週に一度、会って話して見えてきたこと|ジェーン・スー&堀井美香 対談 1/3
Podcast番組「OVER THE SUN」も大人気のコラムニストのジェーン・スーさんと元TBSアナウンサーの堀井美香さん。おふたりに聞くと「特に話すテーマは事前に決めていない」という同番組は、9月には配信100回目を迎え、リスナーからのお便りもますます多く寄せられています。話すこと、ともに語らうことーーそこで生まれたおふたりの関係やご自身の変化とは? これまでの配信を振り返りつつ、お話を伺いました。
文/アケミン 写真/高見知香
週に一度、ここに来れば必ずおしゃべりできた
ジェーン・スー(以下、スー)「OVER THE SUN」はコロナ禍で始まったよね。ステイホームで外出もままならない時期に、週に一度スタジオに来れば必ず美香ちゃんとおしゃべりできた。これがわたしとしては、とてもありがたかったですね。
堀井美香(以下、堀井)ほんとにね。そして9月には配信100回目を迎えたなんて。ひとえに聞いてくださっている互助会メンバー(番組リスナーのこと)のおかげですよね。
堀井「OVER THE SUN」の収録では、スーちゃんと掛け合って話していくうちに、自分のなかにあるモヤモヤが少しずつ言葉になって「あ、自分はこんなこと考えていたんだ!」とハッキリと形になっていったことが何度もありました。
スー 話して言語化していくことって、すごく大切な作業だよね。
“一見くだらないおしゃべり”が実は必要なわけ
堀井 この番組は、あらかじめテーマも決まっていないし、リスナーさんからのお便りをきっかけに、話が思わぬ方向に転がっていったこともたくさんありましたね。
スー ときにくだらないと思える話でも、人と人との"温度"を感じたり、ぬくもりのある会話をわたしたちが続けていった。そしてその様子が、結果としてたくさんの方に聞いてもらえた。
そう考えると会話の内容そのものが有意義かどうかって、実は大した問題ではないのかも。とくにコロナ禍では、友達とのくだらないやりとりって、なかなかできなくなってしまったよね。
堀井 わたしたちのおしゃべりが誰かの役に立っていたとしたら、ありがたいことですよね。
スー すぐに役に立ったり、内容のある話をすることが"成長"とか"学び"だと思われがちだけど、必ずしもそうとは限らないんだよね。たまにこの番組でも話すけど、一見するとムダに見えることって実は今の時代、すごく必要なのかもしれない。
堀井 なにか有意義な議論をするだけが、「話す」こととも限らないですよね。
スー まぁわたしたちの話はくだらなくて申し訳ないですけど(笑)、これからも温もりのある会話を続けていければと思いますね。