イタリアからはるばるファジアーノ岡山の応援に行ったことがイタリアで記事になったという話
オリジナル記事/Original article by Stefano Ravaglia @stefanorav85
@Sterav85
05 January 2024, 12:22
ノエルとファブリッツィオ、イタリアからニッポンへ
〜「ファジアーノ頑張れ!」と叫ぶために〜
スタジアム観戦好きの二人のイタリア人の冒険、今回ははるばる日出ずる国へ。チーム名やサポーターグループ名にイタリア語が使われているチームを応援するために
「グラウンドホッパー」という言葉がある。遠くまで出かけて、自分の応援する地元のクラブ以外のチームの試合観戦に出かけるサッカーファンのこと。ヨーロッパのいろんな国やもっと遠くまで行って、自分の国、自分のクラブとは違うサッカー文化を存分に体験する。これがノエルとファブリッツィオがよくやっていること。二人はカップルとして日常生活を共にするだけでなく、サッカーへの情熱、そしてイタリア以外の国での観戦への情熱も共有している。ちまたでは最近イングランドでの観戦が人気だが、この二人がよく足を運ぶのはフランスで、リーグアンの試合にも下部リーグの試合にもたくさん行っている。フランスサッカーは、その名声の無さから敬遠されがちだが、二人はフランスの劇場シーンと同じくらいフランスサッカーのことを知っている。
日出ずる国への熱狂
だが2023年9月、ノエルとファブリッツィオが選んだ目的地は、日本の本州にある人口70万人の岡山市だった。岡山のチームは「ファジアーノ岡山」というちょっと変わった名前で、Jリーグ2部でプレーしている。2009年にJリーグに加盟、それ以前も前身のクラブは長年存在していた。
ファブリッツオは次のように語ってくれた:「名前にイタリア語(ファジアーノ=キジ)が入っているこのチームのことは知っていて、興味を持っていたんです。ちょっと調べてみると、サポーターのグループも旗にイタリア語を使ってたりすることに気づきました。そしてある日、友人が、「このクラブを応援するグループを作ろうじゃないか!」と。でもそれは簡単ではなかったです。イングランドとかスペインのクラブの応援をする人は多いけど、日本のクラブの応援となると・・・。サポーターになりうる人達、それどころか単に興味のある人達すら、集めるのは難しいだろうとは思いました。でも、とりあえずやってみようという気持ちがないわけではなかったので、フェイスブックのグループページを作りました。」
助けは岡山に住むファジアーノファンからやってきた:「日本のファンがフェイスブック以外のソーシャルネットワークの方をよく使っていることにほぼ偶然に気がついて、そこで私たちはTwitterに移り、そこで初めて岡山のサポーターグループと接触することが出来ました。彼らは我々の小さなグループの存在に驚き、信じられないといった感じで、グループに関心を持ち始めてくれたんです。」
文化の違いによる戸惑いも:「文化的に大きく異なる者同士が付き合うのは簡単なことではなく、何度か理解できない状況にぶつかってしまいました。そんな時、落胆して一歩後退してしまう人もいますが、私たちは前に進むことを選んで、バナーを作りました。ちょうどあるお祝いのために何かしたいと思っていた時でもあったので、それも兼ねて岡山に行って試合を観戦することにしました。ファジアーノ岡山対ベガルタ仙台戦。すぐに岡山のファンに知らせたら、熱狂的に歓迎してくれたんです。」
この未知で遠い現実との運命的な出会いの日は、2023年9月9日:「東京で数日過ごした後、まず京都へ行きました。そこでファジアーノのサポーターが私達の来日を待ってくれていたので。」
錦市場という大きな屋根付き市場の中で、CURVA(そう、日本にもあるのだ!)のリーダーと会う:「お礼にスカーフを何枚か彼に預けて、そして同じグループのメンバーあと二人とバーで落ち合いました。本当に楽しい夜で、言葉の壁も乗り越えましたね。我々も日本人サポーター達も文法規則に沿っていない英語を話してましたが、どうにか理解し合えましたし。食べて、飲んで、サッカーと応援について語り合って、最後の店に移動してビールを飲んで、岡山での試合での再会を約束して別れました。
ついにシティライトスタジアムでファジアーノ岡山を応援!
「京都から岡山へ新幹線で移動、到着予定時刻は正午前なので、烏城(うじょう)とも呼ばれる岡山城や、日本三大名園のひとつである美しい後楽園を見る時間がありました。」そしていよいよシティライトスタジアムへ向かう時間に:「我々のために前もってチケットを確保してくれていた学生さんと午後4時にスタンド裏で会うことになっていたんです。試合開始のまだ3時間前だというのに、屋台や売店に人が溢れている。学生さんを待っている間、人々の視線を感じていたんですけど、そうする内に学生さんとうまく出会えて、チケットを手渡してもらいました。私たちを興味深そうに見ていた人たちが近づいてきて、写真を撮ってもいいか、と。彼らは喜んでくれて、スカーフを交換しちゃいましたよ。」アウェーのイタリア人は注目の的になったわけですね。ファブリッツィオはこう続ける:「ある女性が私を呼び止め、彼女とその娘と一緒に写真を撮ってもいいかと尋ねられました...」。
スタジアムに入ると高い湿度との戦いだ:「約2万人収容の『桃太郎』スタジアム(=シティライトスタジアム)に入るための列はとても長かったけど、みんな秩序を守っていました。スタジアムの中に入ると、本当にたくさんの観客で、素晴らしい眺めでした。アウェーの仙台サポーターも遠いのにたくさん来ていて色鮮やかでした。そしてTwitterで見覚えのあるファジサポも結構いましたし。フラッグ、カーブカバー、ビニールの帯、そしてたくさんの旗でコレオグラフィーが作られていました。ピッチ上ではあまりアクションがなかったけれども、とにかく湿度の高さはすごかったです。この湿度なので、タオルに使われる素材で作られたチームスカーフを持っているファンが多いことにも納得!」
そして最後には、ピッチの上でもその熱意が報われる:「ファジアーノ岡山が最後に踏ん張り、アディショナルタイムにゴールを決めたんです!日本人によく見られる控えめさとは裏腹にスタジアムは歓喜に包まれて、気がつくとみんなで抱き合ったりしていました。私は熱狂に包まれてしまって、思わず隣の女の子にスカーフをあげちゃって。彼女は私たちがイタリア人で、ファジアーノ岡山を応援するためにはるばるスタジアムに来たことを知って驚いていました。たくさんのファジアーノファンが私たちに気づいて声をかけてくれて。これほど顔が知られるとは思いもしなかった!スタジアムからの帰りがけには、女性の方が例のタオルマフラーを下さいましたし。」
試合の後は 「サードハーフ 」の時間で、熱気は冷めない:「試合終了後、私たちはクラフトビールのバーで過ごしました。小さな店だけど、ファジアーノのシャツを着たファンでいっぱいでした。一緒に記念の写真を撮ったり、歌を歌ったり。食事をするのも忘れて!なので空腹は確実に襲ってきましたが、幸いなことにホテルの下には24時間営業のコンビニがありました。そして翌日、私たちが大阪に向けて出発しようとしていた時、ホテルのロビーで出会ったのは、なんと仙台からいらっしゃっていたファジアーノのユニホーム姿の年配のご夫婦でした。」
ノエルとファブリッツィオは、ファジアーノ岡山ホームゲーム観戦を終えてホテルに戻った段階でもうすでに岡山を再訪する明確なプランを持っており、それが待ちきれない様子だ: 「私たちは素晴らしい体験をしましたし、ファジアーノ岡山ファンの皆さんから受けた歓迎は本当に素晴らしいものでした。2025年に岡山を再訪したいと思っています。絶対にまた忘れられない日になるに違いありません!」
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翻訳:DeepL + Fabrizio + Junko S. (Let us know if any part of the translation could be improved!)