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11. 背中にある誇り・・ 

こんにちは。
おやじの左手です。
趣味のひとつとして、1960年代の国産手巻き実用腕時計を集めてはこつこつと修理をしています。
記事の趣旨は、「自己紹介」をお読みいただければと思います。


毎週土曜夜、好んで見ていたブラタモリが終わり、「あ~あ」と思っていたのですが、
その後、間欠的に放送されるプロジェクトXの再放送、いいですねえ。
これが、日本の底力なんだろうな、と思います。

いつもの時計の紹介は置きまして、
腕時計から、日本の底力、高度経済成長期に想う話など。


一部マスクしています

1960年代の実用腕時計を集めていると、時々、裏蓋に刻印がある腕時計に出会います。
**大臣賞や、勤続や創立の記念など。
合わせて、イニシャルやローマ字の名前入りもありました。


確かに腕時計に名前を入れるのは、今でもショップやメーカでやってます。
ただ、会社名からの刻印、ましてや**大臣の刻印なんて、今は、ほとんど無いのではないでしょうか。

実用腕時計が、当時の社会に大きく関わっていたことが、見て取れます。


一部マスクしています

漢字フルネームや、イニシャルだけの刻印裏蓋もありました。
個人的な贈答品でしょうか。


当時に働く方々にとって、腕時計は貴重品。
現代以上にもらって喜ばれる品だったんだなあ、と思います。

頑張って、貢献して、認められて、評価をされて・・
会社や関係機関、家族や友人からもらった時は、さぞかし、嬉しかったことでしょう。

もらった翌日から左手にして、颯爽と街を歩かれたかな。
奥さんや子供たちに見せびらかしたかもしれないな、なんて思うと笑みが出ます。


贈る側も、大盤振る舞い、「創立**周年記念」なんて、社員全員に贈ったのでしょうか。
実用腕時計とはいえ、当時の初任給の1/4くらいはするお値段。
高度経済成長期って、今では想像できないくらいの勢いがあったんですね。


~~~

今までの記事のとおり、
実用腕時計から、当時の先輩方の生活や生き様を勝手に想像する自分。

裏蓋の刻印から、いろんなことを想像するのは、易いのですが、
会社名やイニシャルなど、あまりにもパーソナル過ぎ。
勝手な想像をしては、とても失礼なので、想像することは止めにしました。


当時の会社員やサラリーマンを思うと、
「企業戦士」「会社人間」「モーレツ社員」なんて言う、
辛辣な言葉が、真っ先に頭に浮かびます。
1980年代の流行語ですが「24時間、働けますか?」なども知らずに、
地で24時間を働いていた方々。

刻印のある腕時計をもらった人たち、こんな人たちだったのかなあ。
と、裏蓋を見ながら、思った時があります。


1960年代、高度経済成長期・・

ちょうど今、ネトフリで、
WOWOWで放送してたらしい、ドラマ「華麗なる一族」を観ています。
1960年代後半からのストーリーですが、人間の愛憎劇と並んで、
高度経済成長期を生きる銀行の「喰うか喰われるか」も、大きなあらすじ。
トップダウンの重圧に、支店長が過労死する場面もありました。


がむしゃらに働く事を否定するつもりはありません、
働けば働くほど、どんどん生活が良くなる期待感に溢れた時代。
会社や仕事から考えると、辛辣な言葉とおりの時代だったのかもしれません。

けど、
私の親が、子供の私に見せた笑顔のように、辛く苦しいことばかりの時代ではなかった、と信じたいです。
自分は、これら腕時計を通して、そのような笑顔の方々と会話をしたいと思っています。


もう、あなた方の背中にしか、声をかけることができませんが、
もし、受賞された方々にお話しできるのなら、

「大賞の受賞、永年勤続賞、貢献努力賞 をおめでとうございます。」
「この受賞があなた方の、それまでの生き方の誇り になりましたことと、」
「心から祈ります。」

と、お伝えしたいです。

名誉ある武勲があった記録であることは間違いなく、
それを、無駄にはしたくなく、
これらの時計は、おおかたパーツ取りになりますが、大事に使いたいと思います。



そうそう、このような刻印、実用腕時計だけかと思っていたのですが、
昨年、ある骨董市で刻印のあるKSを見ました。

KSもらえるくらいなら、よほどの事を成し遂げたんじゃないかと。
まさか、懸賞じゃないよね(笑)。

辛辣に言われる時代の中、自らの力で獲得した、キングセイコー!
こりゃ、嬉しさキングスライム級!

KSを左手に、
颯爽と以上に、誇らしく堂々と胸を張って街を歩いたことでしょう。
拍手を送りたいです。


近いうちに、もうひとつの裏蓋の話を記事にしたいと思います。
こりゃまた、すごいことを成してます!

FLH

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