【デッキテク】エンペラー"欠金虞(けっきんぐ)"のEmperor【インタビュー】
TOKYO FAB PARTYのサイドイベントでは、Blitzによるガンスリンガーイベントも盛況でした。入場者なら誰でも無料で参加でき、空いたテーブルで対戦相手を待っているだけで何度でも対戦が楽しめる、一日遊べるイベントです! 中には、本戦であるRoad to Nationalsの試合の合間にBlitzで対戦しているプレイヤーもいたとかいないとか。
参加費無料にも関わらず賞品もあり、見事に3連勝を達成すれば豪華賞品獲得のチャンスも得られるそうな。そんな圧倒的"出得"のイベントで、何やら3連勝×2回を果たしたプレイヤーがいると聞きました。
それがこちらの欠金虞(けっきんぐ)選手。その使用ヒーローはまさかの《Emperor, Dracai of Aesir(エンペラー)》! 『Dynasty』で初登場した複数のクラスを持ったヒーローで、唯一無二の個性を持ったロマンデッキ(2023年5月現在)として、一部ファンから根強い人気を誇っています。
見事に6連勝を果たしたそのリストは、果たしてどのようなデッキだったのか? さっそく話を聞いてみました!
デッキ作成の経緯
――2度の3連勝おめでとうございます!《Emperor》はあまり使用者の多くないヒーローだと思うのですが、なぜこのデッキを組もうと思ったのでしょうか?
欠金虞「僕、三国志が好きなんですよ。なので、《Emperor》のイラストと世界観に惹かれてデッキを組み始めました。というより、そもそもFlesh and Bloodを始めたのも《Emperor》を知ったのがきっかけなんです」
――たしかに《Emperor》はイラストもかっこよくて人気ですね。とはいえ、たとえば《Dash》や《Dorinthea》、《Rhinar》など、構築済みデッキも販売されていてBlitzで人気のあるヒーローと比べると、あまりリストが出回っていない部類のヒーローだと思います。デッキを組むのは苦労もあったのではないでしょうか?
欠金虞「そうですね。なので、FaBraryのデッキリストを片っ端から見て、よく入っているカードをとりあえず揃えてみるところから始めました。最初はカードのテキストさえ知らない状態でしたが、とりあえず組んで回してみよう!と」
――中には《Command and Conquer》など、ゼロから揃えるには少々ハードルの高いカードもあったかと思いますが……。
欠金虞「僕自身、元々他のTCGもプレイしていたのでそこまで壁は感じなかったですね。《Command and Conquer》のような汎用カードであれば値段はあってないようなものですから」
――よく訓練されたTCGプレイヤーだ……。
デッキの強みと採用カード
――あまり私は《Emperor》の動きに詳しくないのですが、このデッキにはどういった強みがあるのでしょうか?
欠金虞「デッキの強みはなんといっても《Waning Moon》と《Emeritus Scolding》のコンボで、インスタントタイミングで9点のArcane Damageを叩き出せる爆発力ですね。このコンボがあるおかげで、相手の初期ライフは実質的に9点少ないようなものです」
――《Emperor》は赤いカードしか採用できませんが、《Emeritus Scolding》と《Waning Moon》のコストはどのように捻出するのでしょうか?
欠金虞「そこはDromaiなどと同様、Draconicのタレントを持っているため《Flamescale Furnace》でリソース不足を補うことができます。コンボの具体的な手順としては、《Emeritus Scolding》がアーセナルにあるときに以下のプレイを行います」
手札1枚をピッチして《Storm Strider》の能力を起動する。
手札2枚をピッチして《Emeritus Scolding》をプレイし、6点のArcane Damageを与える。
手札1枚をピッチして《Flamescale Furnace》の能力を起動し、リソースを(4)得る。
《Waning Moon》の能力を起動し、3点のArcane Damageを与える。
欠金虞「これらの動きをいつでも利用できるのがこのデッキの強みですね。《Emeritus Scolding》がアーセナルにあるだけでこのコンボを使うことができる、実質的な1枚コンボです。このコンボでゲームを終わらせるために、序盤は多少無理をしてでも相手のライフを9点まで減らしにいきます」
――インスタントタイミングでリーサルダメージを叩き出せるのはKanoなどと同様ですね。つまりこのデッキは実質的にWizardデッキと言えるのでしょうか?
欠金虞「そうですね、《Emperor》は基本的にWizardを軸にしたリストが多いと思います。ただ、相手がこのことを知っていると、常にArcane Damageをケアしたプレイをされてしまうんですよね。そのため、僕のリストではWizardカードへの依存度を下げ、そのぶんGenericのアタックカードを多く入れています。たとえば以下のような挙動で、1ターンに15点ダメージを目指すことができます」
手札1枚をピッチして《Belittle》で3点のダメージ+《Minnowism》をサーチ。
《Minnowism》で次のアタックにダメージ+3。
手札1枚をピッチして《Flamecall Awakening》で6点のダメージ+《Phoenix Flame》をサーチ。
《Phoenix Flame》をピッチして《Flamescale Furnace》の能力を起動し、リソースを(3)得る。
《Emperor》の能力を起動し、《Command and Conquer》で6点のダメージ。
欠金虞「これもコンボに登場するカードは多いですが、実質的に《Belittle》と《Flamecall Awakening》の2枚が揃っていれば使える2枚コンボです。《Flamecall Awakening》のところは《Overload》になることも多く、とにかくこうした手数の多さと通りのいいダメージソースを活用して相手のライフをコンボの致死圏まで減らしていきます」
得意 / 苦手なマッチアップ
――DraconicカードやWizardカードを併用して多角的にライフを攻めることができるのは《Emperor》ならではの強みですね。ここまでデッキの紹介をしていただきましたが、得意な相手と苦手な相手を教えてください。
欠金虞「まず、苦手なのはKanoです。さすがに本職のWizard相手にはスピードが間に合いませんし、デッキのカードが全部赤いので、Arcane Barrierに回せるリソースがほとんどないんですよね。このマッチアップはほぼ勝てません」
欠金虞「また、初期ライフの少なさもあってDashのようなアグロも厳しいです。他にはKayoのような大量ダメージを与えてくるデッキも苦手で、1ターンに一気にダメージを与えてくるデッキ相手だと押し返せません」
欠金虞「逆に、他のデッキ相手は結構いけますね。基本的には分からん殺しをするデッキなので、相手がリソースを使い切って動いてくるプレイヤーならお客様です。また、これはWizard全般の強みですが、Arcane Barrier搭載の装備に付け替えさせることで相手の本来のデッキの強みを失わせることができるのはアドバンテージです」
――ありがとうございます! これからも《Emperor》でのご活躍をお祈りしております!