ダンゲロスGK指南
はじめに
GKの業務とは
心構え的なことはとりあえず抜きにして、GKの業務についておさらいしましょう。キャンペーン開始から終了までの間にやらなければならない業務を大別すると以下のようになります。
めちゃくちゃ大変そうですね! ……ですがご安心ください。一つひとつ着実にこなしていけばそこまで難しいものは何もありません。筆者もGKはメイン、サブ併せると20回くらいこなしていますが、他のGKの助けもあってなんとかやっていけています。
それでは、実際の業務内容、留意点を詳しく見ていきましょう。
0:サブGK募集
開催するキャンペーンの規模やメインGKの経験にもよりますが、完全に新規でGKを始める場合はできるだけサブGKを雇ったほうがいいでしょう。発動率計算に精通しているプレイヤーがGKに一人いるだけでも心強さが段違いです。
……さて、ここで考えの甘いみなさんはこう考えるでしょう。
「キャンペーンスレで募集したりツイッターで呼びかければ数人くらいなんとかなるやろw」
なりません。
GKを募集する時は絶対に、絶対に不特定多数への募集だけに頼り切ってはいけません。一緒にGKをしてほしい人にツイッターのDMやリプライを駆使して直接呼びかけましょう。そうでなくてもダンゲロスプレイヤーは他力本願でずる賢いところがあります。エアリプなどを使って呼びかけたところでサブGKが集まるのは望み薄です。「あ、サブGK募集してたのか。声かけてくれたらやったのにw」などとキャンペーン終了後にツイッターでつぶやかれるのがオチです。
なお、不特定多数の募集は全くしなくていいのかというとそんなことはありません。はぐれメタル並みの出現率でサブGK志望のプレイヤーが潜んでいる可能性もあり、そのはぐれメタルさんが反応しやすいようにキャンペーンスレなどには募集人数と業務内容を書いておきましょう。
また、業務内容についてですが「GK経験の少ない人は業務を減らします!」などと記載しておけばさらに名乗り出やすくていいですね。
1:レギュレーションの決定
サブGKが集まる、または一人でやっていく覚悟が決まったら、wikiを作る前にキャンペーンの花形であるレギュレーションを決めましょう。
レギュレーションというのは、スタメン人数や総ターン数が表形式で記載されたアレですね。なお、ここで言うレギュレーションとは、「コスト制」や「パッシブ能力アリ」などのいわゆる「特殊ルール」も含みます。
特殊ルールについては初めてGKをやる人にありがちなのは、「あれもこれも盛り込みたくなる症候群」です。その場合は、サブGKに相談して余分な部分を削ぎ落としてもらいましょう。その際には、何を第一コンセプトとして定めるかを決めておくと会議がスムーズに進むと思われます。
また、スタメン人数や総ターン数などの基本情報ですが、昨今のキャラ投稿状況などを鑑みると、下記の仕様がおすすめです。
【基本情報】
人数:8名+増援2名
最大ターン数:8ターン
MAP:5×7
先攻後攻:スタメン発表後にGKがダイスで決定
勝利条件:基本ルールガイドライン2.1準拠
変更する条件:相手陣営の全滅→相手陣営のスタメンの全滅
思考時間:1ターン目 先手は開幕と同時に公開。後手は30分間
2ターン目 先手後手ともに30分間
4ターン目後手 封じ手。思考時間30分間
5ターン目先手 30分間
それ以外 先手後手ともに1ターン20分
※時間超過1秒で行動1名キャンセル。以降1分毎に1名
先手ペナルティ:1ターン目先手フェイズ中は以下のルールが適用される
1.敵キャラクターに通常攻撃できない
2.敵キャラクターを精神攻撃以外の特殊能力の対象にできない
3.敵キャラクターのいるマスを含めてフィールドを設置できない
命中判定:あり
瀕死:体力1では瀕死状態となり移動不可
制約数:制限なし
陣営分け:GKが両陣営のバランスを考えながら分ける
精神攻撃成功率:精神力2:50% 精神力1:75% 精神力0:100%
応援:事前提出方式
進行形態:ネットラジオ
処理スタンス:ルール重視。フィーリング処理はおこなわない
上記の基本情報に関しては下手に弄るよりもあえて遵守し、特殊ルールで特色を出したほうがキャンペーンが壊れにくい……と思います。
もちろん基本情報の全てを破壊した己のキャンペーンを開催してもモーマンタイです。全てに優先するのはプレイヤーの満足であり、あまねくプレイヤーが公平に面白さを感じることができるのであれば上に書いたことを守る必要は全くありません(というか筆者としては、ダンゲロスのダの字も知らない人が既存のルールを全く無視した新しいダンゲロスを作るのが見たいという思いがかなりあります)。
なお、レギュレーションの決定後にサブGKを募集しても何ら構いません。そちらの方が一人で全て決めないといけなくなる代わりにメインGKへの信頼度は増すと思います。そういう意味でこのnoteでのサブGK募集の項目は0番に設定してあります。
2:メールアドレスや掲示板の取得、wiki作成
レギュレーションが決まったら特設wikiを作成したり、メアドを取得したりしていきます。
メールアドレスは「Gmail」が、特設wikiは「アットウィキ」が、掲示板は「したらば掲示板」が、フォームは「フォームズ」がおすすめです。筆者も色々なツールを試してきましたが、これらが利便性、安全性の点で一番です。
まず、メールアドレスを取得しましょう。Gmailのアドレスを取得する方法は既存のサイトに多々記載がありますのでそちらを参考にしていただければ幸いです。
次に特設wikiを作成しましょう。ウィキのURLを決める際は、なるべく「dangerous」または「dng」が入ってるものにすると検索しやすくていいかと思われます。また、ウィキの内容ですが、「特殊ルール」や「GKスタンス」以外の「マップ」や「総合名簿」など特に追記する必要のないページは全て過去のウィキからのコピペで大丈夫です。コピペをする場合は、上のツールバーの「編集>ページ編集」から編集ページに入るか、権限がロックされている場合は「バージョン管理>最新版変更点(差分)」から行きましょう。
続いて、したらば掲示板で掲示板を3つ借りましょう。番長G、生徒会、GKの3つです。必要に応じてもっと借りてもいいでしょう。掲示板を1つ設置するためにメールアドレスが1ついる……というのは実は嘘で、Gmailである裏技を使えば1つのアドレスで複数の掲示板を立てることができます。
その裏技とは……「メールアドレスにピリオドを挟む」だけなのです!具体的に言うと、以下のメールアドレスは全てGmailでは同じものとして扱われますが、したらば掲示板では違うものとして判別されます。これを利用してツイッターで複数アカウントを取得したりなんてこともできるそうです。
なお、借りる際は掲示板をプレイヤーに特定されないようにカテゴリーと名前を適当なものにしておきましょう。
また、「設定>詳細設定>カテゴリ一覧に表示」を「表示しない」に、「検索サイト(google等)に公開」を「公開しない」にするのを忘れないようにしましょう。この設定を忘れていると、悪意のあるプレイヤーが掲示板を発見できるため、シークレットキャラや作戦などが丸裸になってしまいます。
最後にフォームを借ります。フォームズの無料版ですと設置できる項目数がたった12項目しかないためキャラ情報が全て入力できませんが、1ヶ月限定の有料版を借りれば100項目まで設置可能です。有料版も、「1ヶ月試してみてこれ以上続けるんだったらお金払ってね!」というタイプですので、1週間程度しかキャラ投稿期間がないダンゲロスですと完全無料で使えますね……!(良い子はマネしちゃ駄目だよ)
3:GK会議(発動率計算)
それでは、GK作業で一番大変かつ面白い発動率計算の考え方について見ていきましょう。以下にダンゲロスの発動率計算(+能力交渉)業務について、筆者が特に大切だと思うことを7ヶ条でまとめました。
1.マンチキンには毅然とした対応を
当たり前だよなぁ!?
マンチの民にスキを見せたら一巻の終わりです。ピラニアのように食い尽くされて後には骨も残りません。あまり目の敵にしすぎるのも考えものですが、ひどい場合は計算打ち切りも視野に入れましょう。
2.ガイドラインは参考程度に留める
特殊能力ガイドラインwikiにも記載がありますが、ガイドラインの数値を何が何でも遵守しなければならない、というわけではありません。
特殊ルールが絡むキャンペーンにおいて、事前に告知をした上で数値を変更することは何ら問題ないのです。しかし! いくらGKとはいえ、全てのガイドライン能力を洗っていくのは膨大な時間がかかります。ですので、明らかに強すぎるor弱すぎる能力が来た場合のみその場で「ごめんちゃい」して査定しましょう。キャラ募集前に独自ガイドラインを公開できればベストですが、そこまで無理はしなくてもいいです。
3.リソースの割き方を考えよう
既存プレイヤーにばかり会議時間を割いて、新規プレイヤーへの返信がおざなりになってしまうことがあります。既存プレイヤーは一度ダンゲロスに参加したことがあるので、大体のルールも把握しています。ですが新規プレイヤーはどうでしょうか? 全くの初めてでとても心細いに違いありません。新規プレイヤーの会議やメール返信には意識的に時間を取るようにしましょう。
4.ステータスはFSのみを加味する
査定をしていると「あ、このキャラ、ブロッカーステで精神即死持ってるやん! 強いから発動率下げよ!」や「このキャラ、アタッカーステで回避能力持ってるやん! 強いから発動率下げよ!」などという流れになることもあるかと思います。ダメです。
あくまで発動率に関わるステータスはFSのみです。余ったステータスをどこに振ろうとプレイヤーの自由なのです。逆にFS振った後に残ったステータスを全部精神にブッこんだキャラがいたとして、そのキャラが貧弱だからという理由で「発動率を上げよう!」となりますか?
以上の理由から筆者はステ振りの巧い・巧くないに関わらず査定時はFSのみを加味するべきであると考えます。もちろん例外は山のようにありますが……!
5.調整案は出しすぎない
返信メールの内容を考えていると、ついつい筆が乗って調整案をたくさん出したくなってしまうときがあります。そのようなメールは、一見プレイヤーに親切なものに思われますが、実は双方にとってあまり良くない結果を残します。
まず、GKとプレイヤー両方のリソースが割かれます。書くほうはもちろん大変ですが、読むほうもかなり大変です。次にプレイヤーがGKに頼りっきりになることがあります。ダンゲロスの面白さはプレイヤーが自由に能力を考えることができる点にあるのに、GKが(望む望まないに関わらず)能力の方向性を誘導してどうするよ……! になっちゃいます。
よって、調整案は通常2つ、多くても3つくらいに絞るようにし、また返信はなるべく簡潔に書きましょう。
6.対象制約は厳しめに
ダンゲロスは自由にキャラを作れる点が魅力です。触手からアキカンまでダンゲロスは大概のものを受け入れます。中には愛着を持ったキャラを一族化しているプレイヤーもいますね。ですが、そのキャラをピンポイントで狙い撃ちされたらどうでしょう? お辛いですよね……。
また、「スタメン常連のこのプレイヤーが作るキャラはこういう属性のものが多いから狙い撃ちして倒したろw」と対象制約にされると、次回以降に他のプレイヤーのキャラメイクの自由度が狭まるかもしれません。
筆者としてはそういう事態はなるべく避けたいので、ガイドライン外の対象制約は厳しめに査定するといいかな~と思っています。
7.シークレットは強いとは限らない
ステ合計を25にすると能力効果や制約を隠した状態にできます。これをシクレと呼びますね。能力を隠してイザというときに無双……となるとなんだかハンターハンターを思い出します。ですがそんなシークレットも強い場合とそこまで強くない場合があるのです。
まず、シクレの能力がMAP全体ダメージなどの「どちらにしろ敵陣営に対処できないもの」だったらどうでしょうか? ステ合計を5も削った能力が隠そうが隠すまいがどちらでも関係ない場合、それは本当にシクレにする価値があったと言えるのでしょうか。
また、妨害フィールドなどの「敵に対して圧になる能力」をシクレにしてしまった場合もちょっと悲しい気がします。フィールドなんかはどちらにしろ敵はよっぽどじゃないと踏み込んでこないので、それなら効果も見せ札にして圧をかけたほうがいいかもしれないですね。
長々と書きましたが、シクレにしたからといって一概に強くなるとは限らないということを伝えたかったのです。「見せたほうが強い場合もある」……なんだかハンターハンターを思い出しますね!!
4:質問対応
いよいよ陣営分けが終わり、一息つきたいのは山々ですが、そうは問屋がおろしません。嵐のごとく質問が押し寄せてきます。
質問の中には「明らかに見たらわかるやろ~!」なんてものもありますが、そういう質問にも作戦に関わりそうなものであればできるかぎり丁寧に回答することが求められます。
シークレットに関わるものや、極度に作戦に深く関わるものは陣営掲示板の方で質問される場合がありますので1日1度のチェックは怠らないようにしましょう。
また、どうしても答えが出ない質問や揚げ足取りに近い質問への対応も慎重に行いましょう。困ったらいっそダイスロールで決めたり、素直に謝ることも大切ですが、揚げ足取り等に対しては毅然として対応しましょう。
5:当日の運営
当日はネットラジオを使って進行を行うことが多いです。使うツールはシャオ志向さんの「ねとらじスケープ」がド安定。これならSkypeだろうとDiscordだろうとボイスチャットの音声を放送することが可能です。ボイスチャット相手の音声をラジオに乗せるのはとても簡単で、「インターナル>バーチャルミックス」をONにするだけです。いやー、簡単ですね!
なるべく事前にテストを行って、無理な場合はサブGKなどに頼むのも手ですが、どうしてもうまく行かない場合は、ツイキャスなんかを使ってみるのもアリかもしれません。
ステータス管理についてはアットウィキが現在更新中のページのプレビューをリアルタイムで表示してくれるようになったため、そこまで心配することはないでしょう。メインGKが進行で忙しくてできないのであれば、サブGKやラジオに出演している賑やかしの人などにやってもらってもいいでしょう。その際は感謝の気持ちを忘れずに!
ただし、シークレットの能力公開については注意しましょう。能力をバラしてしまうとゲーム性が下がってしまうため、できるだけ公開タイミングを表にまとめるなどしてポロリがないよう心がけましょう。
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