2024前半|亀のように堅く、ウサギのように躍動する|大分トリニータの解説
第6節 栃木 vs 大分 の試合から大分トリニータの特徴をまとめました。
大分トリニータの歴史と今年の状況
1994年に「大分フットボールクラブ(大分トリニティ)」として誕生したクラブチームは、1999年のJ2加盟時に現在の「大分トリニータ」となった。
クラブ名の「トリニータ」は、イタリア語の「Trinity(三位一体)」と「大分」を掛け合わせた造語だ。三位一体とは、「県民」「企業」「行政」のクラブ運営の3本柱を意味する。
マスコットは、カメをモチーフとした「ニータン」だ。自分で走ることができず、台車で運ばれる姿はJリーグでも人気が高く、2023年のマスコット総選挙でも7位になっている。また、ウサギをモチーフにした「リッジー」も。
1999年よりJ2リーグに参入すると、2003年よりJ1リーグに参入するほどの強豪チームへと成長した。2016年にはJ3リーグに降格するほど苦戦したものの、2019年には再びJ1リーグへ昇格を果たしたドラマチックなチームだ。
2022年より再びJ2リーグに舞台を移しており、2023年の成績はJ2で9位だった。2022年のクラブ人件費も10億7,000万円とJ2でも5位の経営規模を誇る。
監督とは複数年契約を結ぶことが多く、本年度から「片野坂知宏」が指揮をとっている。片野坂監督は2016年のJ3優勝からJ1昇格を含めた6年間も大分の指揮をとっていた馴染み深い監督だ。大分との相性はとてもいい。
2024年の成績は、2勝2敗2分とJ2の9位に位置している。冬の移籍期間で複数の主力選手がJ1チームに移籍しており、監督就任前に契約満了となった93長沢駿と再契約するほど、選手獲得が難しいシーズンになった印象だ。
主な退団選手(同カテゴリ以上)
DF 上夷 克典|J1 サガン鳥栖
DF 坂 圭祐|J1 ガンバ大阪
MF 高畑 奎汰|J1 ジュビロ磐田
FW 藤本 一輝|J1 町田ゼルビア
主力だった選手がJ1のチームへ複数移籍するシーズンとなった。
主な入団選手(ベンチ入りメンバーのみ)
GK 32 濵田 太郎|J3 AC長野パルセイロ(レンタル)
DF 4 薩川 淳貴|J2 鹿児島ユナイテッド
DF 34 藤原 優大(レンタル)|J1 浦和レッズ(J1 町田)
MF 19 小酒井 新大|中京大学
FW 39 有働 夢叶|中京大学
J3へ期限付き移籍に出していたGK32濵田が復帰して守護神の座についている。DF34藤原が開幕スタメンを勝ち取っており、DF4薩川やMF19小酒井もここ数試合でスタメン起用されている。
大分トリニータの特徴
オーソドックスな4-4-2(4-2-3-1)
試合中のポジション入れ替えや流動的な戦術はあまり用いていなかった。基本的なポジションのまま各選手が役割を果たすチームだ。選手のスキルが高いためチャンスも多く作るが、ビックリ感のある戦い方はしていなかった。
左SBの2香川が低めに構えて最終ラインが3枚になることもあるが、基本は4バックである印象だ。
セットプレーで決定的な仕事ができる
選手は身長の高い選手が多く、FW93長沢とDF25安藤は身長190cmを超える大柄な選手だ。また、セットプレーだけでなく両サイドのクロスを武器にしており、セットプレーとクロスの空中戦は重要な得点源だ。
サイド攻撃を主体とした攻撃
栃木戦を見るに中央から強引に突破する印象は少なかった。中央を経由してサイドに展開してからクロスでの攻撃が主体となっていた。敵陣での空中戦の勝率はとても高い印象がある。
また、ダイビングヘッドやトラップの技術も高いため、サイドからのクロスで一気に決定機を演出できるだろう。
ファジアーノ岡山戦での注目ポイント
岡山は大分の2CBのスペースをつけるか
今年の岡山はJ2屈指の攻撃力を誇るチームだ。今まで対戦したチームにも純粋な4バックのチームはいなかったように思う。大分が4バックで守るか分からない(左SB2香川はあまり上がらないし)が、岡山としては相手の守備のスペースをついて攻め込みたい。
大分の強力なサイド攻撃を岡山はどう封じるか
3-4-2-1で戦う岡山にとって、サイドにかける人数が少ない点はウィークポイントだ。そのため、ボランチやCBの選手のカバーが重要になる。カバーにまわる度に体力が削られるが、選手交代も含めて岡山がどう守るか注目だ。
どちらのセットプレーも試合を決める決定機となる
岡山も大分もセットプレーを得点源としており、守備の強さも誇っている。どちらのチームにとっても決定機となるセットプレーは、このゲームを動かす注目ポイントになるはずだ。
ファジアーノ岡山の注目選手
岡山の選手全員
もう全員が注目選手である。誰がスタメンかも僕程度では予想できない。ベンチ入りした選手も含めて「全岡山の選手に、注目せよ」。(手抜きではないぞ、本当だぞ、本当に手抜きじゃないんだぞ)
CF 9 グレイソン
今まであえて注目選手にあげなかったが、そろそろJ2全体にそのすごさがバレはじめてきた。GX8とのコンビネーション、空中戦に強い大分とのロングボール争いに勝てるかも注目だ。
大分トリニータの注目選手
CF 11 渡辺 新太
長身の93長沢と2トップを組む、抜け出しのうまいCFだ。スペースを狙われないように気を付けるとともに、体幹の強いキープ力にも注意が必要だ。
MF 4 薩川 淳貴・DF 2 香川 勇気
J3時代の鹿児島ではSBを担っていた4薩川だが、大分ではSHを務めている。サイドを駆ける走力とともに気をつけたいのが、アイデア性の高いクロスだ。大分の左サイドからニアにもファーにも決定的なクロスをあげてくる。
(4薩川のクロスと書いたがもしかしたら2香川と見間違えている可能性あり。あいまいな情報で申し訳ないがどちらの選手でも左サイドからのクロスには注意)
MF 19 保田 堅心
U-19日本代表に招集された栃木SCは出場しなかったが、岡山戦では登場する可能性がある。わずか19歳ながらボランチの位置から中央の攻撃力を高める活躍をするはずだ。
強豪チームに勝つことで岡山の力を示したい
岡山にとっては今年はじめてとなる経営規模の大きなチームとの対戦だ。正直にいうと、大分が相手であろうとも今年の岡山が負けるイメージはない。
しかし、これまで2ゴールに抑えてきた守備陣でも大分のクロスやセットプレーから受ける衝撃は大きいはずだ。この強敵を相手に今年の岡山の力強さを証明する試合にして欲しい。
また、クラブ初となる5連勝がかかった試合ではあるが、今年の岡山に記録は必要なく、J1昇格がたった一つの目標だ。連勝はあくまでもおまけと考えて、強敵大分を相手にしても、ただこの1戦を勝つために戦って欲しい。
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