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ファブラボ神田錦町は12周年を迎えました!

2012年11月にスタートした私たちファブラボ神田錦町(元・ファブラボ渋谷)は、この11月に12周年を迎えました。干支ひとまわりのような意味のありそうな13年目。私たちのファブラボ活動を、ひきつづき、気にしていただけましたら幸いです。

私たちファブラボ神田錦町は、2012年11月に日本で3番目のファブラボ「ファブラボ渋谷」としてスタートしました。日本では、2011年4月に鎌倉とつくばにファブラボが誕生し、それに続くファブラボです。同時期に発刊されたベストセラー「MAKERS」(クリス・アンダーソン著 )の中にもファブラボが登場し、オープンと同時に多くの方に来ラボしていただいたのは今でも印象に残ります。2017年に活動場所を神田錦町に移転したのにあわせて、「ファブラボ神田錦町」と名称変更しました。

ファブラボは24年11月現在、世界130カ国に2,700箇所(参照 http://fablabs.io)を超えるファブラボが存在するまでに発展しており、それぞれの土地土地で、地域色の豊かな活動が展開されています。多くのファブラボが、2つの顔を持ちます。「地域の人たちが集うものづくり工房」と「ファブマスター達の研究室」です。ファブマスター(グローバルではグルと呼ばれる)とはファブラボの運営者兼クリエイターの事を差します。彼らはファブラボ利用者の技術サポートするだけでなく、利用者がアイデアを具体化するためのプロセス全体をサポートする、ものづくりスペシャリストです。

◉ラボの役割(1)ファブマスター達によるFABリサーチ

ファブラボ神田錦町のマスター達がそれぞれの得意領域から、デジタルファブリケーションと社会を繋ぐ技術リサーチをしています。また世界のファブラボとの協働プロジェクトや、世界的な技術トレンドの中でのファブラボの役割を探究しています。現在ファブラボ神田錦町は、「サスティナブル3Dプリンティング」「次世代設計手法の構築」「STEAM教育コンテンツ」に注力しています。
私たちはファブラボでの成果を既存の仕組みに組込む事を意識しながら、リサーチに取り組んでいます。(自称プラグイン型ファブラボ)
ファブマスターによるリサーチの成果を事業化し収益をつくることで、ファブラボ神田錦町の持続的な運営にフィードバックしています。

◉ラボの役割(2) 地域の人たちに向けた地域開放「オープンラボ」

ファブマスター達が日々リサーチをしているこのラボは、地域に解放しています。世界中のファブラボと繋がるためのハブとして、はたまた、ものづくり探究の場として。
ファブラボ神田錦町は、週に一度「フリー」のオープンラボデーを設けており、自由に使っていただくことができます。いずれの方々も利用可能ではありますが『アプライ制』という制度を設けております。当ラボの専用シートを事前に提出いただき、利用審査をさせていただきます。マスター達が皆さまの利用をお手伝いいたしますので、マスター達がより一層グッとくるプランをお待ちしています。
ファブラボ神田錦町のオープンラボの利用は、原則無料です。材料費や機器トレーニング費用はご負担いただきますが、ラボ利用料やマスターによる和ポート費用は無料としています。ギブ&テイクを大事に考えておりますので、利用者の皆さまには金銭のやりとりでは実現できないような、ラボへの貢献をお願いしています。
アプライ制度についてはこちらをご覧ください

◉ファブラボ憲章

ファブラボには「ファブラボ憲章」が制定されています。この憲章は、ファブラボの理念や目的、活動方針を明文化したものであり、ファブラボネットワークに参加するすべてのラボがこの憲章に賛同することが求められます。加えて、憲章はラボ内に掲示され、訪問者やメンバーがいつでも参照できるようにされています。このように、ファブラボ憲章はファブラボの運営方針の指針となる重要な文書であり、「ファブラボとは何か?」という疑問に対する答えの一部が表現されています。

◉ファブマスターの紹介

井上恵介(INOUE Keisuke)
多摩美術大学情報デザイン学科助手勤務を経て、ファブラボ渋谷の創設に関わる。インスタレーションやメディアアートを学んだ背景を活かし、デジタル・アナログを問わず、技術を横断したものづくりを得意とする。デジタルファブリケーション協会では主に企画製作と人材育成業務を担当。デジタルファブリケーションを駆使した1点ものの試作開発や少量多品種生産の工程管理から、同技術の導入先への技術研修まで、ものづくり全般に関わるサポートを行なっている。
多摩美術大学情報デザイン学科 非常勤講師

梅澤陽明(UMEZAWA Hiroaki)
大手建設機械メーカー設計部にて、超大型ショベルの設計開発に従事。在職中に世界に拡がるデジタルものづくりの実験工房「ファブラボ」という活動を知り、起業を決意。ファブラボジャパンのメンバーとして、ファブラボ鎌倉の立ち上げサポートの後、ファブラボ渋谷をスタートさせる。ファブラボ運営メンバーとして現職。
自身の専門から、数あるデジタルツールの中でも、3Dモデリングを活用したエンジニアリングや、3Dプリンティングを専門とする。デジタルものづくり手法を組み込んだ試作開発や、多品種小ロットプロダクトの企画製作に取り組みながら、ファブラボで語られる思想を社会に溶け込ませることを目指している。
横浜美術大学プロダクトデザインコース 非常勤講師
お茶の水女子大学共創工学部人間環境工学科 非常勤講師

髙田麻菜(TAKATA Mana)
芸術系大学でグラフィックデザインを専攻。卒業後は、地元福岡で美大受験・絵画教室の講師として勤務。その後、市民にデジタルファブリケーションを紹介する仕事に携わる。2021年より上京し、ファブラボ神田錦町にJOIN。楽しく・わかりやすく・ワクワクをモットーにしたデジファブワークショップの開発や、企業・教育機関などのものづくり工房の運営サポートを通して、より多くの方にデジタルものづくりを楽しんでいただける環境やきっかけづくりに取り組んでいる。

◉ファブラボ神田錦町に関連する事業法人

私たちは「3つの法人」をつくり、それぞれの事業収益をファブラボ神田錦町の運営に還元する仕組みとしています。

一般社団法人デジタルファブリケーション協会
デジタルファブリケーションの普及と発展を考える取り組みをしています。

株式会社デジタルファブリケーション協会
デジタルファブリケーションを活用した受託開発、デジファブスタジオ企画や設計、機器販売、人材育成、ワークショップ事業を得意としています。

フューチャーユーティリティー株式会社
デジタルファブリケーションスタジオの運営業務に特化した専門企業です。教育機関や行政機関、民間企業内のスタジオ運営業務をお請けしています。

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ファブラボ神田錦町は、皆様と共に歩んできた12年の歳月を経て、13年目に入りました。これからもデジタルファブリケーションの可能性を探求し、地域の皆様やファブラボネットワークとともに新たな挑戦を続けてまいります。
皆様のご支援が、私たちの活動の力となり、さらなる進化の源になります。
引き続き、私たちファブラボ神田錦町の取り組みにご注目いただき、応援していただけましたら幸いです。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

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