ドトールのミルクレープ
今日は確定申告をがんばったので、ドトールへ甘いものを食べに行くことにした。選ぶのは必ず、ミルクレープだ。
「ああ、力を使い果たした。エネルギーを補給せねば」というとき、なぜだかあの何層にも重なった金色のうつくしいフォルムがくっきりと、それはもうくっきりと頭に浮かぶ。
仕事帰り、へとへとに疲れ切ったとき。なんだか無理してしまった飲み会の帰り。いつだって、ドトールのミルクレープは私の側にやさしく寄りそってくれた。
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「あー食べたい、今すぐにでも食べたい」という衝動がおさえられなくなり、着のみ着のまま、せかせかとドトールへの道を急ぐ。
あたかもなんともないようなフリをして「ミルクレープと、ブレンドをください」と笑顔で店員さんに伝えながらも、内心般若のような形相で「われは、われは一刻も早く、ミ、ミルクレープが食べたいのだ」とわなわなしている。
こういう瞬間、仕事でもあるよね。「ウフフ、すぐに対応しますねニッコリウフフ(いやいや、できるかい!)」みたいな。
そんな想いを抱えて(どんな想い?)食べるミルクレープは、文字通り死ぬほど美味い。
会いたくて会いたくてたまらなかった人に街中で偶然再会を果たしたときの、涙が出るようなうれしさを思い出す。
何層にも重なったクレープ生地にあまいあまい生クリームがこれでもかと挟まっており、食べるたびに口の中でしゅわあとほどけてゆく。ああ、し・あ・わ・せ。
もしインタビューで「今まで、しあわせを感じた瞬間をいくつか挙げてください」と言われたら、間違いなく「ドトールのミルクレープをひとくち食べた瞬間」はひとつ、候補にあげるだろうなあ。
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