オンライン研修あれこれ
ただいま会社のオンライン研修の運用中。(まあ座ってるだけなんですけど)。講師はうちのトップ人気の人なので、オンライン研修もなかなか慣れないと言いながら、首尾よくこなすスーパー講師です。雑談したり、あるいは企業のご担当者と打合せをすることで、わかったこと、考えたことをまとめてみます。
企業のニーズ
コロナ禍で、特に大手企業がオンライン研修にシフトしつつあるという現状です。その背景としては
テレワークが浸透しつつあること
→集合する必要がなく、どこでも(自宅だろうが、カフェだろうが)受けられるというのは、受講者にとっても会社にとっても魅力なようです。
コストが抑えられる
→講師が遠方に異動する必要がないので、(特に今日は東京⇔関西でつないでます)その交通費も抑えられる(売る方としては、なんかのお金をいただきたいですけど、まあそんなわけには)
選択肢の一つとして持っておきたい
→うちもオンラインソリューションはこのコロナ禍で始めたのですが、取り回し、ルール作りにめちゃくちゃ苦労しました(いまもしてる)。一度運用してみて、仕組みの構築をしておいて、何か起きたときに必要至急の研修を運用できるようにしておきたい、というのがあるみたいです
研修の効果
これは、講師の皆さん、その大小があるものの、ご苦労されているようです。本来であれば効果を上げるため様々な工夫ができないことがその原因のようです。
受講者の反応がわかりづらい
→いくらビューを変えることができたり、カメラの解像度が上がったとしても、生の反応とはだいぶ違ってくる。集合研修であれば、反応があった内容を掘り下げたり、エピソードが刺さったらその内容をより詳細に伝えたりなどして、少しでも行動変容につながるような工夫をされているのですが、どうしても一方通行になりがち。
受講者の真剣さが落ちている
→そりゃそうだ、と思うのですが、みんなで集まって受講するというのと自分の席や自宅で聞くだけ、となると、集中力や真剣度が変わってくる。自席なら周りの人の様子が気になったり、自宅なら誘惑や家族などの周辺環境からの影響が多かったり。。。俺なら内職するかもしれない。講師曰く、「本来、2~3割の真剣に取りくむ人に伝われば問題ない。その人たちが変わってくれれば、その影響で職場環境が大きく変わってくる」とのことだが、オンラインではその環境を作ることが難しい。
ワークが入れづらい
→各ツールでオンラインでも「グループワーク(GW)」が実施できる機能はありますが(Zoomだったらブレイクアウトルーム)、実際やってみると、これの取り回しがなかなか。。。集合研修では事前に座席を決めたりして、ワークやディスカッションを活性化できる工夫があるのですが、限られた時間で、初めていった会社の受講者で最適なチーム決めをすることが難しい。これに関しては、GWに代わる新しい主体的に考える機会や機能、工夫が必要かも。
以下の記事が非常に参考になりました
今後の展望
オンライン:集合研修=6:4ぐらいになる?
→オンラインは便利だし、低コストで多くの人にインプットを行うのにはとても有効。半面、セリングスキルやヒューマンスキルなどはやっぱり対面の方が工夫で効果があげられる。どちらかに偏ることはないけれども、それぞれに役割がある。顧客の企業規模などから勘案すると、これぐらいの比率になるのかなあと。
工夫ができる講師が勝ち残れる
→ツールの使い方に長けていても、それが(顧客のニーズに合わせて)本当に研修の効果につながる使い方ができないと、2度目に呼ばれることはない。全体の目的、研修を通して何を受講者が達成したいのか、をヒアリングできる、理解できたうえで、必要な工夫ができることが重要。これは集合研修の経験や知見を最大限に発揮できるのかな、と思います。
(最悪、取り回しやツールのうまい利用は、アシスタントをつければOK。どんな機能があり、それを研修内の適切なタイミングでいれるプログラミングさえできれば、操作周りは必ずしも本人ができなくてもよいのかも。)
学びという人間の営みとテクノロジーを活かして、より面白い世界が構築されていく歴史の過程を見ていける、とても面白い時代に生まれたと思います。VRみたいなものがもっと発達して、オンラインでもその場にいるみたいな雰囲気ができるようになったら、とんでもない価値が提供できそうなので、俺じゃない誰かに、そういうシステムを構築してほしいです!(他力本願)