カーラーを巻いたまま

朝、いつもの地下鉄に乗ったときのこと。
いつもの時刻に地下鉄は到着し、ドアが開いて乗車していつもの場所の吊革につかまると、自分経った場所の前には20代後半か30代と思われる女性が座っていました。視線をスマホに落とし、右手で画面を操作している様子は“通勤電車あるある”な光景そのままでした。以前は文庫本だったり雑誌だったり、あるいは何もしなかったりと、多様な車内の様子を見かけていたのに、今はスマホばかりになったから、どこか隔世の感があります。そんな中、自分は今も昔もキョロキョロと車内の様子を俯瞰するのですが。
で、今日の話はその女性のことです。

スマホに視線を落としている女性の髪の毛に、何かがついていることに気づきました。
場所はおでこに当たる部分で、小さな筒状のものでした。そのときは名前が出てこなかったので、帰宅して検索して「あー、これだこれだ!!」と指をさして探し当てたものを書きます。
女性が髪の毛につけていたのは

カーラー

でした。昭和のころ、母親や実姉も夜や朝に(いや、一晩中か?)前髪をオン・ザ・眉毛にするために巻きつけていたのを見た記憶があり、実物を生で見たのはおそらくそれ以来でしょう。自分は使わないから、名前も忘れていました。
フツーならカーラーを外してから家を出るものです(母親や実姉は外していた記憶あり)が、女性はカーラーを巻き付けた状態で地下鉄に乗り、気づいていないままずっとスマホをいじっているのでした。

カーラーを巻いたままだと気づいたのは自分だけでなく、周りにいた人全員でしょう。かといって、カーラーを指摘して「ついたままですよ」と進言する人はいませんでした。
こういうときって、アカの他人に対して不利益になるようなことを言う勇気はなかなか出ないもの。なので、自分も含めて、見て見ぬふりで10分間が過ぎてしまいました。そして、中心部の駅に到着したら、カーラーを巻いたまま地下鉄を降りていきました。
その後、誰かに指摘されていたらいいのですが、どうなったのでしょうかねえ・・・。

(お読みいただきありがとうございました。内容に共感していただけたら心付もお願いします)

ここから先は

0字

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?