フロントエンジニア、転職2社目で見つけた「成長」の場
仕事に裁量があるか。スキルが増えるか。成長できるか。
Fabeeeのフロントエンドエンジニア、赤坂美咲さんはそんな視点で働く場所を選んできました。
「自分にはまだ、分からないことをきちんと解消できる環境が必要なんだ。『正解』を一緒に探してくれる、経験や知識の豊富な人が周りにいたほうがいい」
新卒から1年おきに転職し、いまFabeeeで在籍3年目を迎えた赤坂さんに聞きました。
ここは成長にかなう場所ですかーー?
ー 赤坂さんは、入社3年目。フロントエンドエンジニアをやっています。
赤坂:
今は、もっぱらFlutterやVueでアプリやフロントエンドの開発をしています。クライアントからいただいたデザインや仕様書から、開発チームのタスクを洗い出して割り振ったり、発注企業から仕様についての相談を伺うこともしています。ユーザーに親切な見え方になることを大事にしていて、「こうしたらもっと見やすくなるんじゃないかな」と考えた設計を提案したら、先方から感謝の言葉をいただくこともあります。
納期が迫った「炎上案件」に飛び込んで、すごいスピードで形にしていく「火消し」のような仕事もやってました。大変ですけど、「来た!来た!」と受けて立っていたら、同僚たちから「特命係長」という、よく分らない肩書までもらい(笑)。
自分から手を挙げて、バックエンドやインフラも経験したけれど、一通りやって思うのは、自分はやっぱりフロントエンドが好きだ、ということ。仕事の成果が分かりやすいのが大きいです。「こうしたほうがユーザーにとってはもっと見やすくなる」という修正や改善が見え方にすぐ反映されるし、家族や友人に「こういうのを作ってるんだ」と見せられますし(笑)。
デザイナーからエンジニアに越境
ー 赤坂さんは、もともと美術大学でグラフィックやインタラクティブメディアを学び、広告のデザイナー職を志望してましたが、就職活動中にエンジニアに方向転換しました。
赤坂:自分もそんなつもりは全然なかったんです。学生時代、コードは触ってましたけど、簡単なホームページを作るくらいでした。きっかけは就職活動です。自己PR用に作ったホームページを採用面接で見せたら、面接官が勧めてくれました。「エンジニアが向いているんじゃない?」って。「そんなに買ってくれるなら」と、その会社に入ることになりました。その会社で初めて、新卒の学生を「フロントエンドエンジニア」として採用したそうです。
入社前に1年弱、インターンとして働きながら「このツールは何に使うんですか?」という「イロハ」から教えてもらいました。
社員になってフロントエンドエンジニアの仕事に慣れてくると、バックエンドの仕事にも興味が出てきました。やってみたいなあと思っても、組織が大きすぎてなかなか実現しそうになかった。なんでも自分でやらなきゃいけない環境に身を置きたくなって、社員数人のベンチャーに転職しました。
ー 2社目では、フロントもバックも、なんでもやれるようになりましたが……。
赤坂:未経験のインフラ周りの開発まで任されるようになっても、教えてくれる人が周りに1人もいませんでした。「こんなので大丈夫なのか」と不安になって相談すると、「(システムが)動いていればいいよ」という返事が来て、危ういなあ、と。
自分にはまだ、分からないことをきちんと解消できる環境が必要なんだ。「正解」を一緒に探してくれる、経験や知識の豊富な人が周りにいたほうがいい。そう考え直して1年足らずで転職活動を始めて、Fabeeeにたどり着きました。
3社目で見つけた、自分に必要なもの
赤坂:面接の段階で、実力のあるエンジニアがいて、フロントやバックエンド、インフラなど技術をしっかり学べる環境が両方あると分かりました。
面接官だったのが、今一緒に働いている杉森由政CTOです。
「仕事で分からないことがあっても、誰にも確認できないまま進んでしまう」。面接で、当時の気持ちを打ち明けると「それは良くないですね」と技術的な解決策を示してくれました。内容のレベルの高さに「ここなら学ばせてくれる。この人がいれば大丈夫かも」と思えました。
その会社がどんな仕事をしているのか、自分が成長できるのか、どんな経験のある人がいるか、の方が、私にとっては大事なことでした。
その時点で選考が進んでいた会社は全部お断りして、Fabeeeに入ることにしたんです。
「大変だよ。でも、頑張ればものすごく早く成長できるよ」
ー Fabeeeに入社して3年。最近は後輩に指導することも増えてきました。
赤坂:教えた相手がどんどん成長していく過程って、どこかゲームに似ていて楽しいです。その分、自分の仕事がなかなか進まないのが悩みですが。
ただ、1日中1人で考え込んで8時間分の給料が消えるより、少しでも疑問があれば誰かに聞いて解決させて前に進んだ方が、意味があると思いませんか? これ、最初の会社で叩き込まれた考え方なんですけど。
もしFabeeeへ転職したいと相談を受けたら? 「大変だよ」って言います。確かにしんどい(笑)。やりたいことは、いっぱい任せてくれる分やること多いし、いろんなことを吸収していかないと、仕事にスキルが追いつかない。
ただ、「頑張ればものすごく早く成長できるよ」とも言うかなあ。私自身もそうです。昨年からはアプリ開発にも関わって、大好きなコードを思う存分書いているし、コードを書ける幅も広がったし、新しい技術にも触れられていますし。
あとは、放っておかれないこと。この会社には、私が手に入れたい、すごいスキルを持っている人がすぐ近くにいて、「ここが心配です」と相談すると、「こういうやり方もあるんじゃないですか」「これはどうですか」と考えてくれる。ミーティングでのやりとり一つとっても「なるほど、そういう考え方もあるな」と学びが多いし。
考え始めた「自分に向いているスキル」
ー いろんなスキルを身につけたい、という段階から、自分に向いているスキルとは何かを考えるようになってきたといいます。
赤坂:適材適所というか、自分に向いているスキルってなんだろうと考えるようになりました。足りないスキルはまだまだあるし、そもそも自分に足りないスキルが何かも分っていないところもあるんですが。
上司や先輩の「このスキルがすごいな」と思うことはしょっちゅうです。でも、私はその人になりたいわけじゃない。だから、そのスキルが私にも必要かというと、そうだとはいえない面もある。「むしろ、こっちのスキルを身につけた方が私に合っているな」と思うこともあります。
フロントエンドエンジニアのスキルを「職人」レベルまで極めるというのも、一つの方法かもしれないですね。でも、今のスキルで足りているなら、別に突き詰めるまでする必要もないとも思うようになりました。すごく難しいコードの書き方を身につけたとしても、一緒に働く人たちが読めないレベルならむしろ仕事がしづらくなる。だから極め過ぎる必要もないかなと思っています。
30歳までいろんなことに挑戦してから、その先を考えようと思っています。仕事も、ライフプランも、30歳の自分ならいろんなことを経験しているだろうし。だから今は、もうちょっと背伸びして頑張ろう、と。
【略歴】
赤坂美咲:新卒初のフロントエンドエンジニアとして、ベンダー企業に入社、ウェブサイトの構築などに従事。1社を経て2022年Fabeeeに転職。現在はフロントエンドを中心に、システム・ウェブサイトの受託を担当。
★撮影場所:SPACES新宿