落とし物
朝ラッシュ時、いつものように地下鉄に乗り、途中駅までは大きく遅れることなく進んでいました。そして、途中駅でドアが開いて乗客の乗り降りが終わったから「そろそろ発車かな?」と思っていました。けれど、
いつまでたっても発車する気配がありません。
向かいのホームでは反対方向へ行く地下鉄が来て、ドアが開いて、発車して、次の地下鉄が来て、ドアが開いて、発車するというのに、駅のホームからも、また車内放送からも、発車しない事情の説明はありません。自分を含めた乗客は内心は「おかしいな」と気づき始めたようだけれど、誰も何も言わず、発車するのを待っているだけ。
そして3分ほど経過して、車内放送で
「軌道内に落とし物があるため、発車を見合わせています」
と、発車しない事情がようやく説明されました。故障とか人身事故ではなかったからよかったけれど、理由はどうあれ発車が遅れるのは焦る気持ちになります。すると、ホームから駅員が「OKです」という声が聞こえてくると、車内放送でも
「お待たせしました。発車します」
と流れて、ドアが閉まって発車したのでした。運転手は遅れを取り戻そうと駅間の速度を上げていた感じはしたものの、乗り降りに時間はかかって回復せず、結局、さっぽろ駅の到着も約3分遅れてしまいました。駅の電光表示に『おくれ3分』と出ていたのを初めて見て、不謹慎ながら「珍しい」と思いました。まあ、3分程度の遅れなら会社には余裕で間に合ったので、焦る気持ちもいつしか消えて涼しい顔で出社しましたけどね。
(普段からポーカーフェイスで感情を表に出さないのもある)
それにしても、駅のホームにはドアがあるし、到着するまで開かないというのに、開いているときにホームドアと車両のドアの間のわずかな隙間に物を落とすとは、持ち主もビックリだったかもしれません。自分は東京の会社に勤めていたときに、通勤途中の池袋駅でハイヒールを落とした女性を駅員が拾い上げていた様子を見ており、ホームにドアがあっても落とす人は物を落とすんだなと改めて感じました。
自分も気を付けようっと。
(お読みいただきありがとうございました。内容に共感していただけたら心付もお願いします)
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