日本共産党の「自己矛盾」について、元党員が解説します
じこ-むじゅん【自己矛盾】
自分自身の中で、論理や行動が食い違い、つじつまが合わなくなること。「矛盾」はつじつまの合わないこと。
こんにちは。今回は、筆者が日本共産党員だった頃に抱いた疑問、特に党や党の中の人たちが「自己矛盾している」と思った点についてお話します。
①党勢拡大したくてもできない理由
②敵は誰?
③中国共産党の影響は?
・党員拡大を!と言いつつ、扉は閉じている
現在は支持拡大の為に新規入党を呼び掛けていますが、本記事の画像にもある通り、①理念や方針を理解していないと入党できない ②党員二人以上の推薦がないと入党できない ③地域の事務所に何度も行かないと入党できない 等、入党の扉を自ら閉じています。
まず①ですが、理念や方針を多くの人に理解してほしければ、人々がわかりやすいような説明や文書が必要です。しかし彼らの用意している文書やプレゼンを聞いていると、専門用語ばかりで、一般の人にすぐになじめる話し方ではないように思います。一般国民の為に頑張っている政党なのに、何故一般国民に分かるように説明出来ないのでしょうか?そこが、ここ数年で政党を作って支持を広げているれいわ新撰組との違いだと思います。これも党員の誰もが分かっている事ですが、党の公式な文章は、いつも頭の固いご高齢の人が作ったような物ばかりのように見えます。若い人にも支持拡大をしたいと言いつつ、若い一般国民に対してマーケティングができていない。このままいくらやっても、矛盾は続くと思います。
②ですが、これも党内に元々友人との繋がりがないと、拡大出来ないことになります。加えて③にある通り、どこかのメディアや、ネットの評判を見て気になったとしても、実際の地域の事務所に足を運ばないといけない。しかも、コンビニや神社のように、どこにでも事務所があるわけではないですよね。知り合いもいないのに突然、見ず知らずの若者が、自分から思い立って、生活圏とは外れた場所にある日本共産党の門をたたくでしょうか?このシチュエーションには、かなり無理があると思います。つまり、新しい党員というのは、今いる党員が頑張って隣近所の知り合い、友人に声をかけて増やす、しか受け入れる体制も出来ていないのです。
特に筆者は、ネットメディアの登場により、オンライン上をうまく利用して人々の繋がりを作っている人たちをよく知っています。政治の分野であれば、れいわ新撰組を見ればわかりやすく、YouTubeやSNSの活用で支持者が団結しています。
・大企業を批判しつつ、大企業を愛用もしている
これは少しハイレベルな話ですが、社会の構造を知っている人であれば、大企業の提供する商品の、人間や環境への悪影響の知識があり、体に悪い物や、社会に悪いことをしている企業の商品は避けます。しかし共産党の人達を見ていると、会議で資本主義の問題を指摘しつつ、マクドナルドやコンビニの物を買って食べている、など、いかにも大企業の悪質で安価な商品や便利さありきで生活してしまっているのが伺えます。
彼らは資本家だけを問題視していて、商品やサービスや従業員のことは責めていませんが、消費者がいるから大企業が儲けられるのです。この本質にも、多くの党員は気づいていなさそうです。
・いつまで中国共産党とマスコミのせいにするの?
日本共産党の支持率が上がらないことについて「TVや新聞でマスコミがちゃんと報道してくれない」「中共やソ連のせいで共産主義に対するイメージが悪い」とよく言っているのを見かけますが、果たして本当にそうでしょうか?
まずTVや新聞などの従来のメディアの影響は、今の日本ではまだ強いと思います。いくらネットで政権批判的な内容が、トレンド入りしてブームを巻き起こしても、それは所詮「同じSNSをやっている人の中でも一部の人達の内輪ネタ」にすぎません。小さな子供やお年寄りはネットの使い方を知りませんし、若者でもTwitterやFacebookをやっていない人は沢山います。YouTubeも見ない人はいます。そういう人達は、何気なくTVをつけて見ています。
しかし、新聞はどの企業も徐々に部数が減っており、TV広告からも徐々に企業が撤退しています。また、ここ何年かは、TVでの活躍が難しいと感じる個人個人が、ネットを使って成功しているケースもあり、ネットで人気のユーチューバーやアニメ系のコンテンツ等を、TV番組側が取り上げ、ネットユーザーをTVに呼び込んで視聴率を上げようとするのも見受けられます。
最先端を行く人達は皆、とっくに新聞・TV業界から、ネットメディアに移行しています。従来のコンテンツで迫害されてきたからこそ、新しいメディアでの展開を積極的に広げないといけないのではないでしょうか?従来のメディアに今のような影響力が衰退していく中で、日本共産党はいつまでTV、新聞のせいにする(出来る)のでしょう?
そして、中共やソ連のせいというのは「迷惑系ユーチューバーのせいで、ユーチューバー全員が悪人に見える」と言っているのと似た印象を受けます。どの業界にも、問題を起こす人はいますよね。その人のせいで自分が悪い人に見えるというのは、自分の正当性をきちんと多くの人にわかってもらえていない、伝え方が下手な証拠でもあると思います。
日本共産党の人々は、党の正当性にはかなり自信を持っており、党の綱領や、党が発行しているしんぶん赤旗の内容を、もっと世間に広めたいという願いを持っています。それなら、その赤旗を事務所に散乱させるのではなく、余った部数は、刷りすぎているチラシと共に、まだ赤旗を読んだことがないご家庭へポスティング、無料配布でもした方がいいのではないでしょうか。外に広めたいと言いつつ内輪だけで満足しているような体質に、矛盾を強く感じている党員は、実は結構いるみたいですが、政治的な考え方が正しいかどうかより、目的に対してアプローチが正しいかどうかを考える力が必要だと思います。