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18. 新社会人の左手に・・  salvia('70)

こんにちは。
おやじの左手です。
趣味のひとつとして、1960年代の国産手巻き実用腕時計を集めてはこつこつと修理をしています。
記事の趣旨は、「自己紹介」をお読みいただければと思います。


今回は、ちょっと趣向を変えて、レディース時計。


SEIKO Salvia
型番:1104-0031  Cal:1104A  21石  5振動(毎時18,000振動)
ケース径:22.9mm(リューズ含まず) ラグ幅:11mm   
1970年4月製造(S/Nより推測)


一部、マスクしています。

レディース手巻き時計。

ゴールドケースで、アラビア数字のアップ植字、
レディースながら、視認性もよく、
ビジネスにもカジュアルにも使える、シンプルでいいデザインだと思います。


この時計。
メンズとレディースの違いを自分の目で知るべく、数年前になにげに購入。
分解、組み立てをしました。

そのインプレッションは、
なんと言っても、部品が小さ過ぎ!
カンヌキバネなんて、もう、そこにあるんだか、ないんだかの世界。
組み立ては、メンズの数倍の時間がかかりました。

生半可な気持ちで、レディースに手を出しちゃいけないですね、
心身ともに爆発します、気が狂います(笑)。
ストレス度合、ハンパ無し! 
たぶん、寿命が 3ヶ月ほど短くなったと思います(笑)。


あたり前ですが、構造はメンズと同じです。
けど、小さい! 
小さ過ぎます!
つくづく、時計士の方は素晴らしいと思います。



話は、変わります。

今までの記事で、マルシェや骨董市に出店する言葉を書いていますが、
昨年末に、一度、某マルシェで出店させて頂く機会がありました。


早いもので、もう、8か月前になるのですが、
今年のお正月に、親戚一同と食事をした時、
今年、大学卒(今は社会人)の親戚の娘さんに、
その時のマルシェの写真と、レディースで出品したい時計を見せたところ、
この、「サルビア」が 可愛い!と、一目惚れ。


出店について、いろいろとアドバイスもくれてるので、
「じゃあ、就職祝いに、プレゼントしようか」という、約束をしました。


プレゼントするからには、長く使ってもらおうと、
空き時間を使って、また、バラして洗って注油して組立てて。
(2度目でも、気が狂います(笑))
4ヶ月ほど前に、「ベルトは好みがあるから、お父さんに買ってもらって」と伝え、
完成品をプレゼントしました。


そして、2か月ほど前、
彼女の父親経由で、新しいベルトがついた写真が届きました。
ブラウンのクロコ型押しのベルト、金色のサルビアが更にエレガントになっていました。
お礼の言葉からも、大事に使ってくれそうです。


昭和レトロブーム、
もう十年以上、続いているんじゃないでしょうか。
いまだにその勢いは止まらず、惹きつけるものがあるんですね。

彼女、アパレルブランド関係のメーカに就職、大学の専攻もその道なので、
現在や将来の流行りの知識と眼力は持っていると思います。
ファッション的な目線からの一目惚れ、
サルビアを使った自分なりのスタイルで、
いろいろなコーディネートを楽しんでいることかと。


古のモノから、最新のモノまで、
なんでも手にすることができる、今の時代。

そんな中で出会った、54年前の腕時計。
彼女のお父さん、お母さんより、年上の腕時計。
今、社会人としてスタートしている女性の左手で、新しいベルトをまとって時を刻んでいます。

彼女とサルビアが、どんな活躍をしているか楽しみです。
4か月後のお正月に、聞いてみたいと思います。


<PS> 
ベルトを買った時計屋さんが、「物持ちが良い」と驚かれたそうです。
よっしゃあ! 俺!
寿命を半年縮めた甲斐がありました(笑)。

あと、
壊れたら面倒を見るとも伝えています。 
また、寿命が縮むかもしれないなあ(笑)。


*****

○1970年(S45)の出来事、流行(ネットより抜粋)
・日本万国博覧会(大阪万博)開幕
・マクドナルド日本1号店が銀座にOPEN
・アポロ13号打ち上げ
・日本初の歩行者天国が銀座、新宿、池袋、浅草で実施
・流行歌
黒猫のタンゴ(皆川おさむ)、圭子の夢は夜ひらく(藤圭子)、ドリフのズンドコ節(ドリフターズ)
・映画
サウンドオブミュージック、女王陛下の007、続・猿の惑星
・ヒット商品
ボーリングブーム、あしたのジョー、いなかっぺ大将、トヨタセリカ
・おおよその大学卒初任給  31,510円
・物価
映画:700円、ラーメン110円、週刊誌:70円、牛乳:25円、かけそば:100円

FLH