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遠い遠い昔からある花に

 先日、ベイサイドプレイス博多で開催された、ベイサイドミュージックジャンボリーに行った。目当ては小山田壮平だった。大学1年の時、軽音サークルで4年生がコピーしていたのが私とandymoriとの出会いで、その頃すでにバンドは解散していたため、ライブを見るのはこの日が初めてだった。

 出番30分前。アコギ2本を持って出てきた彼は「これからリハーサルをします!」と言いながら、テレレテレレテレレ…とイントロを弾く。すぐにsunrise&sunsetだと分かった。私がandymoriの中でも特に好きな曲だから。ずっとイヤホンから聞いてきたそのままの声で、彼が目の前で歌う。夢みたいで胸がいっぱいになる。リハーサル2曲目は投げkissをあげるよ。andymoriの曲が立て続けに続いてフロアは温まった。

 本番1曲目は愛してやまない音楽を!私の大学卒業ライブはコロナでパーになっちゃったけど、絶対にコピーしようと思っていた曲。普段ライブを見るとき一緒に歌うことはしないのだけど、この日ばかりは歌ってしまった。「音楽を!」「鳴らそうぜ兄弟!」
 それからは彼のソロ曲が続いた。正直ソロ曲はあまり聴いていなくて、やっぱりバンドの曲とは違うな〜と思いつつ、音に合わせてノっていたら楽しくて仕方なくなって、終わったらソロ曲も聴き込もうと決めた。

 そして一番印象に残ったのは、中盤に歌われた16だ。西日も海に隠れて、潮風が吹く会場にまっすぐに彼の声が通り抜けていく。大きな声じゃなくても、張り上げた声じゃなくても、ただただ心にすっと入ってくる声。この曲の間だけは、フロアを埋め尽くす他のお客さんも、よく見えるステージも何にもなくて、世界に私と小山田壮平だけなんじゃないかと思った。素晴らしい演奏だった。このまま時間を止めたかった。

 30分で、リハーサル含めて全部で10曲。お腹いっぱい、大満足だ。ツアーの合間を抜けて福岡に来てくれて本当にありがとう。次のソロツアーは必ず行こうと思っている。

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