東京にあるものが札幌にない

仕事を終えて帰宅するために地下鉄駅ホームに下りたら、隣の乗車口には3人の男性がキャスター付きキャリーバッグをそれぞれ持って並んでいました。そのキャリーバッグには航空会社のタグがそれぞれついており、便名から東京から来たことはわかりました。
ほどなくして地下鉄が到着。ドアが開いて乗車すると、その3人も隣のドアから乗ってきました。そして自分は空席を見つけて座り、男性3人も空席を見つけて座ろうとしました。でもその前に・・・と思ったのでしょう、1人の男性がキャリーバッグを持ち上げる動作をしたのでした。そしてキャリーバッグを持ち上げて、視線の先の様子に驚いてキャリーバッグをまた床に下ろして、バツが悪そうにそのまま座ってしまいました。

その様子を見て、自分は
「そうなのよねぇ・・・、東京にあるものが札幌にはないんだよねぇ・・・」
と心の中でニヤリ。
それが何かというと、荷物棚なのです。いわゆる網棚。

札幌の地下鉄車内に荷物棚がない理由は乗車時間が短いのと忘れ物防止のためだといわれていますが、カバンなどに付着した雪が解けてしたたり落ちるとトラブルになるから、というのもあるはず。真の理由はともかくとしても、その男性は東京の感覚で荷物棚があると思い込んでいたのでしょう。そんなに大きいサイズのキャリーバッグでもなかったし、日曜夜は平日昼間よりも空いているぐらいだから、荷物棚があったとしてもわざわざ持ち上げて載せる必要はありませんでした。だからきっと、そうしよう(荷物棚に載せよう)と思ったのは彼の条件反射だったのかもしれません。

ちなみに、男性3人は2駅先の豊水すすきの駅で降りていきました。そんな短距離区間なら荷物棚にキャリーバッグを載せるほうがむしろ無駄です。
あとそれから、聞くともなしに聞こえてきた会話からすると、月曜朝から相手企業と何かの打ち合わせのようです。そのために日曜日に飛行機に乗ってやってきたとは、ご苦労様です。


(お読みいただきありがとうございました。内容に共感していただけたら心付もお願いします)

ここから先は

0字

¥ 100

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?