天才に惹かれて
プラネットプラスワン、中崎町にあるミニシアター。
扉を引くと壁一面フライヤーがびっしり飾られた細い階段。上映する映画と初めて訪れる空間にドキドキしながら駆け上る。
15時少し前。小さなカウンターとジャケットを羽織り、眼鏡をかけた少し歳上の雰囲気のある男性、「すみません、黒い罠を見たいのですが。」「1300円になります。」小さい財布、お札は4つ折りじゃないと入らない。
「こちらになります。」20脚ほど置かれた椅子。4台の大きなスピーカーがスクリーンの下に設置されていて、さながらライブハウス。
既に席についている6〜7人、大半は小説を読みながら上映を待っている。体験したことない空間に少し戸惑いながら空いている席に着く。とすぐに「大変お待たせいたしました。黒い罠、上映致します。」全然待ってない。
男性の声と共に照明が徐々に落とされ最後に入り口扉のカーテンが閉められる。暗闇。まっくら。10秒程の暗闇の後始まる有名な長回し。この3分間を楽しみにしていた。外に出るともう日は落ちている。皆足早に帰路に着く。
オーソン•ウェルズ、呪われた天才。
オーソンが完成させられずにいた「風の向こうへ」とその制作背景を追った「オーソン•ウェルズの遺した物」がnetflixで見ることができる。是非まだ見ていなければ2本セットで見るとより楽しめると思います。オーソンが好きになるはず、僕は好きになりました。
また12/4に「mank」が公開される。これはオーソンが監督した大名作「市民ケーン」の脚本家、マンクを追った作品。監督は「セブン」や「ファイトクラブ」のデビット•フィンチャー。めちゃくちゃ楽しみ。
(追記、記事が完成した時はまだ公開されていなかったですが記事が公開された現時点で恐らく公開されているはずです…!早く帰宅して熱いコーヒーでも飲みながら見たい〜!!!)
12月の楽しみでいえば、もうひとつめちゃ楽しみにしているのが名古屋のDear Jozeで開催されるteasiのポップアップ。情報公開され、たまたま名古屋へ行けるタイミングだったので名古屋へ行くことを決める。
teasiを知ったのは本当に最近、瀬戸かほ様が着ているのを見て、なんだこの服は…こんな天才的な服が存在していたのか…何故もっと早く知れなかったのだと後悔する。
めちゃ欲しい、どこで買えるんだ。と探しても全然出てこない。悔しい…絶対ワードローブに加えたい、でも手に入れ方が分からない、どうすれば…。
と思っていた頃teasiのインスタにて名古屋でイベント開催します、という旨の投稿。ここまで購入したい物は久々な気がする、少年時代の誕生日とかクリスマスの時の楽しみでワクワクして眠れない感覚に似てる。
なぜteasiにビビッときたのか、teasiことタケナカタケヒロさんのブログを見ていてフト武田鉄平さんを思い出した。
あまり芸術に疎く詳しくない僕が追っている武田鉄平さんという画家。山形県で仕事をしながら、仕事以外の時間を1人描くことに没頭するために絵を描き続けたという。
本当に描くことが好きでそれが当たり前に在る。まるで自己治療をする感覚で作品を作り出す。その作品を一目見ただけで僕に刺さった。タケナカさんにも同じような天才性を感じてしまう。「要は作りたいだけで、そういう病気である。」この文章はタケナカさんのブログからの引用。天才がかかる病気はきっとある。自己治療の制作。これに僕は惹かれているのかもしれない。
オーソン•ウェルズが遺した物のセリフで1番好きなセリフ。
「私達は彼の光の中で少し光るんだ」「蛍」「彼はよく丸呑みにする」彼はオーソンでオーソンの天才性を表したセリフなんだけれどこのセリフに痺れて。そうそう、これは本当だなと思います。武田鉄平さんの作品を見ている時、teasiの服を見ている時、オーソンの映画を見ている時。僕も少し光れる気がします。いつかは大きな光に。
さて、12月目前で一気に冷えてきました。みなさんどうぞお体には気を付けて。
12月は誕生月というのもあって毎年ワクワクします。イベント盛りだくさんな12月。
元気で1ヶ月駆け抜けましょう。それではまた。