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ビリー・ジョエル 日本公演セットリスト予想&見どころ解説(ネタバレあり)

2024年1月24日東京ドーム。16年ぶり、一夜限りのビリー・ジョエル来日公演までもう少しで1ヶ月。そろそろセトリの予想を立てておこうということで、直近の海外公演を参考に日本公演ということを考慮して曲順含め割とガチで考えてみました。基本的な構成は決まっているだけにかなり当たると思うので、当日まで知りたくないという方は見ないことをオススメします。
また、こういう演出があるといった見どころ解説もかなり入れるのでそこも要注意でお願いします。

今回の来日は2008年11月18日東京ドーム以来。その時とバンドメンバーはほとんど変わりません。
ここでバンドメンバー全員を確認しておきましょう。

DAVID ROSENTHAL (デヴィッド・ローゼンタール)
キーボード、オルガン、ミュージカルディレクター
MARK RIVERA (マーク・リヴェラ)
サックス、フルート、ハーモニカ、パーカッション、ボーカル
CRYSTAL TALIEFERO (クリスタル・タリエフェロ)
パーカッション、サックス、ハーモニカ、ボーカル
TOMMY BYRNES (トミー・バーンズ)
ギター、ボーカル
ANDY CICHON (アンディ・シション)
ベース、ボーカル
CHUCK BURGI (チャック・バーギ)
ドラムス
CARL FISCHER (カール・フィッシャー)
トランペット、トロンボーン、サックス
MIKE DELGUIDICE (マイク・デルジュディス)
ボーカル、ギター

各メンバーの詳しいプロフィールは省きますが、唯一前回の来日から変わったのは2013年に加入したマイクが入っていることです。彼はビリーのトリビュートバンドでボーカルを務めている人物でもあり、ビリーのサポート役として欠かせない人物。バンドメンバーで誰に1番注目するべきかと言われれば間違いなく初来日である彼でしょう。

では、セットリストの予想に入ります。

Intro: The Natural (The End Title)

この音楽が流れたら開演のお知らせ。1984年に公開されたロバート・レッドフォード主演の野球映画『ナチュラル』のエンディングテーマで、作曲はランディ・ニューマン。1993年のThe River of Dreamsツアーで初めて使用され、2006年のカムバック以降は毎公演必ず開演前に流れるようになりました。曲が1番盛り上がるところで客電が消え、ビリーとバンドがステージに上がります。

  1. My Life

MSG(マジソン・スクエア・ガーデン)以外の会場でライブをする際はこの曲が1曲目というパターンが近年多いので、今回はこの曲と予想。 
My Lifeといえばライブのイントロにおいてピアノで何かスタンダードを弾いてから曲に入るのがお馴染みですが、2013年のツアー再開以来ここの選曲はベートーベンの「第九」で固定されています。今回もほぼ間違いなくこれが演奏されるはず。 
マニア的にはやはり間奏で「バカヤロー」が飛び出すかどうかも気になるところ。以前は言わない日があったり、日本公演だとあえて言わなかったりしましたが、近年は90%くらいの確率で毎回言うのでおそらく聞けるでしょう。ただ以前より静かにさり気なく言うので耳をすませておくといいかもしれません(笑)。 

My Life以外の1曲目候補は"The Stranger"でしょう。2008年の来日で1曲目だったこともあり可能性はありますが、同じことを繰り返すかという疑問と、2008来日以来この曲が1曲目を飾ったことは1度もないので今回は予想しませんでした。

1曲目といえば"Prelude / Angry Young Man"の印象が強い方もいると思いますが、ビリーは近年この曲を封印しているので今回は演奏されません。

他にもMSGでは1曲目として恒例な"Miami 2017"はMSG以外では選曲しないはずだし、昨年末のオージーツアーで1曲目だった"A Matter Of Trust"は単にあの時期演奏するのが少し流行っていただけで現在は演奏すらされないので可能性は限りなく低いです。

2. Pressure

今年に入ってからしばらく演奏されていなかったこの曲、12月のフェニックス公演で久々にセットインしたので来日公演でも演奏されると急遽予想。
演奏されれば終わりの「イチ、ニ、サン、シ、Pressure!」も聞きたいところ。グランドピアノで演奏されます。

ここでビリーのMCが入ります。なにしろ16年ぶりなのでどんな言葉が飛び出すかも楽しみ。2006年の8年ぶり来日時は「Long time no see」と言っていましたが、今回はその倍時が流れているので同じような言葉が聞けるでしょう。
海外公演でほぼ必ず言うMCがあります。
「良いニュースと悪いニュースがある。悪いニュースは新曲を演奏することができないこと。良いニュースは新曲を演奏しないことだ」というもの。
英語圏ではかなりウケるのですが、日本で意味が完全に伝わるかどうか正直微妙。もしこのMCがあったらお世辞でも笑ってあげましょう(笑)

3. The Entertainer

「次の曲は"Streetlife Serenade"から。みんな持ってないでしょ。誰もあのアルバム持ってない」というMCが定番ですが、これもまた日本で伝わるかどうか…。2006年、2008年と必ずセットインしていたこの曲も演奏される可能性大。

4. Honesty

このあたりで日本公演のみのレパートリーが登場すると予想。最後のこの曲が演奏されたのは実に4年前のメキシコ公演。ただ日本でライブをする以上この曲を演奏しないという展開はさすがにないと思います。
この曲と''The Stranger''を演奏するのでは、という予想で海外のファンから今回の日本公演が期待されているくらいなので、演奏されたら間違いなく1番のハイライトになるでしょう。

5. Just The Way You Are
 
日本では信じられないかもしれませんが、この曲はアメリカではViennaに差し替えられて演奏されないことが多いという事実があります。Viennaはシングルになっていない曲なのに大合唱になり、Just〜より人気という状況になっています。しかしながら、日本ではいまだにJust~人気の方が高いのでViennaは省かれてこちらが演奏される可能性が高いと推測します。
また近年この曲はショートバージョンで演奏するのが定着しており、詳細な構成はややこしいので省きますが、Youtubeで確認してもらえばサックスソロが入る位置などに違和感があると思います。演奏後の「その後、離婚した(元妻に捧げた曲であるため)」というMCもおそらく入るでしょう。

6. The Stranger

日本公演のみのレパートリー2曲目の登場はこの辺と予想。前述のように前回の日本公演では1曲目だったわけですが、''Honesty''と同じく最後にこの曲が演奏されたのは4年前のメキシコ公演。マニアの方ならご存知のように、イントロの口笛音はシンセで出しますので誰が吹いているか探しても分からないと思います(笑)。また、アウトロ部分は演奏されません。

7. Zanzibar

ビリーがMCで言及するようにアルバム曲でありながら2006、2008年の来日でも演奏された近年のお馴染み楽曲。トランペットのカールがフィーチャーされます。オリジナルのフレディ・ハバードよりだいぶ派手なプレイですが、圧巻の演奏が聞けるでしょう。
ちなみに、1995年の来日以降(1998年を除く)定着しているピアノ台が回転する演出はもちろん今回も行われます。

8. Start Me Up ~ An Innocent Man 

ここでビリーがピアノから立ち上がり、スタンドマイクに移動します。「僕はミックジャガーじゃないからあまり動かない」というMCのあとストーンズの''Start Me Up''が途中まで演奏されるというのが海外公演では毎回行われる演出。ミックの動きや声を真似たコミカルなパフォーマンスを見ることができるでしょう。
「この曲をリリースした1983年は高音がよく出たけど、今は74だからあまり出ない。もし出なかったらブーイングでもなんでもしてくれ」的なMC、そしてサビの高音ボーカルには観客から歓声が上がるというのが海外では恒例。

9. ''The Lion Sleeps Tonight'' Warmups ~ The Longest Time

さらに続くビリーのスタンドマイク歌唱曲。今年の5月ごろから毎公演演奏されるようになったレパートリー。
(ほぼ)アカペラ演奏曲のため、本題に入る前にドゥ・アップナンバーのウォームアップを入れるのが1980年代から定番。''Barbara Ann'', ''Teenager in Love'', ''So Much in Love', ''Rockin' Robin''等その選曲は様々ですが、1番回数が多く認知度も高い「ライオンは寝ている」が有力。歌唱力抜群のバックバンドのハーモニーが注目ポイント。

10. The Downeaster ''Alexa''

ビリーがピアノに戻り、『Storm Front』収録のこのナンバーが演奏されると予想(さすがにアコーディオンでの演奏ではありません)。
日本での知名度はイマイチなので割愛される可能性もありますが、海外では根強く人気の楽曲なのでほぼ毎回演奏されます。

11. Don't Ask Me Why

前曲と同じようにこれもまた割愛される可能性が若干あり。前奏としてラテン調の楽曲をつま弾くのがお馴染み。

12. New York State of Mind

1982年から参加している1番の古株バンドメンバー、サックスのマーク・リヴェラがフィーチャーされます。ほぼ毎公演演奏されるという意味では最強の''ご当地ソング''かもしれません。後半のビリーとマークの掛け合いは見所の一つ。

13. Movin' Out (Anthony's Song)

2曲目に演奏されることもある楽曲。だいたいこの辺りの位置で演奏することが多いものの、順番はだいぶ上下するのでこれを書いている時点で1番直近の公演の曲順を参考にしています。

カウントでは「イチ、ニ、イチ、ニ、サン、シ!」を聞ける可能性も。

エンディングではマーク、クリスタル、カールによるサックストリオがステージ前方まで出て演奏します。

14. Allentown

お馴染みのSEとともに始まるライブでは欠かせない1曲で、今回も間違いなく演奏されます。

15. She's Always A Woman 

海外公演ではほぼほぼ演奏されるものの、時折カットされることもある1曲。2008年のシェアスタジアムでのライブを見ると分かるように英語圏では大人気の曲で、だいたいの会場で大合唱になります。
フルート担当として音響担当のブライアン・ラグルスの娘、シンディ・ラグルスが参加しますが、日本公演に帯同するかは不明。

16. Only The Good Die Young

この曲以降は最後まで全公演セットリストは固定されています。
デヴィッドとチャックを除くバンドメンバー全員がステージ前方に出て演奏するところが盛り上がりポイント。

17. The River of Dreams (with River Deep Mountain High interlude)

最後のスタジオアルバムから唯一の選曲はお馴染みのタイトルナンバー。
中盤の演奏がブレイクする部分で他の曲を演奏してから再び本曲に戻るのもパターン化していますが、この部分を担当するのは1989年からビリーバンドに参加しているクリスタル。とにかくマルチプレイヤーな彼女が5月に亡くなったティナ・ターナーの楽曲''River Deep Mountain High"をステージ前方まで出てソウルフルに熱唱します。
River〜のアウトロではギターのトミーがジミヘンの''Voodoo Chile''のリフを少し演奏するのもお決まりなので、ぜひ注目してほしいポイント。

18. Nessun Dorma

クリスタルの次は冒頭に書いたギター兼バックボーカルのマイクのターン。歌うのはパヴァロッティの歌唱で有名なプッチーニ作曲「誰も寝てはならぬ」。
とにかく抜群の歌唱力で難易度も高いであろうオペラ曲を見事に歌います。2006年や2008年の来日ではローディーのチェインソーが歌う''Highway To Hell''がビリーの休憩時間のようになっていましたが、今回はこの曲がその枠とも言えるでしょう(一応ピアノで伴奏をしてはいますが)。

19. Scenes From An Italian Restaurant

ここからアンコールまではまさに王道といった選曲ですが、海外では大合唱になるレベルなものの、近年の日本公演では意外と演奏されないことが多かった曲でもあります。
とはいえ、近年は必ず演奏するので外されることはまずないでしょう。

20. Piano Man

首にハーモニカホルダーを下げればこの曲が来ることはファンなら大体お分かりかと思います。
以前はコンサートのオーラスに演奏されるのが定番でしたが、2013年~現在は本編最後の位置で固定されています。

前奏を弾いてから(弾く前の時もあり)なかなか弾き出さなかったり、他の曲を演奏したりと''じらす''展開もお馴染みですが、やはり今回は2006年東京2日目のように「上を向いて歩こう」の演奏に期待したいところ。

今回このnoteを書くにあたって1番言いたかったことが、とにかくこの曲のサビだけは歌詞を覚えて歌って、ということです。
ここまで散々書いたセトリとか全く覚えなくていいので(笑)、

''Sing us a song you're the piano man
Sing us a song tonight
Well we're all in the mood for a melody
And you've got us feeling alright''

これだけはなんとか覚えてほしいです。とくに一番最後のサビではバンドが演奏を完全に止めて観客だけが歌うので、そこだけでもなんとか大合唱になればいいなと心から思っています。

ここでビリーとバンドは一度ステージを降ります。再びスタンドマイクが用意され、アンコールに突入します。

Encore:
21. We Didn't Start The Fire

ビリーがギターを持ち、ライブではお馴染みのナンバーがスタート。
歌詞に出てくる事柄や人物の写真がスマホの画面に映り、指でスライドすると次の画像が出る、という内容の映像がスクリーンに流れるはずなので、その映像に注目すると面白いかと思います。

22. Uptown Girl

2013年で復活するまで長らくライブではほとんど演奏されていなかった代表曲の1つ。日本公演では1991年以来30年以上ぶりの演奏になるでしょう。
とくにアナウンスはされませんがこの曲のみビリーの音量が下がり、メンバーのマイクの音量が上がるので実質リードボーカルはマイク(ビリーの高音が出ないため)。

スタンドマイクでステージ前方を練り歩き、歌詞に沿ったコミカルな動きを披露するのも定番。

先日までCMに使われていたこともあり、かなり盛り上がるでしょう。

23. It's Still Rock and Roll To Me

前曲から間髪入れずにビリーのマイクパフォーマンスが鉄板の1曲へ。間奏のサックスソロでマイクスタンドをぶん回す姿を見れるでしょう。

24. Big Shot

かつてはハンドマイクやスタンドマイクで歌うのが定番でしたが、現在はピアノで演奏されます。

25. You May Be Right (with Rock and Roll interlude)

必殺のガラスが割れるSEから始まるこの曲がコンサートの締め。この曲もピアノで演奏されます。
終盤ではクリスタルが吹くオリジナルと同じようなハーモニカも聞けます。
そこからメドレー的に始まるのがマイクがボーカルを取るレッド・ツェッペリンの''Rock and Roll''。そこで聞けるマイクとクリスタルの高音ハモリはかなりの迫力。そこから再び本曲に戻るわけですが、ビリーのライブがZEPの曲を含んで終わるというのは個人的にあまり慣れません()

最後のMC、''Don't take any shit from anybody!''は最近ほとんど言わないので聞けないはずですが、おそらく再来日を全く期待できない「サヨナラトーキョー!」を聞けるでしょう(笑)。


と、ここまで予想をしてみました。

セトリの部分には書きませんでしたが、歴代の日本公演においてかなりの回数ビリーがピアノで弾き語るのが古謡「さくらさくら」。
今回も演奏する可能性大ですが、''My Life''の前奏や''Piano Man''の前奏、MCの最中など位置はバラバラなのでどこで飛び出すかは予想できないところです。

自慢になってしまいますがこの約2年間で行われたビリーのほぼ全ての公演の音源を聴いてきたので、この予想がどこまで当たるかも楽しみです。

最後になることはおそらく事実だと思うので、1夜限りということもあり本当に貴重な来日公演になると思います。
チケットはもうソールドアウト、当日券や機材席などの販売があるかどうか分かりませんが、あるとしたらそれも即完になるでしょう。

繰り返しになりますが、ビリーのライブの肝といえばやはり''Piano Man''。
なんとか15年前より大きな合唱を東京ドームに響かせたいと思っています。

自分もかなり紆余曲折ありながらなんとかチケット入手できたので、今から本当に楽しみです。