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ローグライクハーフ d33シナリオ『太陽の墜ちた村』
ローグライクハーフ d33プレイヤー作シナリオ『太陽の墜ちた村』
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このシナリオはローグライクハーフ d33システムを使用した一人用TRPG、またはソロで遊べるRPGです。下記アドレスにて基本ルールの参照、主人公キャラクターの作成を行ってください。
基本ルール 公開配布URL https://ftbooks.booth.pm/items/4671946
書籍版 https://ftbooks.booth.pm/items/4671945
wiki https://ftbooks.xyz/ftwiki/index.php
ライセンス表記その他
![](https://assets.st-note.com/img/1693532258942-vCkk4jhe77.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1693532307858-KathmTdts1.png?width=1200)
・ジャンル:ファンタジー
・レベル:10−13
・難易度:普通
・形式、:シナリオ(d 33)
・世界:共通世界(アランツァ)
・このシナリオを遊ぶために用意するもの
サイコロ(スマホのアプリとかでも大丈夫)
筆記用具(鉛筆、消しゴムなど)
メモ用紙(ノートなど何でもOK)
冒険に便利な記録用用紙についてはローグライクハーフ公式boothやwikiページをご覧ください。勿論自分で作ってもOK!
★今回のシナリオはd33システムで遊びます。6面サイコロを使用される場合は出目の対応が必要となります。
例:出目1、2→【1】、出目3、4→【2】、出目5、6→【3】として扱うなど…
・シナリオの進め方
d33を振り、出目表(イベントタイル)を参照し進みます。
・1ー4枚目……出目表に対応した〈できごと〉が発生
・5枚目……〈中間イベント〉
・6ー7枚目……出目表に対応した〈できごと〉が発生
・8枚目……〈最終イベント〉
このシナリオでの冒険は一本道モードのみの一周限定シナリオです。同じマスは一度しか通れません。
★戦闘等その他は基本ルールを参照してください。
・「太陽の堕ちた村」特別ルール
ダンジョン内の冒険ではないのでランタン持ちを連れていなくても問題はありません。
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プロローグ
太陽の陽射しは柔らかく、サラザール地方の高原地帯にあるこの村は、別名「ひまわり村」とも呼ばれ初夏には爽やかな光景が広がっている。…はずだった。
この地を旅するあなたたちは、あまりの暑さに水を一杯分けて貰おうと近くの民家を訪ねる。震える手でカップを持つ、民家の主は言うのだった。
「本当は我々も喜んで分けてあげたいのですが……」
村の井戸は枯れ、小山の向こうから引いている手押しポンプからもお湯しか出ないのだ、と。
聞けばひと月前から、この村の周辺では異常な程に暑くなり、水が干上がってしまった。穀物も満足に育たず、人肌程度に冷ました湯に芋の粉を溶かしてを飲む生活だという。今ではこの老夫以外の村民はほとんどが麓の街へと避難をしてしまったようだ。
「そう言えば」主はふと思い出したように話し始めた。
「少し前からあの小山の向こうが夜になっても明るくて。私はどうにも、太陽が墜ちてきたのかと」
小山の向こうには水源池があるらしい。あなたたちは温い白湯の礼をいい、汗を拭いつつ足を伸ばしてみることにした。
・今回の冒険の目的
高原にある避暑地として有名だったひまわり村の、突然の猛暑の原因を突き止めて解決しよう。
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★d33 表★
出目11〈炎雷鳥〉
出目12〈暑気払い〉
出目13〈はぐれドワーフのシメ爺〉
出目21〈ファイヤワーム〉
出目22〈ラクダを連れた旅人〉
出目23〈あばれ火牛〉
出目31〈つむじ風〉
出目32〈静かな洞窟〉
出目33〈イルバイトゴーレム〉
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出目11〈炎雷鳥〉ほのおらいちょう
出現数:1d3+3 レベル:2 宝物:なし
≪反応表≫ 1-2【逃走】 3-6【敵対的】
炎雷鳥は【鳥類】に属するクリーチャーである。
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ニワトリ程の大きさで、群れで現れる。見た目は可愛いのだが気まぐれな性格で、敵対してしまうと囲まれて突付かれてしまうので注意が必要。
出目12〈暑気払い〉
村から少し離れた場所に真新しい小屋が建っていた。
訪ねてみると、この周辺のノード帯を研究しているという人物が住んでいた
「飲んでみなよ」
渡されたのは麦芽飴とスパイスを湯で割った物。大ぶりの氷が入っており、甘くエキゾチックな風味がした。心なしかさっきより涼しく感じる……。
「私は『氷槍』の魔術を使うことが出来るんだ」
偉い人には内緒にしてね? 魔法使いは悪戯っぽく笑った。
★【暑気払い】のマスを通ったことを覚えておこう。
出目13〈はぐれドワーフのシメ爺〉
レベル:2 宝物:不明
≪反応表≫ 1-6【ワイロ】※1体につき食料1個、又は指定の物。
崖下を注意深く覗き込むと、ギラリと日光に照らされ光るモノが見える。
下に降りれそうな場所を見つけ、滑らないように慎重に降りていくと、川から武器を引き上げて並べているドワーフがいた。
→あなたがその武器に見覚えがある場合は[A]を読む。
→武器に見覚えがない場合は[B]を読む。
[A]
えっほえっほ。ドワーフは自慢の髭が濡れることも厭わず、川の中から武器を引き上げていた。……間違いない、自分たちの武器だ。あなたはドワーフに声をかける。
「なんだい?藪から棒に……これは俺が拾ったもんだい?アンタらのモンだっちゅう証拠はあるんかい?」
あなたたちが困った顔をしていると、ドワーフは「むふぅ」と息を吐いた。パイプ草の匂いがむわぁっと漂う。
「まぁ俺も別に意地悪するつもりは無いんだい。……ほれ」
手を突き出してくる。……どうやらワイロの要求のようだ。
はぐれドワーフのシメ爺に食料を渡すと落とした武器を返してもらえます。なお返してもらいたい数分の食料を渡す必要があります。また、食料の代わりに持っている場合は「宝石」を渡しても良いでしょう。その場合は1個で全員分返してもらえそうです。
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[B]
「なんだい?これは俺が拾ったもんだい?鍛え直して売るのも良いもんだい」
あなたたちが困った顔をしていると、ドワーフは「むふぅ」と息を吐いた。パイプ草の匂いがむわぁっと漂う。
「アンタらの武器も鍛えてやってもいいんだい」
手を突き出してくる。……どうやら作業代の要求のようだ。
はぐれドワーフのシメ爺に「宝石」を1個渡すと主人公の武器(飛び道具以外)を鍛えてもらえます。鍛えられた武器での攻撃は攻撃ロールの数値に「+1」の修正を行います。
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「これよ、これこれ!ニシシシシ」
シメ爺は上機嫌で自分の隠れ家にしている小さな穴倉へとすっ飛んで行った。早めにこの場を立ち去ろう。戻ってきて次なる賄賂を求められない前に……
出目21〈ファイヤワーム〉
出現数:1d3+2 レベル:3 宝物:-1
≪反応表≫ 1-2【逃走】 3-6【敵対的】
ファイヤワームは【虫類】に属するクリーチャーである。
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足元がゴボゴボと崩れ始めたら要注意。下にはファイヤワームが潜んでいるかも知れない。すり鉢状に地面を崩し、落ちてきた哀れな獲物を狙う。
出目22〈ラクダを連れた旅人〉
ラクダと人間が木陰で休んでいる。
聞けば問題があり、ここでしばらく野宿をしているのだという。
「誰か腕に覚えのある奴さえ来ればなぁ……」
あなたがこの小山を越えて猛暑の原因を突き止めようとしていることを話すと、彼はとても喜んだ。ラクダの背にある小さな藤籠から小瓶を出して渡してくる。
「これを持っていきなよ、絶対に役に立つからさ」
人の良さそうな顔をした彼はウィンクして白い歯を見せた。
★道具【耐火のポーション】を手に入れた。
耐火のポーションは複数所持していても一度しか使用できません。
出目23〈あばれ火牛〉
出現数:1d3 レベル:3 攻撃回数:2 宝物:通常
≪反応表≫ 1-6【死ぬまで戦う】
あばれ火牛は【動物】に属するクリーチャーである。
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両角に火が付いており、彼らは苦しみから逃れようと必至なのだ。元は村の近くで飼われていた家畜なのかも知れない。
出目31〈つむじ風〉
レベル4 対象:1d3人(主人公+あなたが対象を選べます)
温められた空気が突然渦となって吹き荒れ、あなたたちに襲いかかる。
無事に先に進めるか、対象の人数回分、判定ロールを行います。
4以上で成功、失敗すると吹き飛ばされて、持っている武器(飛び道具以外)を崖下を流れる川へと落としてしまいます。
出目32〈静かな洞窟〉
レベル4
洞窟を見つけた。
足を踏み入れると外より幾分か涼しく、少し休んでいくことにした。
生命点を1回復する。
出目33〈イルバイトゴーレム〉
出現数:1 生命点:6 レベル:4 宝物:+1
≪反応表≫ 1-2【沈黙】(逃走と同じ) 3-6【壊れるまで戦う】(死ぬまで戦うと同じ)
岩石から造り出された巨大なゴーレムです。動かずにいるとただの岩の塊に見えるが、体内には溶岩が流れていてその熱を動力としている。また溶岩弾を発射して攻撃することもある。
イルバイトゴーレムの体は岩石で出来ているため、攻撃が通りにくい。軽い武器(弓矢、スリング等を含む)による攻撃はロールの数値に「-1」の修正をする。
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天然岩そのものの素材の味を生かした、ずんぐりとした無骨なゴーレム。顔と体に当たる部分は大きな一枚岩で造られている。制作者は不明。
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![](https://assets.st-note.com/img/1693533110378-JbbyddwTwe.png?width=1200)
宝物表(1d6で決定)
出目1【食料】1個
出目2【宝石】1個(売値:1d3×10金貨)
出目3【宝石】1個(売値:1d6×10金貨)
出目4【食料】2個
出目5【耐火のポーション】1個
※複数所持していても一度しか使用できません。
出目6【耐火のポーション】1個
※複数所持していても一度しか使用できません。
出目7以上【片手武器】1個
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★魔法の宝物【謎の卵】1個(売値:???)
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中間イベント
〈ヴォルカンノーム〉レベル3
流れる溶岩の髪を戴き、体を燃やす小さな何かがいる。おそらくは精霊であろう。これ以上近付くとこちらの肌まで焼けそうだ。
ヴォルカンノームは人間に興味がないようで攻撃はしてきませんが、そこにいるだけでとてつもない熱を放出しています。
無事に横をすり抜けて先に進めるか、判定ロールを行います。4以上で成功、失敗すると成功するまで生命点が「ー1」ずつ減ります。
道具【耐火のポーション】を使用する場合や、暑気払いのマスを通った場合は全員の判定ロールの数値に「+1」の修正をする。この効果は重複する。(最大で「+2」の効果を得る)
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ヴォルカンノームは良質なノードを探していた。ノード帯としてはこの地は優秀だが、彼ら彼女らの好みには合わない。暑いがここは火山地帯ではないのだ。やがてどこへともなく消えてしまうだろう。
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最終イベント
〈墜ちた太陽 マグドレイク〉
レベル:5 生命点:6 攻撃回数:2 宝物:魔法の宝物
小山を越えると老夫の言う池があった。しかし池はポコポコと湯立ち、温泉と化したそれには先客がいる。翼を閉じ横たわる姿からは脅威はそれほど感じられない。恒星は死の寸前に一層と輝くという。その竜が首をもたげた瞬間、光が爆発した。
【堕ちた太陽マグドレイク】は【氷】及び【炎】に強いため、氷や炎による攻撃や呪文を行う場合には【判定ロール】の結果が「ー1」されます。また【気絶】の呪文は効果がありません。
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マグドレイクは0ラウンド目に遠距離攻撃の「火焔ブレス」攻撃を行います。対象は味方全員、1人ずつ判定を行い、【回避ロール】5以上で回避に成功します。回避に失敗した場合は生命点が「ー1」され、また木製の盾を使用している場合は燃えて無くなってしまうでしょう。
道具【耐火のポーション】を使用する場合や、暑気払いのマスを通った場合は全員の回避ロールの数値に「+1」の修正をする。この効果は重複する。(最大で「+2」の効果を得る)
1ラウンド以降は爪や牙による攻撃になります。この攻撃は【斬撃】の特性を持ちます。
マグドレイクの生命点を0に出来ればあなたの勝利です。→エンディングへ
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マグドレイクは本来火山地帯に生息する、走ることが大好きな竜の眷属である。しかし病気か怪我か、はたまた呪いなのか。今まさにこの個体の命は燃え尽きようとしているのだった。
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エンディング
「……ギャアアアアン!」
あなたは見事マグドレイクを打ち倒した。燃える灰となって消滅する、その陽炎の向こうにあなたはあるものを発見する。卵だ。おそらくはマグドレイクの卵であろう。手に抱える程の大きさをしたそれは小さく震えたかと思うと、中から「ピィ」と小さく鳴き、赤い嘴が見えた。
「おぉ…それは幼竜ですか!」
老夫は目を見開き、あなたの話を一通り聞くと話し始めた。
「きっとあの池はマグドレイクの抱卵地だったのでしょうな。龍族は極めて長命、そして希少種。故に短命の人間はそれを伝えきれず、私どもの祖先はここに村を作ってしまった。なに、龍族は自分の死期を悟ると卵を産む、などと噂されることもあります。あなたは自分のなされたことを気に病む必要はありませんぞ」
2人で話し合い、マグドレイクの幼竜はドラゴン専門の研究所に託すことにした。少しだけ調査をした後、幼竜は龍族の棲む森へと帰されるらしい。
—ひまわりの咲く丘を、またいつか赤いドラゴンが駆け抜けるだろう。出来るだけそれが遠い未来の話であるように願った。
▶︎おめでとう!無事、暑気払いに成功した君は経験点を1獲得した。
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「ローグライクハーフ d33プレイヤー作シナリオ『太陽の墜ちた村』」
作:藤原蚕子(X@f_sangyou)
special thanks:T&Y