日記 手続きができる無職/明るい内省
・鬱期の最後に不眠の爆弾が一発きたと思ったら次の日から凪の時期が来た。普通の精神って本当に楽。これに尽きる。
もっと病気が酷かった時は、市役所に行くとか薬局に行くっていう“手続き”がすごく難しくて、苦しかった。怖かった。
年金とか自立支援とか手続きが必要なことは病気になるほど増えて、いつも母親についてきてもらっていた。
病気になる前も転出届とか住所変更とかそういう手続きは行ってきていたけど、病気になってからの苦しさで上書きされ、私は根っからこういうことがてんでダメな人間かと思っていた。
そう何年も思っていたのだが、最近障害者手帳を更新したり銀行印の変更などをすることがあり、ほぼ1人でそれを行ったのだが、こんなもんか、と思った。
別にそんなに嫌じゃないな、って感じだ。
粗大ゴミのウェブ申込もできた。
全人類が嫌いだと思っていたが、“手続き”ってもしかして、平気な人がいる?しかも、その中の1人が自分?と困惑している。
SNSの友人は手続きのための執事を雇いたいと言っていて、その時は確かに〜と思っていたのに、これは裏切りだ。
手続きを恐れる人の気持ちも経験していた分、自分の凄さに驚いてしまう。
みなさん、私は統失ですが、手続きはできます。
・知り合って半年ほどの友人が泊まりにきた。
友人とは毎日一首短歌を送り合う仲なのだが、彼女の底抜けの明るさと真っ直ぐな情熱が、短歌にも発言にも人との接し方にも表れていて、私は彼女が本当に好きだ。
そんな彼女と、「考え事が好き」という話になった。
はじめに「お風呂や散歩などは考え事をする絶好の機会」という内容で共感し合い、「深く考え事ができそうな議題を見つけられたら嬉しい、考え事をする議題を考えるために考える」ということでも共感し合った。
脳内の議題を考えるなんて誰にも話したことがなかったから、まさか同じ人がいるなんて思いもよらなかったから本当に驚いた。
そして本当に嬉しかった。
私の中はいつも議題に溢れていたかったから、議題を考えるってことが少し恥ずかしかったからだ。
私はつい考え事をする時、陰鬱な顔をしてしまうけど、彼女を見てるともっと幸福に考え事がしたいと思う。
哲学も思想も宗教も内省も、暗い人間のためだけにあるものじゃないんだ。