『フランチャイズの失敗』その7「営業しても営業しても…」
「営業しても営業しても…」
そんな状況でも、それらに関係なく自分だけは売上が上がれば良いと頑張ってみたが、3ヶ月間マニュアルと自ら考えた方法で同じところに5回以上も営業し、チラシもポスティングしまくった。多数のケアマネージャーとも結構仲良くなったのだが、「利用者を紹介してあげたいけどいないのよ」と言われる始末。やっと1人紹介してもらったが、残念ながらお試しのみで終了となってしまった。そして結局その間で獲得した利用者はなんと「0人」だった。
これははっきり言っておくが、1と0とは全く違う。『居酒屋の失敗』でも書いたが、0はどこまで行っても永遠に0であり、全くの「無」という事である。やってもやっても結果が出ないのが一番メンタル的にも堪えるのだ。人間の気を狂わせるためには、毎日穴を掘っては埋めてというのをやらせれば一発らしいが、ある意味それに近いようなモノである。
毎日毎日のんきな資格者と車で朝からケアマネージャーへ営業に回り、午後はポスティングするのだが、さすがにいい加減嫌気がさしてきた。このまま続けたとしても利益が出る、いや、自分はおろか、資格者の人件費ですら出るまでに何ヵ月掛かるか分からない。毎月家賃や経費と資格者の給料だけが消えていくだけの状況であり、2016年1月辺りに早くも見切りを付ける事にしたのであった。
そう決めると良くしたモノで治療院に直接治療を受けたいという高齢者がやってきた。一応その場で施術し、保険料を頂くべくその人のかかり付け医にハードルが高いという「同意書」をもらいに行ったのだが、散々「本来は出さない」だとか、「こういういい加減な事をやるな」だとかの文句を言われ、「こういう事か」と理解しつつ、頭を何度も下げてやっと書いてもらったのだが、やめると決めていたのでさして気にはならなかった。そしてそれがフランチャイズ事業での唯一の利用者であり売上だった。確か3,000円くらいだったと記憶している。