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23. 昭和の「What time is it now ?」

こんにちは。
おやじの左手です。
趣味のひとつとして、1960年代の国産手巻き実用腕時計を集めて
こつこつと修理をしています。
記事の趣旨は、「自己紹介」をお読みいただければと思います。


涼しさを飛び超え、いきなり寒くなりましたね。
急ぎ、冬服を出し、衣替え最中です。
お気に入りの革ジャン他アウターの出番です。^^


前回の記事、
「22. ほっこり、腕時計が織りなす親子模様に乾杯!」

の、続きのお話し。


~~~

ご主人の話を、一緒に横で聞いていた、
ご主人より、10くらい年上、80前くらいの、元気なじいさんが、
この後に続いて、話し始めました。

「ラジオの時報で、針を合わせるなんて、あったねえ。」


「俺のときは、電話の時報で合わせたかな。」

『おお! "117"! ありましたね、懐かしい!』

『ごぜん はち時ご分さんじゅう秒をおしらせします。』 
『ピッ、ピッ、ピッ、ポーンですね!』(笑)


「あの頃の、確かな時間って、」

「電話か、ラジオくらいでしか、わからなかったよな。」

「家の時計も、正確じゃなかったし。」

(そっか、クオーツが出る10年以上前だろうし、
その当時は、壁掛けも、目覚ましも、ゼンマイだったのかもな・・)
と、思う自分。


『ところで、』
『その頃の世間って、時間にどれくらい厳しかったですか?』

「どうだろう、今ほどじゃあないだろうが、」

「皆、決まった時間で、生活していたよ。」

「店の始まる時間とか決まってたし、時間どおりに電車は来るしな。」


『それじゃあ、時計が無いと、安心して外に出かけられませんね。』

「無いと、困ったね。」


「だからさあ、俺も、高くても腕時計を無理して買ったのよ。」(笑)

「するとさあ。」

「外歩いていると、知らない人に、よく、声かけられるんだよ。」


「女の人からも、声かけられたりしてさ。」

「お誘いかと、思うだろ、」




「今、何時ですか? だって。」(笑)

~~~


SEIKO Champion
J14090
1961年7月製造

じいさんの時計、たぶん、こんな時計じゃないかと。
「今、何時ですか?」
『午後6時前ですよ。』


この、元気なじいさんのお話し、
昭和30年後半から40年初頭の話だと思います。
一般庶民が、腕時計をし始めた頃かと。

まだ、
時計をして歩く人も少なく、このような出来事も多かったのでしょうね。

お話しされる方のお歳からも、今しか聞けない話かもと、思った次第。
大事にしたい話です。


「今、何時ですか?」

今じゃ、絶対に、
人に聞かれることも、人に聞くことも無い、フレーズですね。
使うとしたら、
「今、何時っ!」の、「勝手にシンドバッド」くらいかも。(笑)

「What time is it now ?」

も、外人さんに言うことは、ないっしょ。
学生の頃、「掘った芋いじるな」で、英語が通じるとかで、
はしゃぎましたっけ(笑)。
日本語も英語も、どちらも死語かと(笑)。



この元気なじいさんにとって、
腕時計の針を合わせる、「What time is it now ?」の、
お相手が、"117" だったということで、^_^/

電話の時報、"117"。
ちょっと、その歴史を調べてみると。

時報サービスは、1955年1月から開始した「天気予報サービス」に続き、
1955年6月10日(時の記念日)から、テレホンサービス第2号として東京でスタートしました。
それ以降、順次全国に拡大され、1964年3月から、電話番号を"117"に統一し、現在に至っています。

NTT東日本:報道発表より

と、ありました。
今でも、聞けるんですね。
「天気予報サービス」も、懐かしい、"177" でしたっけ。


試しに、スマホから、"117" をかけてみたら、聞けました。

なんとなく、聞き憶えのある声に、懐かしさを感じます。
そして、
昔に聞いた時から、今も止まることなく、ずーっと、続いているのか・・
なんて思うと、とても、感慨深いです。

懐かしいと思う方は、是非、聞かれたらと思います。



先週に引き続き、
人様の思い出話を記事にさせていただきました。
今週は、先週とひと味違った昭和の話だったと思います。

貯めている人様の思い出話も、まだ、いくらかあり、
それを、ここに書くのが、とても楽しくなっています。

また、これからも、
たくさんの方々に、腕時計の話を聞いてみたいなと思っています。

またのお話しを、楽しみにして頂けると嬉しいです。
おつきあいを、ありがとうございました。^_^/
FLH