高級バッグよりもガチャポンのぬいぐるみが欲しい話
祖母が生前贈与(?)に躍起になっている。生きている間に孫たちに財産を現物支給しようと、ヒアリングに余念がない。
顔を合わせるたびに「何か欲しい物ない?」と訊かれ、私の服装や持ち物を見ては「もういい歳なんだからもっと良い物持たなきゃ!」と言われる。
挙句の果てに誕生日でもクリスマスでもないのに「今度高島屋に連れてったげるわ。服でもバッグでも好きな物買いなさい!」とものすごく太っ腹な約束を取りつけられた。
高島屋……高島屋かあ……百貨店の服とかバッグは、当然高いよね……。
「もっと良いバッグ持ちなさい!」と言う祖母が想定しているバッグとは、おそらく高島屋の1階や2階に入っているインターナショナルブティックの高級品のことだろう。グッチとかサンローランとかドルガバとかバーバリーとかルイヴィトンとか。
ハイブランドのバッグや靴が欲しいのか?と訊かれたら、正直な気持ちとしては「今は別に……いいかな……」である。
身の丈にあったお気に入りの物たち
ほとんどの女性と同じく、私も服やバッグや化粧品が好きだ。ファッション雑誌もよく読むし、平日の高島屋をぶらぶら散策するのも楽しい。
ただし予算と好みを慎重に見きわめ、この値段なら買える&これを今すぐにでも身に着けたい!と思った物だけ購入している。
もちろんその域に達するまでに途方もない失敗を重ねたけれど、20代から30代に突入した今日、身の丈に合ったお気に入りの物たちに囲まれた暮らしに、充分満足しているのだ。
ちなみに地方に住む30歳のリアルクローズはこれだ!
・服:ユニクロ、niko and…、COENで調達。大人カジュアルが好き。
・バッグ:メルカリで買ったSTRAND BOOKS(NYの有名本屋さん)のトートバッグ。全体に「本」の字が模様のように入っており、大変お気に入り。荷物が多い日はアークテリクスのリュック。
・サブバッグ:萩尾望都展で買った「トーマの心臓」トートバッグ。
・靴:アディダスのスタンスミスとVANSのオールドスクールがメイン。
・ポーチ:無印良品。木製のくし、目薬、ミンネで買った手鏡、リップクリーム、リップ、頭痛に効くオイル、車折神社のお守り等が入っている。
・手帳:モレスキンの無地手帳とほぼ日weeksの両刀使い。
・スマホ:iPhone7をマステでデコって透明カバーの中にテプラで作った推しバンド名シールを入れている(もうめちゃくちゃ)。
サブカルとオタクをこじらせた大学生がそのまま大人になったんか?という印象。確かに祖母世代から見たら幼稚に映るだろうし何も言えない……。
「ご褒美バッグ」よりも本棚を買う人生
ハイブランドのバッグや靴なんて、マッチ売りの身分には夢のまた夢……というわけではない。ありがたいことに夏冬ボーナスがあるので、奮発すればグッチのバッグも買えないわけではないのだ。
職場の同僚には「自分へのご褒美に」若い頃買った通勤バッグを、今も大切に使っている人もいる。きっと買うまでの緊張感や買った瞬間の高揚感が詰まっていて、かけがいのない品なんだろうなと思う。
ハイブランド品というのは、私にとってそういう存在なのだった。いつも仕事や家事を頑張っている自分を労うために、自分からプレゼントする素敵なご褒美品。
つい先日も戦慄かなのちゃんがYouTubeチャンネルで自分への誕生日プレゼントを爆買いしており、総額数百万円使ったらしいけど、多忙な彼女を見守るファンとしては「もっと好きな物どんどん買っていいよ!」とエールを送りたくなる動画だった。
もちろん社会人の私も、自分にご褒美を買ってあげたくなる。ただし根っこが小心者なのかウン十万円の買い物はしたことがなく、しかも服やバッグに奮発するよりも身近な実用品を選んでしまう。
先日夏ボーナスが支給された時はIKEAで2万円以上の買い物をし、念願の本棚(6,999円)を購入した。
かなのちゃんの動画の後だとめちゃくちゃちっこい。ちっこいけれど値段を見ずにカートに雑貨を放りこんでいくのは快感だったし、実家にUターンしてから初めての部屋替えも敢行できた。満足のいくボーナスの使い方だったと思う。
ちなみに冬ボーナスでは、自転車を買いたいと思っている。
高級バッグよりもガチャポンのぬいぐるみが欲しい
このように放っておくと推し活以外にほとんどお金を使わず、ユニクロとスタンスミスでどこにでも出かけていき、ご褒美バッグとは縁遠い人生を送りそうだ。
祖母にはとっくにその未来が見えているのだろう。だから「良い物を持て」「年相応の恰好をしろ」と口すっぱく言うのだ。
私もそこまで言われるなら、フェンディの持ち手がFになったバッグとか1個くらい持っててもいいかな……と心が揺らいでいる。でも祖母には内緒だが、私がいま一番欲しいのはガチャポンのぬいぐるみなのである。
この「お弁当のぬいぐるみ」シリーズ、人気すぎて品薄なのかどこにもガチャポンが見つからない……ガチャポンは入れ替わりが早いので、この機を逃すともう二度とゲットできない……。
というわけで祖母の心配をよそに、今日もガチャポンに心を砕く孫なのだった。みんな自分が本当に欲しい物を潔く買えばいいと思います!
おしまい。
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