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WSOP MAIN EVENT Day6までの記録

こんにちは。ポーカーネーム ゆーだい(@f_yudai23)と申します。
今回、幸運にも2023 WSOP MAIN EVENT でDAY6、122th/10,043人、日本人3番目(歴代で上から5人目)まで到達することができましたので、筆を取ることにしました。

何かの参考、読み物として楽しんで頂けますと幸いです。

*本記事は有料設定ですが、ほぼ全文無料で読むことができます。
面白かった!おつかれさま!という方がいらっしゃいましたら投げ銭を頂けますと幸いです。

私のポーカー遍歴

はじめに私が何者なのか、簡単に紹介いたします。
私は2019/9頃から今は無き渋谷ギルドに通い始め、今は渋谷にあるGoodGame Poker Live SHIBUYA(以下、GGPL)を中心に新宿のCasino Live Tokyoやイケブクロギルド、中野のDDPT等でポーカーをプレイしています。

ホールデムのタイトルには縁が遠く、ミックスゲームで先にタイトル(JOPT PLO8, JPF BD&2-7TD)を獲得し、プライズマッチの優勝はGGPL SHIBUYAのGLOBAL MILLIONSでの優勝1回のみです。

オンラインでは、PokerStars 5z→10z→25z→50zとプレイしてきており、Flash系に加えて、GG POKERやKK POKERでトーナメントやSpin&Goも遊んでいます。

海外に関しては、昨年の 2022  WSOP MILLIONAIRE MAKERが海外デビュー戦で、その後APTマニラ、KSOP(韓国)、ASPT(韓国)に続いて、今回のWSOP 2023が5遠征目となります。

WSOP MAIN EVENT はGGPLのプライズマッチ
GLOBAL MILLIONS 20K -WSOP CHALLENGE- 2Day Event
を昨年10月に優勝し、WSOP MAIN EVENTの権利を獲得し今回初挑戦となりました。


MAIN EVENTが始まるまでの過ごし方

今回は7/1-7/14の2週間の滞在で
WSOP Mini Main, Wynn $1100, Aria $600, 会場のDaily HORSE, WSOP MAINのトナメ
NLHE 2-5, PLO(-5) 1-2-5, Big-O 1-2-5, Mix 20-40などのキャッシュゲームを遊びました。

ミックスは 中野DDPTの くまさん(@pot_utimasu)が先生です。
PLO, ミックスのキャッシュは合計で20時間も打てていませんが、きちんとスキルエッジを実感しながら、それぞれ勝ち越せました。
Practiceは講習会形式でやってくれるので、ミックス・PLOを始める方にとてもオススメです!

WSOP MAIN EVENT

昨年、時差ボケに悩まされた経験を踏まえて一番遅い日程のDAY1Dにエントリーしました。
時差ボケを防ぐために、到着翌日から最終日まで、朝起きて、宿のメンバーで筋トレ・プール・シャワー・自炊・洗濯を済ませ、トーナメント・キャッシュに出かけて、夜はBBQをする日々を送りました。トーナメント走るとBBQが食べられないので、優しい皆がいつも残しておいてくれました。

とある日のBBQ

滞在中、色々な楽しい出来事・トラブルがあったのですが、MAIN EVENTに集中できるように様々なサポートをしてくれた皆にはとても感謝しています。本当にありがとう。

DAY1

スタートから着席しました。60,000点の300bb持ち、ここから2時間ブラインドを毎日5レベルやっていきます。

卓の状況は、limper 5人のプロがいないゆるい卓でした。
普通に打てば絶対にチップが増える確信がある卓だったので、チャンスを伺いながら、レイトポジションでは少しレンジを拡げてプレイします。

しかしlevel1の終わりがけまで、実に約1時間45分の間、potが1回も獲れず、60,000点→46,000点までチップを減らしていました。

WSOP MAIN はじめてのpot獲得

そんな中、この1プレイ(フロップストレート>セット、ターンAI)で85,000点までチップを増やすことができました。

しかしこのあとも流れは回復することなく、Level 1終了までに獲れた
potはこの1回のみという印象的なLevel1となります。

Level2に入ってからは特にラッキーをすることもなく、判断に迷うポイントもなく、ハンドとボードはかなり悪い状態でしたが、左右のVPIP 60以上のおっちゃん達から定期的にチップをもらい続けることには成功し、97,200点でLevel5が終了しました。

スタート時 60,000点 →終了時 97,200点

DAY2

DAY2もゆるい卓に着席することができました。
しかしながら、DAY1から続いてハンドとボードが絡み合うことはなく、チップが増えないままLevel7でテーブルブレイクとなり、パリス→ホールシューに移動です。

そんな中、Level8のディナーブレイク前最終ハンドで、このWSOP MAIN EVENTを52時間戦った中で最も印象的なハンドと出会うこととなります。

私のポーカー人生史に残る1ハンド

AKは普段であれば、当然4betに回すハンドですが、WSOP MAINの序盤では、かなりのレンジをコール止めすると決めており、今回はコールに回しています。

相手はアメリカ人の好青年、筋肉は並、人相は穏やか、レンジは少しタイト。リバーでシンバリューを取っている場面はまだ見ていない。実力的に格上ではないが、簡単に搾取できるリークはこの時点で見つかっていない、ブラフ頻度が高いタイプではない、との情報を持っていました。

フロップAdKh4c
フロップ TOP 2Pで、トラップレンジとしてのAKが完全に機能しています。
ターンのx/r AI、リバーのx/c もしくは x/ r AIを本線で検討していました。
フロップの時点では、Q,J,Tが落ちなければかなり安心できると思っていました。

ターンQd
少し嫌なカードが落ちました。しかしまだレンジ全体では多くのハンドに勝っています。ここで相手から、少しだけ嬉しそうな素振りで、60%の大きいサイズのベットが出てきます。概ね3時間同卓してきた相手ですが、ターンのハーフサイズ以上のベットサイズは初めてで、フィジカルテルと合わせて、相手は「自分が勝っていると思っている」ことを確信しました。

  • ストレート・セットの負けているハンド(AA, KK,QQ, JTsの9combo)

  • AKのセイム(4combo)

  • AQ相手はバリューだと思っており、相手がリバーAIをするが、実はこちらが勝っているレンジ(6combo)

  • AJ以下のAヒットグッドキッカー(AJ, ATの16combo)

*A4, 44は3betするタイプではないと判断して考慮しておらず、フィジカルテルからフラドロがかなり薄いと考えていました。

しかし、トラップレンジを作った手前、AKのTOP2pが勝っているのか負けているのかわかりません。

リバー 7h
相手からのリバーのオールインをコールするには材料が足りないため、Aヒットグッドキッカーを相手のオールインレンジから落とす目的で、小さいサイズのブロックbetをすることにします。

ブロックベットをしたところ相手から3-4秒後に「オールイン」の宣告
私は5分以上の大長考に入ります。

ターンのベットサイズ、ターンで引いたようなフィジカルテル、リバーオールインまでにかかった時間、声のフィーリング
その全てが、相手は「自分が勝っている」と思っている。
と絶対的な確信がありました。

ライブトーナメントにおいて
このような材料が揃っている場合、私はかなりの頻度でフォールドに回すのですが、今回自分はトラップレンジを用いており、ハンドはTOP 2Pです。
相手のAK, AQを消すことが出来ません。

時間を使って、再度プリフロップからの相手のアクションとテルを思い出し、勝っているコンボ数と負けているコンボ数を計算し、最終的にフォールドを選択しました。

ディナーブレイク前最終ハンドだったため、自分達以外が卓上に残っておらず、私はAKをショーしながらフォールドしました。
相手が1枚だけ見ていいよ。とのことだったので、めくったところTdが出てきました。
人生で一番のグッドフォールドだったかもしれません。

この好青年とは、デイナーブレイク後もその後もバチバチにpotを争うことになり、Level10の途中 でテーブルブレイクとなったタイミングで、JdTdだったよと教えてくれました。

このハンドのあとは流れが来ず、スタックを維持することが精一杯でした。

スタート時 97,200点 →終了時 40,500点

DAY3

40,500 16bbスタート
リスチール2回からの4連続pot獲得で一気に14万点まで回復

QQのvs 5bet AIに対するフォールドで10万点まで減らしてしまいましたが、ブレイク後も良い流れが止まらず、一気にハンドが入り始めました。さらに左3人が格下のショートだったこともあり、SBからCOまでは100%オープンで仕掛ることに成功し、順調に25万点になります。

テーブル移動後も流れが止まらず、普通に打っているだけでバブルライン手前までに25万点→52万点

そこに100万点持ちのチップリーダーが入ってきたことで、少し動きにくくになりましたが、ハンドに恵まれたことでバブルラインでセカンドチップリになることができました。
チップリのVPIPが100%ではなかったので、左の2人がタイトリークのレクに圧をかけることでチップを増やすことに成功します。

H4H手前、残り11人でインマネのタイミングでDAY3終了

スタート時 40,500点 →終了時 630,000点

DAY4

左にチップリーダーがいますが、プロではないため、初手から私は前日ぺかさんが実践したというチップリ代行業をこっそり始めます。

途中で気付かれてコール頻度を上げられるのですが、相手が3betをしてこなかったため、彼を無視してかなり拡げたレンジでオープンをしました。

そんな中、大きめのpotを獲得し、チップリーダーに躍り出ます。

結果的にDAY4開始時 63万点→バブル終了 + ショート吸収で 95万点まで伸ばすことができました。
その後プロが数名入ってきたのですが、自分のポジションが良く、チップ量を多く持っていたため彼らは脅威にはならず、ハンドも噛み合います。

200万点持ちでテーブル移動後、苦戦する展開となります。

この6番のイギリス人のルースアグレ(bet size大きめ)にチップを大きく吸い取られ、一時期110万点まで減らしました。
また腰と背中が一気に限界を迎え、さらに集中力も切れてしまい、山場を向かえます。

少々の-EVはあれど、プリフロップのレンジをタイトに締めて、DAY4が終わるまでの2レベルは耐えきると決めたところ、最後になんとかハンドが絡み 138万点で終了

スタート 63万点
バブル終了時 95万点
最高到達点 210万点
終了時 138万点

DAY5

苦戦を強いられたDAY4でしたが圧倒的な貯金を持っていたため
スタート時点で55bbありました。

PFAI TT < 66のバットビートを食らった後、上記ハンドで改めて最高到達点まで浮上します。

この日は疲れからハンドのログが取れていないのですが、マッサージに3時間半ほど重課金していたところ、なんやかんやでLEVEL 23時点で400万点到達。

道中、バブルが弾けた直後から1時間に1回のペースでプライズアップとなっていました。
私がその頃テーブル上で圧倒的なチップ量を持っていたため、ターンまでのダブルバレルで相手をほとんど降ろせる簡単なポーカーを繰り返していました。

その後、ラスト2ブラインドはハンドがまったく入らなくなり、ラストブラインドは1回しかpotが取れず、340万点で終了。

スタート時 138万点 → 終了時 340万点

DAY6

DAY6までの間、PFAIは5戦2勝、フロップ・ターンのオールインは2戦1勝とオールインをせずに上手く立ち回ってくることが出来ましたが
DAY6の開始卓はショートが多く、PFAIが避けられないだろうと予想し、覚悟を決めて着席しました。

最初に連続でpotを獲得し500万超え。AK<JJのフリップに負けたところから一気に流れが悪くなります。

その後ポストで少し戻すも、4連続でpotを落とし、
最後は PFAI 93o <A2o で飛び。


終わって少ししてから会場の外で泣いている自分がおり、驚きました。
たかが趣味でこれほど感情を揺さぶれるのかと。

緊張をしないように、プレイが乱れないように、意図的に感情を抑えていたのですが、一気に波が来てしまいました。
30代に入ってから初めて泣いた気がします笑

まとめ

今回の私の幸運は、何よりもゆるい卓に座る時間が長かった点、難しい判断を迫られる回数が少なかったことです。
PFAIの肩がもう少し強ければDAY7, DAY8が見えてきたと思うと非常に残念であり、悔しいですが、MAIN初挑戦としては上出来でしょう。


謝辞

これまで私にポーカーを指導してくださった tetraくん、Peeeajeくん、みさわさん、basemanさん、ポーカー界の諸先輩方、渋谷ギルド、GGPLのキャスト・お友達、そのほかこれまで関わってくださった皆さん、今回応援してくださった皆さん、本当にありがとうございました。

ポーカーを始めて3年経った今でもポーカーに夢中です。
幸運にもポーカーキャリアの初期に軍資金が作れましたので、これからも海外遠征に挑んでいきたいと思います。

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