現代の日本の「右翼」と「左翼」の考え方の違い
「右翼」「左翼」という言葉が何を意味しているのか、本質的な部分を勘違いしている人も多いので、この記事にて改めてご紹介します。
左翼・右翼(さよく・うよく)とは、政治的スペクトルの一つで、政治的な立場を位置づける一般的な方法である。
伝統的な意味では進歩派(革新、革命)勢力を左翼(左派)、保守勢力を右翼(右派)と呼ぶが、
具体的な思想や範囲は時代や立場や視点により変化する。
右翼と左翼の考え方の違い
そもそも右翼と左翼は、人々への捉え方、定義が全く違います。
よく「愛国者・保守派」を自称する右翼がいますが、たいていの右翼的な人は、保守派として自国を大事に思う自分と同じ考えかどうかで、人々を味方と敵に分けて対抗していると考えています。
一方、人々を「金持ち、資本家、権力者、上流階級」と「中流以下」に分けて対抗していると考え、「中流以下」に味方するのがたいていの左翼の人の考え方です。
右翼と左翼は本当に敵同士なのか?
保守派の愛国者を自称し、共感できる相手であれば、上流か中流以下かは問わず仲間であり味方という意識を持つのが右翼です。
思想が保守かリベラルかを問わず、全ての中流以下の人々を第一に尊重すべきと考えて味方するのが左翼です。
つまり、右翼の思うように左翼は反日ではなく、 また、左翼の思うように右翼は上流階級ばかりではありません。
ところが、お互いが相手のことを「左翼は保守思想でなく愛国者ではないから反日だ」「右翼は権力者の仲間の金持ちだ」と考えています。
本当は左右どちらも愛国者ですが、このように捉え方が違い、自国を良くするための方法論も違います。
保守右派は今の体制を大きく変えないままで国の発展を望みますが、リベラル左派は、中流以下を尊重する方向に転換することで国の発展を望みます。
右翼は国を守ることを第一に考えている私達を大事にしようとしない左翼の考え方は反日的だと保守派全体に呼びかけます。対して左翼は、一般庶民を顧みない右翼の権力者達は格差を広げてばかりで国のことを本当に考えてはいないとリベラル派に呼びかけます。
これがお互い本当は愛国者同士なのに、必要以上に対立させられているカラクリと分析します。
本当の反日とは?
上記の通り、国を良くするための方法論が違い、また、最近では在日外国人や韓国との問題など、国民や人種に対する考え方も違う右翼と左翼ですが、基本的に大多数は愛国者です。
しかし、中には本当に反日目的の人も実際に存在します。そしてそれは、左右どちらにもいます。 これを「右翼」「左翼」ではなく「逆右翼」「逆左翼」 と分類します。
一見、左翼と思われる 「逆右翼」 は、分かりやすく国自体が嫌いな人だと言えるでしょう。 平壌政権擁護派をイメージします。
一方、右翼に見える 「逆左翼」 は、中流以下に味方しない、金持ちを優遇する人のことです。愛国者を名乗ることで保守派から支持を集め、権力者になって自分の利益に利用する目的があります。支持を集めてその地位に登り詰めたとしても、自分たち権力者や金持ちが幸せでさえあれば、 本心では国自体はどうなっていてもいいと思っているので、結局国を悪い方向にしてしまうのであれば、それは反日となります。
自分のその考え方が反日だと自覚のない逆右翼、逆左翼もいます。
戦前・戦後の歴史の中で…
右翼や左翼の呼び方は、古くから日本にあったのではなく、フランス革命期の「(憲法制定)国民議会」において、右側に立憲君主派であるフイヤン派が陣取ったのに対して、左側に共和派や世俗主義などの急進派(ジャコバン派)が陣取ったことに由来します。
日本の右翼思想が確立するのは明治時代で 、江戸時代後期の国学者の国粋主義や皇国史観などから来ています。
多くの右翼と左翼が相手のことを誤解している中で、「本当の愛国者」と「本当の反日」を見分けるのは、難しいことなのかもしれません。