
【観劇記録①】『まほろば』
演劇が好きと言いながら、作品の感想や考えたこと、受け取ったことを、ほとんど言葉にしてこなかった。もともと自分の内側を言語化できるようになるためにnoteを始めたのだ。このままではいけない。書いてみることにする。
上手くいかないかも。とんちんかんなことを言ってしまうかも。でも、それでも今、その時の私が受け取ったものを大切に記録しておきたいと思う。
2025/1/18(土)@穂の国とよはし芸術劇場PLAT 創造活動室B
演劇プロデュース集団drama theater 第7回公演『まほろば』
ずっとずっと観に行きたいなあどうしようかなあうーーーんってして観られていなかったドラマシアターの作品をやっっと観に行くことができた。(drama theaterなのか、ドラマシアターなのか、どっちで書くべきなのかわかっていないのが良くない。)
今作品には、(ジェシカ)こと鎌倉慶香さんと山田梨央さんが出演されている。お二人とも25年3月にわたしが出演する舞台のお仲間で、(ジェシカ)さんは作・演、梨央さんは出演。という縁で今回観劇に行った。
会場は小さい。座席数をなんとなく数えるくらいの余裕があったら良かったのだが、あんまり覚えていない。この部屋で行われる作品はだいたい30数席。今回も30〜40席くらいだったんじゃないかと思っている。満員だった。
そんな小さな舞台の上手から上を通って下手までタフロープみたいな、スズランテープみたいなものが張り巡らされていて、上下奥の方に襖。床には畳?ござ?が敷かれて、真ん中に座卓。畳の周りは白い石が敷かれていた。
観劇中、舞台美術のことまで考えながら観ていられなかったのが、まだまだだなポイント。
観終わった今、ロープは蜘蛛の巣のように思える。一度捕まったら逃げられない蜘蛛の巣。
昔から続く名家の女たちは、その土地や周りの目、家を絶やしてはいけないという考えから、そして全ての女は「女」であることから逃げられないのだと思った。
彼女たちの苦しみは「女」でしか経験しない。妊娠も出産も生理も閉経も。性の多様性が広がる昨今、「女」と表現することに抵抗(抵抗というより無遠慮に思える表現に対する違和感?)を全く感じず綴っているわけではないが、この作品は「女」についての話だった。
それぞれがそれぞれに悩み、苦しんでいた。6人の人生がとても重くのしかかってくるようで、わたしも苦しかった。同じ「女」でも人の苦しみを全部理解することはできないし、肩代わりすることもできない。
役柄の年齢が近いこともあり、ずっと張り付いた笑顔をしているユリアが印象に残っている。今まで笑って誤魔化して生きていたけど、でもすごく生きづらかっただろう。自分の存在や生き方を疑い、壊れてしまいそうになったとき、藤木の家に帰って来たことは尊く思えた。彼女に頼る先があって良かった。風当たりが強いことの方が多かったのではと思うけれど、それでもあの家に帰って来た。良かった。
彼女たちがそれぞれの人生で重圧を感じたり、傷ついたり、苦しんだりして、あの家に集まって来たことはあの家が彼女たちにとって「まほろば」だったということなのだろう。
2人の妊婦(ミドリとユリア)がその後どんな道を選んだのかは分からない。どのようにも取れた。出産による出血なのかもしれないし、堕すことによる叫びや痛みだったのかもしれない。ミドリが上下の縄を持ち上げていたのは女たちのまほろばを守っているようにも、逃げられず囚われているようにも、私たちはここにいると訴えているようにも、白旗をあげているようにも思えた。
ミドリの裏でひょっとこの面を付け揺らめいている他の女たちは、苦しんでいることを悟られないようにマヌケな顔をして、一生懸命に生きてきた女たちだと考えた。全然違うかも。むずかしい。
観ていて苦しくなる場面もあったが、穏やかな時間も流れていた。あのとき、あの場所で彼女たちは確かに生きていた。悩みを抱えながら生きていた。彼女たちのような人がまほろばを見つけ、しっかりと生きていける世界になればと切に願う。
とても見応えのある面白い舞台だった。俳優たちは皆力強く、かっこよかった。祭囃子の音が聞こえてくるのが神輿を担げない女の寂しさをより強く感じさせた。観にいけてよかった。
今作品に関わる全ての皆さま、ありがとうございました。
文章をまとめるのがとっても下手くそなのを改めて自覚したので、こうやって書くことで少しずつでも成長していきたい。
観劇記録①ということで、話がまとまっていなかったりするのはご容赦ください。
精進します。
長くなりましたが、ここまでお付き合いいただきありがとうございました。