プルースト 失われた時を求めて 読了記念 2 プルーストを読むことの難しさ

「読了記念1」でも書きましたが、失われた時を完読するために私には40年の歳月が必要でした。なぜそんなに長い時間が必要だったのか、私なりに考えてみました。

1.あまりに長すぎて、「完読するぞ!」という気持ちだけではモーティベーションが続かない
2.他の多く(ほとんど)の小説と異なり、物語にドラマチックな筋書き・起承転結がない。言い換えると、小説の魅力が筋書き・起承転結以外のところにあるため、その魅力に気付かないと、途中でモーティベーションを失ってしまう
3.聖書・西洋文学・西洋美術・西洋音楽への言及、引用等が900個所以上に上る(注:同一作品であっても、ページが異なるとカウントしています)。そのため、それらに対する知識・理解がないと内容がピンと来ない

4.フランス革命以降のフランスの歴史(革命→ナポレオン→共和国政府→ドレフュス事件→第1次世界大戦)に関する知識が必要

今回なぜ読了することができたのか?それは「今読まないと、プルーストを完読する前に死んでしまうぞ!」という強いモーティベーションに加え、過去40年で様々な経験をしたこと、多くの本を読み、多くの絵を見て、多くの音楽を聴いたことで、内容への理解・共感が出来るようになったことが大きいと思います。また、現役を退いた後の再就職中のため、ゆったりとした気分で十分時間を取ってこの本に取り組めたことも大きく響いています。

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