14. どっちにしよう? 諏訪と亀戸・・
こんにちは。
おやじの左手です。
趣味のひとつとして、1960年代の国産手巻き実用腕時計を集めてはこつこつと修理をしています。
記事の趣旨は、「自己紹介」をお読みいただければと思います。
自己紹介や時計記事に書いてます、骨董市やマルシェの出店、準備中です。
時期や場所について、改めて、別記事を起こしたく考えています。
さあ、頑張ろう!^o^/
さて、手持ちの時計の紹介は、横に置きまして、
ちょっと思った時計会社の話になります。
いっぷく記事みたいな内容、お気軽にお読みください。
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今年5月に、SEIKO Campion 860を、見事に復活させた、
ケーモティックさんが、
次に「SEIKO クロノス」の復活を計画しているお話しを聞きまして。
「クロノス」と言ったら、「時間の神」!
これは、是非とも、神に降臨いただかなねばならぬ!
と、勝手に、コメに<クロノス通信>を作り、これも勝手に、応援しています(笑)。
話は、<クロノス通信>を書いている時に、
「あれ?」と思ったことと、その時に思ったことになります。
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自分、クロノスのムーブメントは持っておらず、「なんか丸かったよね」のイメージくらい。
改めて、アンティーク時計店のHPを検索、写真を見てみました。
いやあ、ヘアラインがしぶい、
テンプブリッジや、輪列受けの曲線もいいですねえ!
重厚感を感じます。
これを見たときです、
「あれ?」
「この曲線、スポーツマン7と似てない?」
って、気がつきました。
スポーツマン独自の、一体となった輪列受けと香箱受けは変わりませんが、そっくり!
「へえ、似てるわ、」
「そういえば、香箱が共用できると、調べたような・・」
と、思い出したところで、さらに、
「あれ?」
諏訪と亀戸・・
スポーツマンは諏訪製造、クロノスは亀戸製造。
「なんで、似てるの?」
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昔々、セイコーの社史みたいな資料を読んで、
自分が持っている、精工舎の諏訪と亀戸のイメージは、
ざっくりとこんな感じです。
読む前は、諏訪と亀戸って、
お互いに、セイコー傘下の工場のように思っていたのですが、
読んでみたら、
諏訪:諏訪精工舎(長野県)
亀戸:第二精工舎(東京都)
このふたつ、セイコーから見て亀戸は子会社っぽいけど、兄弟会社でも、子会社でもなかったみたいです。
それぞれが、独自に産声を上げ、独自の生き方をしていたよう。
だもんで、ある意味、セイコーブランドながら、
ライバル会社でコンペチタ。
販売時計の顧客ターゲットも、見事にぶつかっています、
例えば・・
諏訪 亀戸
スポーツマン VS チャンピオン
クラウン VS クロノス
グランドセイコー VS キングセイコー
他もVSだらけ、
よくあるマンガのバトルや、柔道の団体戦みたい(笑)。
車みたいに、エンジンやシャーシは共有して、ボディを変えて車種を増やすようなこともせず、
お互いにイチからの、独自開発、独自設計。
となると、
設備もニ倍、開発費も二倍、人件費も二倍・・
ニバイ、ニバイ・・(by 高見山:古いCM!)
生産工場がふたつあってもよしとして、R&Dはひとつでもいいような。
品質も統一できないし、普通に考えたら、もったいないような。
素人考えですが、
開発から生産、出荷のリードタイムは、早いとは思います。
また、
このような、両舎の切磋琢磨が、今のセイコーの技術力を作った、
と、雑誌や何かのサイトに書いてあった記憶もあります。
これが、トップの戦略だったとしたら、
市場と先見を見る目の視力、3.0 以上はあるかと(笑)。
そのような背景から、自分のイメージでは、
諏訪と亀戸は、犬猿の仲。
相まみえることはなかった、ライバル。
と、勝手に思っていたところ、
スポーツマン7とクロノスが、そっくりに気がついての「あれ?」でした。
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スポーツマン7は、1950年代後半の製品だったかと。
もしかしたら、亀戸で作られてたのかな?
もしかしたら、その頃はまだ、
諏訪と亀戸は、お互いに協力し合う間柄だったのかもしれないですね。
「このデザインけっこういかすよ、クロノスも似合うんじゃない?」とか、
『なに? スポーツマンのテンプないの? じゃ、コレ使ったら』とか(笑)。
ですが、1960年代に入り、高度経済成長にドライブがかかると、
需要増、輸出増、短納期、利益最優先、顧客の囲い込み・・
先進工業国化に向けた、国の介入・・
その押しも押されぬ見えぬ力に、諏訪と亀戸も巻き込まれたのかも。
高度経済成長という魔物が、お互いの競争を煽り、嫉妬を煽り、
気を許したら喰われてしまう、猜疑心や敵対心まで生ませてしまったのかもしれません。
幼馴染のふたりが、時代に翻弄されて、血で血を洗うライバルになる。
これも、マンガや小説でよくありそうな話。
激動の時代が、ふたりの仲を引き裂いた・・ ドラマですねえ。
私たち消費者は、モノ買って、ただ、喜んでますが、
セイコー含め、当時の大企業、大会社は、どこもこんな感じだったのでしょうか。
ふと、思った、
ちょっとひねくれた見方をした、勝手な想像話でした。
当時の関係者に聞いたら、簡単に、
「仲よかったよ、お友だちってとこかな」
「喧嘩? そんなことしたら、服部金太郎さんに怒られちゃうよ」
なんて、答えられて、ちゃんちゃん♪、かもしれませんが(笑)。
まあ、どこを切り取っても、腕時計って奥が深いです。
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>私たち消費者は、モノ買って、ただ、喜んでますが、
腕時計のバトル!
当時のおやじさんたち、セイコーだけでも、
ショーケースに並んだ、腕時計を見くらべて、
どっちにしよう?
って、悩んだでしょうね。
諏訪と亀戸は、知っていただろうか?
当時に知っている人は、少なかったように思います。
知ってたら、飲み屋で、お互いの左手を見せ合って、
「諏訪がいい!」 、『亀戸がいい!』って、
バトルしたことでしょう(笑)。
話にまったく脈絡がありませんが、
中一か中二の時、
友達に「ナッキーがいい!」って、やつがいて、
(ナッキー=榊原郁恵さん/ナッキーはつむじ風)
『いやいや、俺は、コメットさんがいい!』
(コメットさん=大場久美子さん/2代目コメットさん)
てなって、バトル・・
じゃなくて、
2人で仲良く自転車飛ばして、浅草のマルベル堂に行ったなあ(笑)。
壁に並んだ、アイドルのブロマイドを見くらべて、
どっちにしよう?
って、悩んだものです(笑)。
FLH