについて、なかなか購買意欲をそそる。原題は「時間のorder」であり、これを時間の秩序とか時間の順序などと直訳したら今の半分も売れなかったのではないか。次に、内容は非常に平易に書かれているが、相対性理論と量子力学を統一しようとしている量子重力理論を元に書かれているので、非常に高度である。数式はΔS≧0という非常に簡単なものが1本出てくるだけだが侮ってはいけない。相対性理論による時間の遅れについては、13章中最初の1章が与えられてはいるが、いまさら宇宙飛行士の時間と地上の時間の進み方が方が違うと言って驚く「時間の初心者」向けの本ではない。先ほどの数式は第2章で登場するが、これが熱力学第2法則だということに気づかない方も、エントロピーの入門本を先に読む方が良い。そして、第4章までが熱力学と統計力学の入り口を含んだ相対性論的物理学すなわち古典力学の話である。そして第5章でやっと量子力学が導入される。というわけで第6章からの第2部が、量子重力理論の話になる。相当難しい。なにしろ超弦理論とループ量子重力理論などの候補があり、いまだ決着がついていないのだ。カルロ・ロヴェッリは後者の創始者である。そして第3部の5章ページにして70ページほどがこの本の価値の根源である。その内容はネタバレになるので書かないが、私なりに解釈した結論は、「時間は生きることをアフォードする。」である。これはカルロ・ロヴェッリの言葉ではなく、私が解釈して言語化したものなのでネタバレにはならないし、アフォーダンスという言葉が初耳でもかまわない。

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