『フランチャイズの失敗』その8「本部との決別」

「本部との決別」

 やめると決めたら後は早い。本部に通達するだけである。
 そして本部に伝えたところ、「一度話をさせて欲しい」との事だったが、何を話した所でこちらの意思は変わらない旨はキチンと伝えておいた。
 そして本部へ行ったのだが、そこで驚くべき提示があった。

 その本部は元々シニア施設の運営もやっているのだが、そこから利用者を何人か紹介するというのだ。そもそもそういった自社施設向けのサービスからスタートした訪問マッサージ事業にも関わらず、そこから紹介もなく、逆に営業に行って利用者を獲得すると全く意味不明な「紹介料」をぼられるというヒドいやり方をしていた本部である。当然「だったら最初から紹介しろよ」と思ったのは言うまでもない。
 事業立ち上げ時に売上があるかないかで全く後の展開が違ってくるのに、残念ながらこの本部はそれが理解出来なかったようだった。

 しかし、それくらいの事では、当然やめる決意は揺るがないので断ったら、責任者のパワハラ講師に「紹介した資格者を勝手に解雇した」などと訳のワカラナいイチャモンを付けられてかなりキツい口調で文句を言われたのだが、明らかに自分がやめる事への憂さ晴らしであり、「バカな野郎だな」程度にしか思わなかった。
 そして予定通り本部とは決別したのであった。

 結局2015年10月に加盟して2016年3月に脱退した。その半年弱の間の損失は、正確に計算していないが、加盟金他の300万にホームページ作成費30万、資格者紹介料40万、脱退時の違約金30万、他に研修費やらユニホーム代やらシステム利用料やらやらなんやらで200万、合計で本部に対して約600万、治療院の物件関連で家賃含めて約70万、備品代他で約30万、資格者の給料で約100万、その他モロモロひっくるめてざっくり800~900万くらいだっただろうか。

 居酒屋の方が損失は多かったが、それでも年間で1,000万以上は売上があった。しかし、こちらは前述の通り3,000円。それでもまだ0円じゃなかっただけマシだったと思うほかない。
 そして居酒屋は開業前も含めて楽しい事も沢山あったが、このフランチャイズ事業については、最初から最後まで何一つ楽しい事などなく、苦労してただ金を減らしただけでしかなかったのであった。

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