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NoCoffeeとバリアントール

新年早々にユニバーサルデザイン関連のnewsを立て続けに見ました。UDフォントの利用がゲーム業界で広がってきていたり、アクセシビリティ未対応のためにビヨンセさんのウェブサイトが訴訟になっていたりしてエンタメ業界でもそのような対応が求められてきているのだなということを感じていました。
ユーザーの年齢層や国籍などの幅が広いエンタメ業界として、今よりさらに多くの方に楽しんでもらえる環境を整えるという意味で、様々なユーザーがアクセシブルな状態にする必要性は高いです。

まだまだゆっくりではあるかもしれませんが、そのような潮流がきているということでしょうか。

さて、題名に記載した「NoCoffeeとバリアントール」ですが、色覚の確認ツールとして役立ちます。

NoCoffee

まず、No coffeeですが、Google Chromeのプラグインです。様々な色覚のシミュレーションができます。
色覚に障がいがある方は日本人男性20人に1人、欧米男性10人に1人、日本人女性500人に1人、欧米女性200人に1人と言われており、全世界で2億人程度と言われています。
色覚障がいにはP型(protanopia)、D型(deuteranopia)、
T型(tritanopia)、A型(Achromatopsia)と4種類あり、その中でP型とD型の2色覚異常に配慮するこで99%以上の方に配慮できます。
それらの方々は、赤や緑の波長域での色の差を識別しづらいため、この点の配慮が求められます。下記は具体例です。

オレンジ・黄色・黄緑などの組み合わせ
青・青紫・紫・赤紫の組み合わせ
パステルカラーの水色・ピンク・藤色・灰色の組み合わせ
クリーム・うす緑の組み合わせ
特に、P型2色覚では、濃い赤と黒の組み合わせ
特に、D型2色覚では、赤・緑・茶の組み合わせ

ここでNoCoffeeの色覚に関する設定画面の説明を。

[Color deficiency]で色弱の種類を選択します。

選択肢の種類
protanopia: 1型2色覚、第1色盲、赤色盲  (←対象者が多い)
protanomaly: 1型3色覚、第1色弱、赤色弱
Deuteranopia: 2型2色覚、第2色盲、緑色盲 (←対象者が多い)
Deuteranomaly: 2型3色覚、第2色弱、緑色弱
Tritanopia: 3型2色覚、第3色盲、青色盲
Tritanomaly: 3型3色覚、第3色弱、青色弱
Achromatopsia: 色覚異常、色覚障害、1色覚、一色覚、色盲、全色盲
Achromatomaly: 色素沈着症

実際のサンプルはフェンリルデザイナーのブログに載っていますのでよろしかったら確認してみてください。


画像データの確認時の注意事項として、データをChromeにD&Dして表示しても設定が反映されないため確認できませんので、一旦Googleドライブにアップして開いてから見てください。

バリアントール

2つめのバリアントールは、色弱者の色の見分けにくさを一般色覚者が体験できるように開発された特殊フィルタです。眼鏡タイプとルーペタイプがあります。会社にあるものは下記の眼鏡タイプになります。

特徴としては、実際の環境・照明にできるだけ近づけた条件で使用できるため、太陽光や蛍光灯などでの違いなども含めて、体験可能となっています。

活用シーンとしては、商品開発・デザイン時だけでなく、

・色弱のご家族の体験共有
・地図や看板、ポスターなど印刷物の配色チェック
・教育、行政などに従事する方の教育用ツール

などとあります。具体的にはバリアントールの使用例を参照して見てください。

今回は2つほど、カラーユニバーサルデザインのチェックツールをご紹介しましたが、デザイナーの方はPhotoshopやIllusutratorの方が馴染みがあるでしょうか。どのツールでも構わないので色覚チェックされたものを世へ浸透させていきたいです。

最後に、今回の話とは少し異なりますが、新しい技術によって利用可能な状態がもたらされ、楽しみが増えたという事例を紹介をさせていただきます。

昨年のCEATECのアクセシビリティセミナーに登壇されていた弱視の方が、VRでのゲームは映像と目の距離が近くハイコントラストのため、理解しやすくてすごく楽しめるとおっしゃっていました。


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