遅れきった笑えない不動産業界の現状
長期戦がほぼ確定しているコロナの話題ばかりで皆さん滅入っていませんか?
私は元気です。
先日は仕事の駐車場に着いた途端例の「緊急地震速報アラーム」ですよ。
びっくりしましたね。愛知県に住んで不動産業を営む私にとって南海トラフが頭をよぎり「とうとう来てまったか」と覚悟しました(マジ)。
何事もなくて本当に良かったです。誤報だとかで担当者が謝ってましたが、それは必要ないと思いましたけどね、私は。
さて本日もお仕事の話を。
昨今我々不動産業界でもちょくちょく話題になってきた「これからの不動産業論」。今日はそんな話をしてみたいと思っています。
私は学者でもないし不動産業この道50年というベテランでもないので正直、不動産業の未来なんて予想はできません。
ただこの10年間、他業種から移ってきた者として感じていた違和感は今回のコロナ禍でより一層露呈し同業者の意識に強く突きつけられたのではないかと感じています。
それは古く凝り固まったこの業界の古さに有ります。
最先端のITを利用したシステムを導入する企業も当然有りますが、多くの不動産業者はFacebookとLINEを使うのがせいぜいで、例えば
●iPadで写真に寸法を書き込むとか
●グループチャットで資料を共有するとか
●これらのデータをクラウドで保管して各営業マンや設計が随時共有する
などと言ったことはほぼ出来ないことが多いと感じます。
未だに電話連絡してきて「資料はfaxで送ってください」なんて言ってる業界です。最近は私が遠慮しながら「資料はデータに落としてあるのでメールで一括送信しましょうか?」と尋ねると70%の確率(当社調べ)で「faxで」と念を押される始末です。
その理由は簡単で「そんなことしなくても仕事ができるから」
そう、さっきまではそれが通用したんです。つい数ヶ月までは。
このコロナの影響で人と会う機会を制限され、仕事もリモートで何て言われて、何でもかんでも紙に印刷して出力するこの不動産業界では事務所(営業所)に行かないと仕事にならないという話を未だに耳にします。
紙で出力された資料を手渡しするのが仕事だった不動産営業マンには大きなルール変更を言い渡されているという現実が起こってしまったようです。
我々もお付き合いする中でこれを機に意識が一斉に代わり、メール・チャット・PDFファイル化がより進むことを祈るばかりです。
そんな中、この不動産業には免許証が発行されているのですが、年間で2回ほど「法定講習」の受講が義務付けられています。
宅地建物取引業者(宅建業者)はいわば法律家でもありますので、法律に則った仕事を求められているわけです。
皆さんが不動産で関わる人で「宅建持ってる!」と言われる方、法律家なんです。
そのためこの法定講習を最寄りの集会所(市民会館やホール)などに集まって半日潰して講習を受ける義務があるのですが、これがそもそもアナログでもう早くWEB講習にしてくださいよ、とお祈りしていました。
そんな中コロナですよ。
ついにWEB講習に乗り出したわけなんですが、実は皆さんがあまり知らない部分として不動産業者は超高齢化が進んでいる業界で後期高齢者の受講生が非常に多いんです。
さあどうなるかなと。で、この案内ですよ。
ネットで会員登録してパスワードがFAXで送られてきちゃうなんて。
残念を通り越して気が狂ってるとしか思えない所業。
この団体は誰もこの違和感に物申す人が居ないということが問題。
批判するのは簡単だとは言え、ここまで酷いと批判にもならないレベルでしょう。
paypayは使わない、クレカは怖い、ロボットに仕事取られちゃう、AIが人類を滅亡させるなど言っている方々の実態でしょうね。
冷静に背景を考えてみてもやっぱり結論は「この業界はもう完全に取り残されてリセットを待っている」感じがしてならないのです。
「もうオレたちではどうしようもないから、誰かどうにかしてくれ」
という悲痛の叫びが内部から聞こえてきそうです。
既得権者の組織改革怠慢のツケがついに何ともならない状態まで来てしまっているようです。
不動産業界長くない零細企業にとって、このコリ硬まった既得権益ゴリゴリの業界をITのチカラ、いわゆる「不動産テック」や新しい試みで切り開く世代の交代者として業界をより良く変革する側に居たいと日々勉強しています。
間もなく団塊の世代が去り、負の遺産を引き継いだ昭和後期~平成生まれが資産を引き継ぐので、この動きに私が何が出来るかをいろいろな角度から探っています。
結局、私が皆さん(≒お客様)にどんなメリットをもたらせるか、お役に立てられるか、貢献できるかだけです。
今回は不動産業界の今、こんなに遅れた業界なんだというリアルな現場をお届けしました。
最後までお読み頂き有難うございます。
不動産についての漠然とした不安やご意見などあればお気軽に。
キイチロウでした。
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