見出し画像

津軽鉄道と五所川原巡り

弘前二日目。いよいよ津軽鉄道乗車です。
時刻表を確認したら、ちょうどいい時刻に直通列車があったので、ネットで予約しておきました。それが

快速『リゾートしらかみ』
快速といいながらも、座席は特急と同じものです。

列車に乗って約30分ほどで五所川原に到着し、跨線橋を渡って津軽鉄道に乗車です。

待っていたのは1両のディーゼル車。運転手と車掌に加えて、外部委託のガイドも乗務していました。すべてではなく、一部の列車にガイドが乗っていることはあとで知りました。
まずは終点まで乗り通します。ガイドさんは40~50代の女性で、津軽訛りを出しながら
「この先に見えるのが現役の腕木式信号機です」
「沿線では稲刈りが始まっているんですよ。今年は暑かったんで、生育が早くで農家さんが大変」
そんな案内をしつつ、太宰治の小説の一部を朗読したりと、走行中はずっと話していました。

おおよそ50分で終点の津軽中里駅に到着。一日乗車券を運転手に見せて降りたまではよかったけれど、人影はまったくありません。
駅の周囲にタクシー会社の車庫や民家はあるのに、聞こえてくるのは風でなびく木々の音だけ。線路も駅の先で途切れていました。

秘境ではないといったって、人口が少ないとこういうことに出くわすわけで、過疎の実態を垣間見えた瞬間でした。
ここでは何もすることがなく、25分後に折り返す列車に乗りました。車両も、運転手・車掌も、ガイドも一緒。少々、ばつが悪いですが、次の列車が90分後だから乗るしかありません。で、発車前に駅名標を撮りました。

次は『ふこうだ』とは縁起でもない・・・でしたが、幸い、往路も復路も通過する列車でした。ありがたや。

復路は途中の芦野公園駅で降りました。

なぜかというと、ガイドさんが「公園の中を通ります」と案内したことと、木々の葉で緑色のトンネルが作られていて、すごく絵になるのを車内から見たからです。
降りて数分後、津軽中里行の列車が来ました。

どうでしょう。プロのカメラマンではないですが、絵葉書になりそうな瞬間が撮れたと自負しています。

芦野公園駅からは徒歩で次の駅へ向かいます。その途中にあるのが、太宰治記念館『斜陽館』です。

偉大な作家だというのは承知の上で、自分には彼の作品で心が動いたことがないので、外観だけ撮って次の駅へ行きました。
次の駅は、金木。この駅で上下列車が行き交います。全国唯一のタブレット交換が行われるため、自分以外にもカメラを向ける人がいました。

金木から列車に乗り、終点の五所川原で降車。自分の津軽鉄道の乗車が終わりました。
一日乗車券だからまた乗ることはできますが、運行本数が少ないのと沿線での楽しみが少ないので、スケジュールを組んでも1往復が精いっぱいでした。

一方で、五所川原にこそ行きたい場所があります。それがここ。

吉幾三コレクションミュージアム

あの『俺ら、東京さ行ぐだ』の内容たるや、当時小学生の自分にとっては衝撃で、むしろ心が動かされました。
なお、中の展示物については写真撮影をしませんでした。撮影禁止ではないようですが、かといって、有料で中に入って仔細に撮るのもどうかと思ったのでね。
もし、気になったなら行ってみてください。

それはどうしてかというと、地方都市の現実も垣間見えたからです。

平日昼間の五所川原駅前です。パチンコ店がシャッターを下ろし、タクシーが手持ち無沙汰で、行き交う人はいないのです。個人的には、この深閑とした感じが苦手です。
とにもかくにも、賑わっていないのです。賑わいを出そうと、あれこれ知恵を出している様子はわかったし、自分1人が行ったところで賑わうとも考えていませんが、人を呼べる資源があるのだから、ネットで行った気にさせるより、含みを持たせるほうが「行ってみよう」という行動を起こさせるかもしれませんのでね。
かくいう自分も、一日乗車券が当たらなかったら来ることはありませんでした。

帰路は2両編成の普通列車に乗って、弘前に戻りました。

(お読みいただきありがとうございました。内容に共感していただけたら心付もお願いします)

ここから先は

0字

¥ 100

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?