見出し画像

中絶は結局のところ当事者にしか理解できいない

2022年に私は妊娠5ヶ月で中期中絶をしました。

今だにそのことを引きずって精神状態が不安定になることもあります。

中絶してからは周囲の人にはほとんど話しておらず、家族と親戚が知っている状態です。

私が周囲に話さない理由

未婚の状態で妊娠したので、本当に限られた人にしか妊娠を告げていませんでした。

妊娠を報告した友人から、もう出産したのかという連絡が来ても、流産してダメだったと伝えています。

私が周囲に話さない理由は、例えば私が逆の立場になった時に、どんな反応をしたら良いのか、慰めたら良いのか、励ましたら良いのかわかりません。

実際、慰められても辛いし、次また機会があるよなんて言われて励まされても、やっぱり辛いことには変わりないからです。

中絶のことを本当に伝えたかった友人にはあえて手紙で伝えました。SNSで伝えると相手もすぐ反応しなければならないし、直接口で話すのも私が辛かったのです。

手紙を送った後、その友人から何か言われるのではないかと不安になりました。

その友人はシンママ(シングルマザー)で、学生をしながら1歳の子供を育てています。

彼女も未婚のまま妊娠し、相手は色々と理由をつけて逃げましたが、彼女は出産という選択をしました。

友人からはしばらくしてから、中絶自体には触れず、今体調は大丈夫?という一言でした。

私はそれでよかったと思いますし、手紙を送った後でも今までと同じように他愛のない会話をしています。

自分が周りにどう見られようとも、話したらきっとこの心のモヤモヤが晴れるのかもしれません。

でも、中絶は一般的にはマイナスなことなので、中絶したことを周囲に伝えることはしない方がいいと思います。

家族の反応

私の両親は私が中絶したことについて術後は何も触れてこないし、私が話さない限りは話題にしません。もちろん赤ちゃんの父親のことも。

私が泣いていても特に何も言うことはありません。

多分両親に何か言われたら、私は両親に対して当たり散らすのだと思います。

だから家族のこういった反応は正解だと思います。

隣の芝は青く見えるが…

アラサーの私の周りの女の子たちは結婚・出産ラッシュ。

キラキラの結婚写真や生まれた赤ちゃんの写真がSNSに上がってきたり、直接写真が送られてきたり、そういういわゆる他人の「幸せ」に触れることが多くなってきました。

素直に祝福したいし、実際お祝いのメッセージや贈り物をすることもありました。

ただ、一瞬フッと自分が中絶したことや「幸せ」であるはずの結婚ができなかったこととのコントラストが私の気持ちを底へ底へと引っ張っていってしまいます。

「幸せ」真っ只中の人に中絶したことなんて言えませんしね。

そして、私も人並みに結婚も出産もしたかったのだなということをまざまざと感じてしまうのです。

友人たちの「幸せ」な場面を見聞きしながらも、実際本当に幸せなのかどうかはわかりません。本当は大変なこともあるだろうし、辛いこともあるだろう、独身の私の方が羨ましいと思ってるかもなと想像します。

隣の芝は青く見える。

気持ちが沈んでいる時にはよくこの言葉を思い出すようにしています。

結局のところ、当事者にしかわからないということは、結婚出産など全てに当てはまることなのかなと。



いいなと思ったら応援しよう!