電波を捕まえる感覚

radikoのタイムフリー機能を使って聞いたラジオ番組の中で、リスナーからこういうメールを紹介していました。

『この前の話で、ラジカセを担いで浜松まで行って遠いラジオを聞いた話で思い出しました。私の場合、家の近くの山に登りました。何年か前、radikoのエリアフリーがなかったころは沼津に住んでいたので、よく富士山の自衛隊の駐屯地まで行って、カーラジオでSTVラジオを聞いていました。洗車機でアンテナが折れてしまったのに、駐屯地へ行くと昼も夜もクリアに聞こえました。だから山に行くのがおすすめです』

パーソナリティの一人の感想は
「高いところは電波が受かるんだよね」
「太平洋までダイレクトに届いていたんだろうな」

某『ラジオラ○フ』誌を読むと、編集部の人が遠距離受信に挑戦するために山に登っている記事がたまにあるので、たしかにそうだろうと思います。
じゃあ、そんな苦労をして地元ではないところのラジオを聞こうとするのか、パーソナリティの一人が続けたコメントに自分は大きくうなずきました。

2020無口な二人

「友達は東京の波を拾うために、自作の段ボール箱にニクロム線をぐるぐる巻いていた。そうやって電波を自分の手で捕まえるという感覚が今のラジオにはないんだよ」
「旭川で、地元のラジオを聞かないで東京のラジオを聞いていた。遠くのを捕まえたいの。好きな人はそうだったの。なんてことはないんだけど、遠くのを捕まえたいという変な感覚があったわけ。薄い電波を捕まえたい快感、わかんねえだろうなあ」

そう、苦労して受信しようとするから、頭も使うし手間もかかる。手間をかけて受信することに何の意義がないとわかっていても、宝探しというかウォーリーを探すような感覚になれます。
で、自分は幼稚園児のときに短波放送も聞けるラジオを父親から貸し与えられ、よくわからないままダイヤルをぐるぐる回し、雑音の向こうでかすかに聞こえる日本語・英語・その他わからない言語に、それなりにときめいたものです。モールス信号も聞こえて、多少ビビったことがあったっけ。それが下地になって今に至り、自分もコンポのAMアンテナに銅線を巻き付けてます。地元のラジオ受信では多少は効果があるみたいで、SINPO55454くらいになります。

画像2

で、〆にこんな曲を選びました。
90年代に遠距離受信していたモスクワ放送(日本語)を聞いていたときに紹介されていて、初めて知ったロシアのロックでした。バンド名は聞き取れなかった一方で、曲名は聞き取れて、ずっと印象に残っていました。それから25年ほど経過して、インターネットでようやく探し当てたのでした。
それではお聞きください。
https://youtu.be/ACAvBBMb6BM

キノー『血液型』


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