新卒2年目「DXエンジニア」のクリエイティビティ
Fabeeeのシステムエンジニア、秦涼人さん。入社半年で、中核サービスの「バンソウDX」に加わり、企業の事業変革を支援しています。
「どうしたら自分に『嘘』をつかずに楽しく働けるか」。大学の就職活動で抱いた違和感を、そんなテーマの卒業論文に込めました。
「志望動機や自分の強みを聞かれた時、思ってもいないことを、相手の期待に沿って話すことに、どうしてもなじめなくて」
新卒で入ったIT企業を経て、ほぼエンジニア経験ゼロのままFabeeeに採用、この春で3年目を迎える秦さんに、話を聞きました。
自分なりの「働く」を、思ったように描けていますかーー?
「『嘘』をつかずに楽しく働きたい」
ー 秦さんは大学在学中、「働く意味」をテーマにした卒業論文を書きました。きっかけは、就職活動だったといいます。
秦:
就職活動って、「お約束」のようなものがありますね。志望動機や自分の強みを面接や履歴書でアピールするといったような。僕はそういうことにどうしてもなじめませんでした。なぜその企業に入りたいかなんて、分からないことの方が多くないですか? 相手の期待に沿った動機や強みを語ることは、僕にとっては自分に「嘘」をつくことになりかねない。分からないことはわからないと正直でいたいので。
内定をもらうには、そういうものを事前に用意するものだとは分かっていたけれど、内定をもらいたいばかりに、それらしいことを言うこと自体が、なんだか自分に「嘘」をついているようなが気がして、ずっと引っかかってました。
何社か経験して内定もいただきましたが、求められる働き方への違和感は消えず、4年の後期に休学しました。
経済学部なのに「エンジニア」。その理由
秦:
休んでいた間、2つのことをしてました。ひとつは卒論。「従業員エンゲージメントが生産性に与える影響」と題した論文でしたが、要は「どうしたら嘘をつかずに楽しく働けるか」という問題意識に向き合いたかったんです。
秦:
もうひとつはプログラミングの独学。RubyとPythonを勉強してサイトやアプリを自作してました。本気でエンジニアになるつもりでした。
経済学部の友人は、多くが金融、商社、メーカーの大手企業に総合職の内定をもらっていました。僕も正直、大手企業に憧れはありました。でも、ジェネラリスト育成の名目で、自分の意思と関係なく、部署異動や転勤を繰り返す働き方は自分には無理だろう、と思っていました。
ー 論文を通じて、自分なりの仕事のあり方を言語化していったといいます。
秦:
「楽しく働きたい」と言いましたけど、ほどほどに働いてプライベートに時間を割きたいわけではないんです。愛想がいいわけでもないし、人にやさしくすることに照れてしまう。そんな僕でも受け入れてもらえて、裁量を与えられ、頼られていると感じながら働ける状態が、僕にとって楽しく働ける場所になるのではないだろうか、と。
ー 最初の就職したのは、大手IT企業のエンジニア職。システム保守の部署に配属されました。ですが、半年ほどで転職を考えるように。理由は、その仕事の内容でした。
秦:
クライアント企業に常駐して、エラーを見つけてスクリーンショットで報告する。それだけの作業を延々と続けるうち、モチベーションは早々に消えました。数年は頑張ろうと入社したのだから、もう少し頑張ろう、と迷ったこともありましたが、いずれ外に出るなら今この仕事を耐えるより外で耐えた方がいいと腹を決めて。入社7か月で転職活動を始めました。
面接で一度も志望理由を聞かれなかった
ー 転職の際もエンジニア職への応募を続けました。
秦:
「エンジニア未経験者歓迎」を打ち出している会社は、あえて応募しませんでした。「未経験で雇って、必要な案件に入れて」という流れになりそうで、それなら前の職場と同じ轍じゃないか、と考えていましたから。
だから、経験者が採用の前提になっている会社に応募して、履歴書で前職の担当や、プログラミングの独学経験を書き、面接で「ほぼ未経験です」と伝えていました。
ー そのひとつに、Fabeeeがありました。
秦:
採用が決まるまで3回面接を受けました。転職理由や仕事で目指したいこと、興味があることを聞かれましたけど、一度も「なぜ、当社に入りたいのか」と聞かれなかったんです。だから自分が「嘘」をつく必要がなかった。そういうところ、フィーリングがあうな、と思いました。「日本人全員が、自分の仕事に自信を持って仕事ができている状態を作れたらいい」と話したのを覚えてます。
ー 秦さんは、FAPという受託開発のチームに配属されます。
秦:
クライアントから示された要件をもとにシステムを構築する仕事です。経験ゼロでしたから、上司の仕事ぶりを見ながら「こうコードを書くのか」「こんな書き方は思いつかなかった」と学びながら、自分も手を動かして覚えていきました。本格的なエンジニアの仕事でしたけど、確実に前進できてる実感も持てて、僕にはやっぱりエンジニアが向いていたみたいだと思いました。
物流企業のDXで経験した信頼と変化
ー 入社から半年後、秦さんは、立ち上がって間もない「バンソウDX」の部署に異動。物流企業のDXプロジェクトに加わりました。
秦:
企業のDXを戦略から実装まで全部一緒にやるから「伴走」(バンソウ)です。物流企業の基幹システムをSalesforce上に構築するDXプロジェクトに参加することになりました。それまで紙や電話で把握していた輸送貨物の位置情報をリアルタイムで把握できるようにしたい、というのが、DXに踏み切られたきっかけでした。
秦:
バンソウDXは、「そもそも」のレベルから、私たちメンバーとクライアントが対話を重ねながら、新しい事業を生み出したり、システムを構築したりしていきます。毎週のミーティングで、実際の業務の基本的な情報の共有から始まりました。こうした中から希望や課題を伺い、技術的な観点で提案していきました。
最初は「どれだけできるのだろう」と様子見されていたと思います。でも「こうしたら改善できます」「ここはどうしますか」と技術的な提案を続けるうち、システムと僕たちのことを、信じてくださるようになったんですね。
担当者の方々の話すことも「これができたらいいな」から「できるはず」という雰囲気が強まって、要望や課題も具体的かつ踏み込んだものに変わっていきました。そういう変化が、うれしかったのを覚えています。
「自由」が生み出すクリエイティビティ
ー 入社から2年。秦さんは「DXエンジニア」という次のステップが見えてきたといいます。
秦:
エンジニアでもありコンサルタントでもある。バンソウDXで経験を積むうち、気づいたらそんな役回りが定着していました。
単に技術的な提案にとどまらず、クライアントの抱える問題やニーズを深く理解し、期待を超えるような解決策を提案し、実装する。こういうのが「DXエンジニア」なのではないか、と。とてもクリエイティブな仕事なんじゃないでしょうか。
クリエイティブと思える仕事ができたのも、今の職場に「自由」があるからです。
クライアントの要望をどう実現するか、その手段を指示されずに自分で考えられる。
「この方法の方が良いのではないでしょうか」と提案できる。「確かに。それでやってみよう」と採用される。
このプロセスが、僕の言う「自由」なんです。
最近は、クライアントの要望にさらに寄り添える提案力を付けたいと思っています。例えばクライアントの事情で、あえて従来の非効率なやり方を続けたいという要望が出たとしても、その事情を酌みつつ、どうすればさらに効率を上げられるかまで提案できたら、もっと幅が出るだろうと。
そのためには、コミュニケーションの仕方も磨いて、提案できる技術の幅も広げないと、なんですが。
【略歴】
秦涼人 2021年、慶応大学経済学部卒業。システムインテグレータで保守・テストに関わる仕事をした後、2022年春にFabeeeに転職。現在は「バンソウDX」のチームで、システムエンジニアとして、企業のDX化の技術面を幅広く担当。
★撮影場所:SPACES新宿
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