魔法の杖
なにをそんなに握りしめてるの?
ひとつずつ選別して
そっとそっと手のひらを広げてゆく途中で
これは心地よいからと
大切にもっているもののなかに
『転ばぬ先の杖』だと気がづいたモノがあって
心地よいと観じたのは
これがあったらもしもの時に安心だからで
わたしの今に必要なモノではない
そんなふうにして
少しずつざわつくモノたちを手放してゆくとさっきまで握りしめていたモノたちの中にも
その杖は何本もあって。
削ぎ落としてゆくと
ざわつきは静かになり空間が生まれる
空間は自由
使うかもしれないからと持っていた杖をココロの安定と引き換えに握りしめていたのは
実は空間を埋めて創造する間もなくなっていたことがわかる
微細なちがいで
それは一見『好き』とにおわせる
1つ見つけたらそんな杖がいろんなところから発見される
だって安定は大切だと思っているから
なにをそんなに恐れているの?
それは未来への不安ではなく
恐れるココロが今 ただ大きくなっているだけ
ほら
空間はそんなふうにしてなにかを掴ませてくれる
恐れというマヤカシの煙からチョコンと顔が出る
なにかから覚めたように。
思い起こせば予備の予備を用意することがなにかしら好きだった大昔を
ふと思い出す
これをもっていたら
もしもの時にこの杖を振れば困ることはない
悲しいことが起こっても笑っていられる魔法の杖だと
転ばぬ仕様の杖は魔法仕様ではない
自由な空間で魔法仕様の杖を振って拡げでゆきたいと創造する
断捨離からの気づき